自分の発言に責任を持ちましょう
「異世界行きに当選しました」という、
トンデモ発言に対しての感想は、驚きや興奮では無く、
疲れ過ぎて変な夢を見てるな〜というものだった。
「夢じゃないよ〜。」
明るく声を掛けてくる白い奴。男か女かも分からない。というよりどんな奴か分からない?
あえて言うなら、白い人影。
怪し過ぎだろ。
「一般人には、見る事すらも難しいんだよね〜。
ふふん。認識するのも難しい存在〜。
そんなボクを、あえて君にも分かる近しい存在で言うなら神さまかな〜」
神々しさの欠片もない口調である。どちらかというと頭悪そう。
「ヒドイな〜。君らに分かるように、存在そのものを低次元に合わせようとしてるんだよ〜。
結構加減が難しいんだよね〜。」
何気に酷い言い様である。
というか、言葉に出してないんですけど…。
「その辺は、時間短縮の為〜。」
「おいっ!」
身も蓋もないな。というか、心が読めるんだな。
なら『琴浦◯ん』の男の子みたいにエロい事を思い浮かべれば…。
「別に恥ずかしくないよ〜。人と違うんだし〜。
それよりも、君の性癖が明かされる方が困るんじゃない〜?
スク水猫耳? それに「ゲフンゲフン」マニアックだね〜」
咄嗟に遮ったが、一方的なダメージを受けてしまった。
再起動にしばし猶予ください…。
…気を取り直して、神さま?を睨みつける。
百歩譲って夢でないとしても、いきなりで一方的な押し付けは困る。
異世界には、興味ないとは言わないが、というか好物ですが、
部屋には続きが気になる漫画や小説があるしね。
「遠くに行きたいって言ってたでしょ〜。君の願いを叶えてあげる〜。」
深く考えての発言じゃなし、
軽い愚痴だよ。愚痴。
どこぞの魔法少女を騙すようなセリフを言うな!キ◯ーベェ!
「自分の発言には責任を持とうよ〜。」
どこかの政治家に聞かせてやりたいセリフだな。
だが、あえて、此処で使わせてもらおう。
記憶にございません!
「それに、ただでは戻れません〜」
「拉致脅迫じゃねえか‼︎」
大層良い笑顔で言い切りおった彼奴に、
流石に大声をあげて突っ込んでしまった。
「お願いを聞いてくれたら、帰してあげるよ〜。」
明るく返答する神…様いらねーな。もどきでいいや。
それに、お願いではなく、脅迫だろ。言葉は正しく使え。
「それに、剣と魔法の世界で、エルフやケモ耳もいるよ〜。
…魔物もいるけど〜。」
末尾にボソッと付け加えた言葉が気になるぞ。
魔物はいらん。
でも、ケモ耳かぁ。
…様は礼儀として付けよう。日本人は礼儀を重んじるしな。
…決してエルフ耳やケモ耳のせいじゃないぞ。
ちなみに、繰り返して言うが、異世界ものは嫌いではない。
というか好物だ。
伊達に『扉を開◯て』、『幻夢戦◯レダ』とか往年の異世界ものとか知ってる訳じゃないんだぞ。内容は殆ど覚えてないけどな…。
あれ?これらの作品で、主人公は元の世界に戻れてたっけ?
最近のラノベの異世界ものは戻れないものも多いしな…。
不安になってきた。
そうだ。
『はてし◯い物語』
コレは戻れた。うん。覚えてる。
ネヴァー エンディング ス◯ーリーと言った方が分かる人いるかな。
映画はイマイチだったけど…。
思考が脱線していくのが止められない。