伝説降臨。
「うおっ……!」
「オラオラオラァ!どうしたァ!若造!貴様みたいな埃に負けるはずがないだろォォ!!」
その腕から振り下ろされる棍棒が地面にめり込み、そこから地割れが起きる。地割れの影響で左足を負傷してしまった。
『比べ物にならねぇ!嘘だろ!?ここで死ぬのか?』
『いや…こんな所死ぬのはごめんだろ…しかも、こういう奴がいるからこの世界が崩壊するんじゃねぇのか?』
相手がまた棍棒を振り下ろす。さっき体感した破壊力を背に、左足を負傷しているのにも関わらず、相手の目にも止まらぬ早さで棍棒を剣で弾き返し、その隙に奴の腹に膝を入れる。
「うがァァッ!!」
「…ッどうだ!」
「噴ッ!そんな一撃如きでいい気になるなァ!」
相手が棍棒を今までとは違うほど大きく反り棍棒を構える。周りには煙が立ち込め、雲行きも何だか悪くなってきた気がする。
『…な、何が来る!?』
「ヴガァァァァァァァァァアアアアアッッッッ!
爆裂骨棍棒!」
奴から繰り出された骨棍棒は高速回転を生み、周りの木々に薙ぎ倒しもう一度オーガモンの腕に吸い込まれるように戻っていく。
『危ねぇ……今は直ぐに構え、対応できたが次はどうなるか……俺に勝てるのか!?』
「若造!死ねぇ!!」
先程薙ぎ倒した木の一本を持ち上げ、骨棍棒と木を交わり合わせ、胸の前で構える。
「双十字波動!」
「なっ!?」
完全に反応が遅れた。先程とは違い溜めが無かった。思わずその場に崩れ、死を覚悟したが、胸の前の2本の棍棒と木から放たれたエネルギー砲は俺ではなくまさかのコロモンに向いていた。
「コロモン!?お前!!コロモンは関係ないだろォ!」
気づいたらコロモンの元へ走っていた。土を大きく蹴り飛び跳ねコロモンを突き飛ばす。
「何で!?僕を助けるの!?」
「うるせぇ!黙れぇ!逃げろォ!」
『何で俺はコロモンを助けてるんだ?いや、見捨てるなんて出来るわけねぇ。いいんだ。これで。短いこの世界だったけど楽しかった。』
「待ってぇぇーー!死ぬなぁぁぁーー!」
刹那、天から落ちてきた物体がオーガモンの放つ攻撃を完全に防いだ。
「俺……生きてる?」
「あぁ、お前をここで死なせる訳にはいかないからな。」
煙がその神々しい姿を見せつける為に颯爽とはける。その煙が消え失せ、その姿が露となる。
胸に刻まれた危険の象徴『デジタルハザード』の紋章。右手の『聖槍・グラム』左手の『聖盾・イージス』、血の如く染まったマント、『クロンデジゾイド』と呼ばれる最高レベルの超合金を99.9%という高純度で使用した鎧に身を包んだ、伝説の戦士。名は
『デュークモン』
「オーガモン、探していたがここに居たか、やっと見つけた。今すぐ貴様を排除する。」
「デュークモン!?なぜここに!?やめてくれェ!」
「問答無用!消え失せろ!ファイナル・エリシオン!!」
聖盾・イージスから繰り出された強大なエネルギー砲は、いとも簡単にオーガモンの体をこの世界から消しさった。
「翡翠。生きろ。こんなところでやられてるようじゃまだまだだ。これを授ける。また会おう。」
そう言うと、マントを翻しデュークモンは虚空へ消えた。
「コロモン、生きて、デュークモンのところへ行こう。」
「え…あ、うん!」
2人の前には紅く染まった夕日が2人をより一層目立たせた。
どうでしたか?次回もよろしくです!
誤字、脱字等ありましたら遠慮なく御指摘ください