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ろくでなしの自己紹介
わたしは45歳のごく一般家庭で育った既婚サラリーマンである。翌日には破綻するかもしれない情事を多数抱えながら生きているろくでなし亭主だ。
子供はふたり、大学生と高校生。妻はひとつ上の学生時代からの長い付き合いだ。
なぜ、自分がこうなってしまったのか、正直よくわからない。家庭が破綻する恐れを感じながら、日々生活している。わたしにはたくさんの女がいる。なにかの拍子に妻に浮気がバレて離婚、そして慰謝料請求...会社を追われ、失職し、独居老人となり死にゆく。これが、わたしの考えている最悪のシナリオ。このシナリオで人生を終えるかたは数多くいると感じる。
大好きな家族或いは親密な間柄のかたに看取られて死にゆくことが正しいことは周知のことである。
しかしながら、死にゆく前に自分のしたいことを達成してから死にたいと思うのもひとつの形である。それがどんな犠牲を払おうとも。
自分のしたいことは何ですか...?