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妖精ってなに。

閑話休題


神様もどきと話し合う事にした。

何が目的か、ハッキリさせよう。


「君に行ってもらう世界にある神剣を集めて欲しいんだよ〜。」


神剣?なんか凄そうだな。

集めるって事は、何本かあるのか?


「火、水、土、風の4大元素をそれぞれ司るものと、光と闇を加えて6本だね〜。

一本に付き一つお願い事を叶えてあげましょう〜。元の世界に戻りたいなら、そう願えば良いよ〜。」


という事は1つは帰還用に使うとして、5つは好きなように使える訳か…。

リアルハーレム目指すのもアリだよな。


まあ、確認する事が他にも幾つかある。

先ず、戻れるとして浦島太郎状態は困るという事。


「大丈夫〜。時間の経過無しで戻してあげるよ〜。」


次は、快適な異世界生活の確保だな。

身体能力向上や鑑定やアイテムボックス等のチートスキルをくれ。

あと、チートな装備品もよろしく。お金もな。

そちらのお願い(脅迫)を聞くのだから、目一杯チートにしてくれ。


「話が早いね〜。まあ、定番だもんね〜。ではでは…あれ⁉︎」


こちらに向けた神様もどきの手が止まる。


「…無理っぽいね〜。」


え⁉︎


「君にそれだけのポテンシャルが無いみたいなんだよね〜」


どういうこと…


「君の魂や身体の器が小さ過ぎてそれだけの能力を受け容れる余地が無いんだよ〜」


一々語尾を伸ばすな、鬱陶しい。

いや、それよりもとんでもないことを言いだしたぞ。


「だって君の身体、不節制にも程がある〜。出来て若返りと健康体に戻すぐらいだね〜。

それだけでも凄く力を使うよ〜。

魂も全然磨かれてないし〜。」


…確かに、不規則不摂生な生活をしていたが、ここでしっぺ返しを喰らうとは…

しかし、魂を磨くとかなんぞや?

山籠りの修行とかしないといけなかったのか?

そんな奴いねーだろ。


「そのまま行ってもらおっか〜?」


ちょっと待て。

さっき剣と魔法の世界って言ったよな。

しかも魔物付き。

何もチートが無い一般人が生きていける訳無いだろ!

ゴブリン相手でもむりだぞ。

どうすんだ。


「う〜ん。

そうか〜!!

仕方がないので、外付けハードディスクとして彼女を付けてあげよう〜」


神もどきが手を振ると、可愛い顔立ちの手の平に乗るサイズの羽妖精が現れた。


「異世界の説明、鑑定やアイテムボックスは彼女にお願いしてね〜。」


ベルセ◯クのパッ◯みたいなもんか?


「じゃあ、性格付けはそういう感じで〜」


いや、色々マズいだろ。

ていうか、知ってるの?

それに、どうせなら女の子魔法使いに引っ付いてるやつの方が役に立ちそうだぞ。

というか、パ◯クは雄じゃなかったか?性別ないんだっけ?

そんなことを考えているうちに手遅れになったらしい。


動かない人形のようだった羽妖精が活き活きと動き出す。

シュタッと手をあげて挨拶してきた。


「おはこんばんちわ〜!」


「古いわ!」


と、思わず突っ込んだ俺の手を受け、大袈裟に痛がる妖精。


「妖精虐待だ〜。訴えてやる!」


…何で、一々セリフが古いんだよ。


「現代知識はご主人様から引き継いでるからね〜。

ご主人様のセンスが古いんでしょ」


そう反論してくる。

…そう言えば、地デジ化してから、部屋のテレビ映んないまま放置してたんだよな。

ゲームする分には困らなかったし。


いやいや、

…ご主人様の呼び方にグラっときたが、

とりあえず、チェンジで


「ネエネエ。社長さん。

どうせ異世界に行くなら、ハーレムとかチョメチョメしたいんでしょう。

真面目とか可愛い子ぶってる妖精なら、やりにくいよー。

私なら上手いことお手伝いしちゃうんだけどな〜。」


両手をスリスリモミモミしながら、妖精もどきが擦り寄ってくる。


社長じゃねーよ。

どこの客引きだ。

しかし、一理ある。

というか、こいつも心が読めるのか?


「仕様です〜。

だって君、さっきからずっと突っ込む以外では声を出してないよね〜。

そうしとかないと、会話が成立しないんだよ〜。」


神様もどきが話に参加してくる。


むしろ、仕事ではよく喋るぞ。

それで疲れて、プライベートでは口数少なくなるけど。

シャイと間違われる事も有ったが、面倒くさいだけなんだよな。


「あとは〜」


「身体能力向上系は、ご主人様に付いてないとダメなんじゃないですか?」


「とは言ってもね〜。…よ〜し。装備品につけちゃお〜。スキルの付いた魔剣を扱えるようにしてあげよう〜。

詳しい事は妖精ちゃんの頭に送っておくよ〜。」


「…おお! これならご主人様でも何とかなりそうですね。」


勝手に会話が進んでいく。

神様もどきも妖精もどきも、こっち無視すんな。


「これなら、何とかなりそうだね〜。」


「後は、私にお任せください。キッリッ。・°°・(>_<)・°°・。」


「それじゃあ〜、送っちゃうよ〜。」


待て待て。勝手に締めるな。

まだ聞きたい事が…。


「妖精ちゃんに聞けば良いよ〜。ボクが質問受け付けるのは後一つだけにするよ〜」


クソッ

じゃあ最後だ。

なんか凄そうな神剣集めてどうするつもりだ?


「それは秘密です!」


「受け付けてねぇだろ!」


語尾も伸ばしてねぇし。


そして、突っ込み虚しく。白い光に包まれて意識を失った。


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