不倫の動機付け
会社からの評価は悪くない。でも出世競争には負けている。職場の同期や後輩たちのなかで、優秀なひとたちは、どんどん出世していき差は開くばかり。40大半ばになって、自分は出世からは遠のいていると感じた。むしろ、高給取りのリストラ候補である。
40代は人生の大きな転機となる時期である。仕事・家庭・健康などさまざまな面で変化が訪れる。
「ミッドライフクライシス(中年の危機)」という言葉もある。キャリアの停滞感を覚え、将来への不安を抱えている人も多いのだ。
課長や部長になった同期を見ると羨ましく思う反面、組織全体を管理する責任が伴うプレッシャーを感じているに違いないと感じる。くたびれた管理職。
仕事はほどほどにして、自分の人生を楽しくすることに時間をかけようと思うのは自然のことである。
責任もないから、いつ会社を首になってもいい。このような歪んだ思考に陥る自分に満足する。
自分が青春時代にできなかったことをしてみようと思うようになる。魔が差したでは済まないことになるのをわかっていながらも...
女性と気軽に友達になれるマッチングアプリをインストールし、罪悪感を感じながらも男性の欲求不満を満たせる出会いを求める人間になるのも、この根本的な欲求があったからこそであろう。そこに至るまでに、そうそう時間はかからなかったのである。