クーリングオフ対象外らしい
チートな筈の鑑定能力のショボさと、ネタの古さにガックリ来たが、とりあえず、現状確認をしよう。
でも、古くても名作だよ、『カリオスト◯の城』。某監督作品の中で一番好きだしね。
周りを見渡してみる。
右手側すぐに森、正面遠くに山、左手側も遠くに山、後ろには草原が広がっている。
草原の先には何も見えない。
地平線だ。
これだけで、日本じゃない異世界だと実感した。
普段、日本で地平線見ないもんな。水平線ならともかく。
建物か山で遮られるしな。
あるとしたら、行ったことがないが、北の大地くらい?
「これから、どうすんの? ご主人様」
こっちが聞きたいぐらいだが。
先ず、人里に行きたいな。
情報収集だ。
というか、その辺の知識無いの?
「Map表示が出来るけど、歩いたトコだけだよ。ほら。」
又、おデコに手を触れてくる。
頭の中にMapが見えるようになる。
確かに、自分が青いポイントで示された他は、森と草原が有るだけ。
山まで表示されない。麓まで行かないと、Mapに入らないのか…。
こういうの埋めたくなるんだけどな。
とりあえず、どっちに行けば良いんだよ。
「そこは、ご主人様が決めてよ」
そういう足りない知識のサポートがお前の役目だろ。
神様もどきから、異世界知識をインストールしてもらってる筈だろ。
「何でもは知らないよ。知っていることだ…グハッ」
イラっときたのでデコピンをする。
某委員長じゃねぇんだよ。
「暴力反対!
何でも教えると面白くないからっていう仕様なんだよ。自由度の高い設定。
初めから、攻略Wikiに頼るのダメ!」
涙目で言ってくる。
言いたい事は少し分かるが、社会人だと時間が足りないから、つい頼ってしまうんだよな。
それにゲーム感覚で良いのか?
…とりあえず、行き先は保留だ。
あと、所持品の確認だな。
会社帰りなので、スーツにコート。鞄ぐらいだ。
とりあえず、暑かったのでコートを脱ぐ。
気候は温暖。
春先ぐらいの快適さだ。
邪魔なコートを…、そういえばアイテムボックスがあるんだよな。
「預かっとくね。あと、着るものも交換しようか?」
シルフィが何もないところから、皮の服とズボンを出してくる。
ホントに初期装備ってやつだよな。
なんかゴワゴワするし。
着心地は悪そうだが、スーツを汚したく無いので着替えることに。
吊るしだけど、ソコソコお値段したんだ。
直に着るには肌触りが悪そうなので、
肌着とパンツの上に着る。
シルフィ、
着替えを指の隙間から覗くな。
あと、剣と鎧を装備だな。
「無いよ。」
「はぁっ⁉︎」
「装備品は以上だよ。ナイナイ」
ちょっと待て。魔剣うんぬんはどうした。
魔剣が未だ出てこない…。タイトル詐欺になりそうだ。…あと何話かで出る予定です。…多分。