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国盗り

久しぶりの再開になります。

申し訳ありません。

 俺達は満を持して周辺の地主や豪族に対して最終通告したところへ出兵した。


 相手もバカじゃない。周辺の地主、豪族の連合軍をもって、うちに対抗してきた。


 が、所詮は烏合の衆。うちが繰り返し、模擬戦や机上戦をやったのは伊達じゃない。


 相手を一蹴してしまった。

 兵力は相手の方が多かったのだが、組織だった行動ができている訳でもなく、命令系統もデタラメ。

 船頭多くして船山登るってやつだな。旗色が悪くなると櫛の歯が抜けるようになっていく。


 弓兵に狙い撃ちされた所は酷いものだった。豪族とおぼしき男が声を出した直後に倒れる。

 その繰り返しであっという間に兵達が散っていってしまった。


 武蔵に至っては鉄砲で狙撃なんて訳の分からないことをやってしまい、本陣近くにたむろっていた奴らを一人一人狙い撃っていた。


 常清が歩兵で突撃した時には、大混乱状態。もはや戦いですら無かった。


 懸念した異邦人は一切でてこなかった事が不思議ではあったが、戦が終わってから理由は分かった。


 簡単な事だ。クエストが発生してなかったから、参戦しなかった。

 

 いや、色々と突っ込みたいところはあるんだが、ゲームだから、そういう事になるのかと、納得できないような納得のような不思議な気分になってしまった。


 だが、異邦人の領地は無視できないため、PVPに突入していくが、これ、大丈夫なのか?ただの強盗と変わらないような気がしてな。

 中には敵対もしてないのに何で領地を叩かれるんだ!って怒鳴っている奴も居たな。


 うん。ごめん。でもさ、地方の統一の条件って、他勢力の統合か支配下に置くことが条件になっている以上やるしかない。


「おい、おい、おい!なんだって無関係な俺がこんな目にあわないといけないんだよ!」


「すまん。地方統一の為に領地を潰して転移してもらわないといけないんだわ。

 はじまりの街で地方の変更か、うちに降るか決めてくれ。

 地方変更なら悪いが、領地は更地になる。

 とはいっても、その小屋が無くなるだけだけどな。」


「ちょっ!どういうことだよ?地方統一なんてクエストも出てなかったぞ!こんな事して良いのかよ!ただのPKじゃねぇーかよ!」


「そもそも、このゲームは天下統一が最終目標だろ?つまりPVP前提なんだよ。

 情報もないままの状態で、こんな事を起こして悪いとは思うがな。」


「はぁ〜!?なんだそりゃ!MMORPGだろ、これ?」


 その気持は良く分かるぞ。うん。良く分かる。逆の立場なら同じ様な反応をする自信がある。


「ちゃんと城の立て札には投降を呼びかける触れも出しておいたはずだが?」


「あれって、そういうことだったのかよ!わかるかよ!

 てっきり、その辺の豪族相手にどこぞの大名が降伏勧告してるだけだと思ったぞ!

 傭兵団クエストが発令されるかと思って待ってたんだよ!

 意味わかんねぇよ!」


 こんなやりとりを何度もやっている。もう何人目だ?この地域に人が居ないのかと思っていたが、かなりの人数が居るじゃないか。

 いったいこいつら何処から湧いてきやがったんだよ。本気で・・・

 桜花や常清は飽きたのか賭けをしている始末。武蔵は鉄砲隊を増やすべく営業活動をやっている。


「いや、その気持よく分かるよ。なんたって玄がいきなり始めた戦に巻き込まれちゃったんだから文句の1つも言いたくなるよね!

 でもさ、考えてよ、今、うちの配下になれば、初期に配下になった武将でいい思いもできるかもしれないよ?

 でさ、武器を種子島に変えて鬼島津討伐しない?

 九州統一してさ、天下統一するのって夢があると思わない?」


 って具合だ。しれっと種子島に武装変更をぶっこんでいるあたりがなんともな。


 妲己は妲己で良く分からないらしく、弓部隊の仲間と、射程がとか、風がとか反省会を始めている始末。

 後でちゃんとやると言っているのに、この子は本当に聞かんなぁ。反抗期でもあるまいに・・・


 と言うかな。本当に人数が多いぞ、地方統一をなめてたぞ。

 地方の豪族とか地主とか大名潰せば終わると思って居たんだがな。


「ちょっと意味が分からなさすぎてよ。ちゃんと説明をするのに異邦人集めた方が良いと思うぜ?

 一人一人にこんな事してたんじゃ割に合わねぇだろ?

 傭兵団チャットが、何故か出身地方の奴としかできなくなっている理由が何となく分かったわ。

 俺の傭兵団には俺から連絡しとくからよ、あんたがやりたい事って事をさ、皆の前で話すべきじゃねぇか?」


「いや、だから城の御触書に書いてあったと思うんだが?」


「さっきも言ったけどよ、あれじゃ、俺等のような奴には理解できねぇって。」


「そんなにか?」


「そんなにだ。」


 意思の伝達手段が城の立て札しか無いっていうのが問題だな?これは。


「悪いが、どんなコミュニティがあるかもよく分からんのだ。

 傭兵団つながりで連絡を回したり出来るもんなのか?」


「そりゃ。レイドもあるしな。傭兵団の団長同士なら連絡は出来るぜ。

 あと、傭兵団に所属している奴等には出身地方チャットなんてものもあるぞ?」


「それって、まかり間違えば情報がダダ漏れになんない?」


 武蔵の懸念はもっともだな。スパイ仕放題になりかねんな。


「そういう情報を流したことが無いからわかんねぇな。

 傭兵団に入っていない異邦人はどーしようもねぇが、少数だと思うぞ。

 それこそ、あんたらみたいな奴等は傭兵団に入ってい無いと思うが。」


「じゃあ、ちょっと、まかせてもいいか?」


「何かおもしれー事になってるみてぇだしな。

 あんたらが言っていることが本当だとしたら、こいつはチャンスじゃなねぇか?

 この地方は過疎地だろ?

 そこに、プレイヤーの国が出来るわけだよな?

 とするならよ、一気に京を押さえて天下統一も夢じゃないわけだよな。」


 こいつ、なんつー頭の回転が早さだ


「まぁ。受け売りだけどよ。恩人がが言ってたんだよ。」


 心当たりがありすぎるぞ。これは奴がこの国に入ってきていると考えた方がいいな。


「それだけで信じたのか?」


「まぁ、相手が恩人だからな。そりゃこんな事になりゃ信じるさ。

 大将、異邦人の取りまとめは任せなよ。

 あんたらは先の事でも考えてな。」


「助かるが、もう、かなりの人数を潰してるんだが、大丈夫か?」


「ゲーマー舐めんなって。こんな祭りに参加しねぇ奴はいねーよ!」


 良い笑顔で親指を立ててくる。


「じゃ、俺の城に来てくれ。そこで異邦人の対応はあんたに任せたい。」


「おうよ。任せときな!これでもちったぁ名の売れた傭兵団率いてっからよ。」


 


 城についてまず言われたのが


「大将、そりゃねぇよ。これは酷い!何で日本じゃねぇんだよ!」


 だった。いや、異論は認めるが、後悔はない!


「まぁ、やってみたらできたとしか・・・」


 そっと目を逸らす


「やってみたら、で済むような事じゃねぇぞ!

 ここ何処だよ!ヨーロッパかよ!民家すらヨーロッパ調じゃねぇか!

 何で今までこんな城が有るのに気が付けなかったんだよ・・・」


「おそれながら、それはですね、ここが、相田 玄様の領地だから、玄様が招かないと見えないので御座います。

 貴方様の領地も他の方から見えない状態でした。

 この度の戦で玄様が地方統一を目標と掲げたため、玄様達に他の異邦人様方の領地が分かるようになっただけでございます。」


「うわっ!なんだよ、は?いつの間に後ろに!こえーよ!」


 うん。うちのリーサル・ウェポンです。いつも後ろを取られていますが何か?


「あ、そうだったんだ。おかしいなぁって思ってたんだよ。前見たときには何もなかった場所に領地が突然出てきてたから!」


 桜花がのたまうと、武蔵も常清も、ウンウンと頷いている。


「お、おう。そう言うことか。に、しても、このねぇちゃん気配すらねぇってどーゆーこった?」


「ねぇちゃんとは随分な言われようですね。わたくしは玄様の案内人のアカネと申します。以後よしなにお願い致します。」


 こっちを見て、口をパクパクさせる男。


「人に指をささないで頂けますか?」


 あ、怒られたな。


「あ、はい。すいませんでした。」


「おいおいおい、なんだよ、あいつ!こえーよ!」


「あ〜、その人な、気配なく人の後ろから話しかけるのが好きなんだよ。

 ついでに案内人っていうのはちょっと違うんだが、まぁ、そういうことだ。」


「は?案内人?は?いやいやいや、何言ってやがる?

 案内人って、あれだろ?前説の時に居たAIだろ?

 なんで、こんなとこにいやがんだよ!

 もう、何がどうなったらそんことなになってんだよ!」


「そうなりますよね。分かります。玄の異常さが日常になってしまっていますが、この方の反応が普通なんですよね。

 私達も毒されてますね。」

 常清。ちょっと体育館裏にくるか?


「なんか、あんたらと俺とじゃ、見ている世界そのものが違うって、よく分かったわ。

 もう、驚かねぇぞ。」


 と、いった矢先に


「なんで、妖怪がこんな所に出やがるんだ!」


 あ、従動物達がお出迎えしてくれたのか。戦の後は大体出てきてくれるからな。


「あれ、おま、おい、いや、だって、何がどーなってやがんだよ!」


 さっき驚かねぇって言ってなかったか?今日イチ驚いてないか?


「後で全部説明するから落ち着け。」


「落ち着けるかよ!なんだよ!もう俺の中の戦国の夢が崩壊して夢の中かよ!ってなってるわ!」


 こいつ、面白いな。


「気持は分かる。うん。僕達も異常過ぎて思考を放棄したことがありますから。」


「そうである。相田殿を普通の物差しではかる事はできないのである。」


 なんで、君らが自慢げにしているんだ?


「あ、お前等もおかしいと思うよな!な!こいつがおかしくて、俺達はマトモだよな!」


「残念だけど、玄達の方が実は、このゲームを正しくプレイしているんだよね。

 わたしがやらかした事件知らない?始まりの街で従動物連れ歩いてってやつ。」


「おぉ、そういや、そういう話があったな。眉唾過ぎて信じてなかったが、マジだったんか。

 いや、本気であんたら何やらかしてんだよ!」


「失礼な。普通にゲームをやっているだけに決まっているだろ。

 ただ、正しく騙されていなかっただけだ。

 傭兵団でのPVPに疑問を感じなかったか?

 領地を荒らされたのに、領地替えは行われなかっただろ?

 落武者狩りなんて物騒なもんもあったが、突然終了になっただろ?

 従動物の事もバラすつもりは無かったが、やらかした奴が居てな。

 ヒントは幾らでも転がっていた筈だ。

 何故城下町にしか奉行所がなかったのか?とかな。」


「気が付くかよ・・・んなもん。正しくMMOだったと思うぞ?あんたらが傭兵団に疑問を感じている事すら理解できねぇよ。」


「本当にそうか?何故出身地方を無視して傭兵団なんて、組めたんだ?

 領地は出身地方に有るのにだ。

 そして、領地が何故発展させれると思わなかった?」


「だってよ、あれはプレイヤーホームだろ?普通。あんなもんが出来るとは考えねぇよ。」


 そんなもんか。スタート地点が違い過ぎてしまってるからな。


「ついでに言えば、俺達は既に配下が居る。」


「そりゃ。戦に勝てばオレみたいなプレイヤーが仲間になるだろうよ。」


「いや、正しくNPC配下だ。」


「・・・」


「NPCを配下に出来るんだよ。今、制圧したNPC領地の当主も配下になるぞ。」


「・・・・・・」


「おい、ラグってんのか?どうした?」


「情報過多でラグってんだよ!変態プレーしてたのかよ!ってレベルだろ!」


 そんなにおかしなプレーは、していないつもりなんだがな


「もう、秘密は無いと思う。」


「いや、玄さん。転移屋を筆頭に色々とまだあるでしょ」


「あ〜、それさ、全部書き出してもらっていいか?」


「アカネさん、お願いできます?」


「その資料はもう出来てますので、お目をお通しになられますか?」


 やっぱアカネさんは・・・



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