ゲームだから
お勉強の時間
あれから必死に模擬戦をやっているんだが、本当に覚えることが多くて大変だ。
ひたすら一兵卒をやっている。上の意思がどの様に伝わるかを感じることが1つ。NPC達の行動がどの様な物なのかを見るのが1つ。
そして異邦人達の動きや、どの様なことを考えているのかを知るのが1つ。
そんなことを考えながらやっていたからか、隊長(NPC)から、歩調を合わせろ!歩幅を合わせろ!周りを見て動け!攻撃命令が出ても、1人で突っ込んでいくな!と散々だった。最近になってようやく全体行動が板についてきたところだ。
なるほど、1小隊が勝手に動いてはどうしようも無い。
上の意思がこうやって動いて欲しいと言うのが、分かってくると、自然と体が動く。軍が1つの大きな生き物になるのが最上と言うことだな。
そういったことが出来てくると、自分達はやれるという自信が出来てくる。
そして、上にもそれを分かって欲しい。信頼して欲しいと思うようになる。
なるほど、それをくみ取って何処まで出来るのかを考えるのが上の者の采配って奴に繫がるんだろうな。
実際に異邦人と現地人(NPC)がどうやれば良かったかなどを模擬戦後に話をして、あそこでこういう動きで敵に当たらせてくれたら変わっていたんじゃ無いかとか、普通に話をしていたりもするからな。
ふと、模擬戦を一兵卒でやっていて疑問が湧いてい来て、それを黒田君と話した。
「黒田君、疑問があるんだがいいか?」
「殿、まずは模擬戦お疲れ様でございます。して、我に聞きたいこととはなんでございますか。」
いつも落ち着いてるなぁ、こいつ。表情が平坦というか、抑揚がないというか
「いやな、戦には歩兵だけではないだろ?弓兵、騎馬兵、種子島も戦に導入しても良いと思うが、模擬戦では、それらの兵種を使っておらんじゃないか。
相手方に弓兵、騎馬兵、種子島が居た場合、今のままでは、不味いのでは無いかと思ってな。」
「そういうことですか。やっと歩兵の動きが出来るようになってきている所でして。
まだ、弓兵、騎馬兵、種子島を組み込んだ模擬戦を行う程の技量はありませんな。」
「けっこう辛辣だな。そういう理由だったんだな。
だが、黒田君、弓兵や騎馬兵、種子島は適性もあると思うんだが、それはどう考えているんだ。」
「まず、我が思い描く軍として、弓は矢が尽きれば何も出来もうさん。騎馬兵にしても、会敵すれば馬から降りて戦いまする。
つまり、基本は歩兵の動きが出来て居らぬと、継戦能力が落ちてしまうことになりかねませぬので、まずは歩兵として鍛え上げることが肝要かと思っております。」
なるほど、そういう事か。確かに歩兵として動ける事が前提になっては来るな。
「だが、弓兵は適性もさることながら、一朝一夕で物に出来るほど甘くないと、思っているんだが、それについてはどう考えているんだ。」
「殿は適性を見ることが出来ませんか。我はステータスなる物に適性が記されていると、常清殿から聞いてございまして、おおよその編成案は既に出来ております。」
な・ん・だ・っ・て
いま、ステータスって言ったか?
ステータス画面を四角を描いて呼び出す。
1枚目、2枚目、3枚目、4枚目までは今まで通りだ。5枚目があるのか?
スライドさせるとありました。5枚目。兵科適性とか書いてあるぞ。
左側に適性兵科と書いてある。
歩:槍・良
:刀・優
騎馬:槍・良
:刀・優
弓:矢・並
種子島:玉・不可
:早合・不可
俺は種子島は使えないって事のようだ。
右側に適性陣形と書いてある。
長蛇:普
長い蛇のように一列に並んで進軍し、敵を分断する
偃月:普
三日月のような形に布陣し敵を挟み撃ちにする
鋒矢:良
矢の先端のように鋭い陣形を組み、中央突破を狙う
鶴翼:優
鶴が翼を広げたような形に布陣し敵を包囲する
雁行:苦
雁が飛ぶように、斜め一列に並び、敵を側面から攻撃する
方円:優
円形に布陣し、防御を固めつつ、機を見て反撃する
魚鱗:普
魚の鱗のように布陣し、各部隊を鱗に見立てて、防御と攻撃の両方に対応する
衡軛:良
馬車の轅のように、敵の左右の側面を同時に攻撃する
※馬車の轅とは馬車の両側に飛び出ている棒の事の。
創作陣形
どうやら、基本八陣は誰でも使えるようだが、得手不得手があるみたいだな。
創作陣形ってなんぞ。いや、わかるぞ、自分で陣形を組み、使っていくって事だろ。
と、いうか陣をひくときに、それぞれの部隊でも陣形を組んで行くわけだろうから、中々に奥深いというか、そこまで出来るのかって、このステータス画面を見て思ってしまったわ。
こりゃ妖怪退治なんかやってる場合じゃ無いな。
いや、妖怪大決戦とかになると必要なのか。
良く分からんな。なってみないと分からないって事だな。
おっと、黒田君を待たせていたな。
「すまん、確認してみたら、あったな。俺はどうやら飛び道具は苦手らしい。」
黒田君はそれを聞いて笑いながら
「そうでありましょうな。我が殿は武勇で慣らした剛の者と言われましょうからな。」
笑いすらも平坦か。抑揚無く笑われると馬鹿にされているように感じるが、黒田君だからなぁ。
「そしたら、このステータス画面を出せる者に適性を確認させてから、歩兵、弓兵、騎馬兵、種子島で分けていって、模擬戦を続けるのか。」
これでうちの軍は強くなるだろうな。
「いえ、殿。もうしわけありませんが、模擬戦で弓の騎馬、種子島を使うのは、ちと懐具合が寒くなりまして。」
「出来ないか。金食うからな。」
「その代わりに、各兵種はそれぞれで技量を上げてもらおうかと思っております。
歩兵の模擬戦で味方の動きを見ることは出来ており、兵種に習熟するのに時間はかからないと武蔵殿も言っておられました。」
現実とゲームの違いだな。ステータス補正が入る異邦人は良いが、現地人はどうなんだろうな。
一応配下武将の欄を見てみたが、俺達のような兵種、陣形のステータスは表情されなかったからな。おそらくはマスクパラメーターとなっているんだろう。
俺の部下は全員脳筋かと思うほどに前衛ばかりだから、遠距離攻撃が得意な奴も居るだろ。きっと。多分、居て欲しいな。
「それじゃ、いったん模擬戦は終わりだな。後は編成を行って、部隊構成の発表して、各自の鍛錬に期待するってところか。」
「御意。」
「そしたら、俺は槍のれんしゅ「殿は我と机上訓練をしていただきまする。」うって何だと。」
黒田君が被せてきた。で、何て言った、今。顔を顰めると
「殿は我と机上訓練をしていただく。一兵卒ばかりで御座いましたのでな。兵の動かし方を学んで頂きませぬと。」
机上訓練って何だよ。って思っていると
「殿、城に戻りますぞ。後のことは、常清殿、武蔵殿、桜花殿、今野殿にお任せすればよろしい。」
ひえ!黒田君の目が光ったぞ。確かにキラッと光ったように見えたんだよ。
黒田君に引きずられるように城に戻ると、黒田君はアカネさんに、何やら言ったあと、俺を引きずり広間に。
少し待つと、アカネさんが、他の女中さん達と大荷物を持ってやってきました。と、いうかこんなに女中さんが居たんだな。知らなかったわ。
「黒田様、お言いつけの物をご用意致しました。旦那様のお顔の色が優れませんが、大丈夫ですか。」
ん、アカネさんが優しい。うるっと来たぞ。最近やたらと、アカネさんが俺にキツく当たって来てたからなぁ。
「黒田様、少し旦那様とお話をさせて頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」
「時間の無駄でなければ。」
「重大事項に御座います。」
「重大事項となれば我とて含むところはござらん。」
えっと、なんか俺の事だろうに、俺をそっちのけで話を進めるAI。久し振りの、中身居るだろ!
「では、こちらに入ってきて下さい。」
アカネさんがそう言って、引き戸を開けると、そこには1人の少女?が居るではないか。
「パパ、突き止めたわよ。」
ニヤニヤとしながら、こちらに近寄ってくる。
「パパとは、どの様な意味でござろうか、我はとんと聞いたことがござらんが。」
うん。黒田君、君は黙ってようか。
「あたくしの名前は相田 妲己よ!相田 玄の娘!」
やっぱりか、いや、いつかはとは思っていたんだが、このタイミングで来るとは。
「な、なんと!殿のお子であるとは誠で御座いますか!」
おぉ、平坦黒田君が動揺で声が震えて居るではないか。
「黒田様、重大事項でございましょう。」
「こ、こ、こ、これは、じゅ、重大事項じゃ~!!」
何か叫んでいるんだが、何が重大事項なんだか。
「で、妲己ってお前は俺の国を滅ぼしに来たのか?」
娘に問う父の姿よ
「そんなわけ無いじゃない。私は、相手を滅ぼす魅惑の女!妲己なの!」
背伸びをしたい年頃ではあるんだが、お前に魅惑的な女なんか似合わなさすぎるぞ。元気印でお転婆なお前に、そんなカホリを醸し出すことなど出来ないと断言しよう。
「あ、パパ今、不穏な事考えたでしょ!でも、良いんだ!や~っとパパと遊べるんだもんね!」
「あ~、それなんだがな、今からお父さんは、この黒田君と机上訓練とやらをしないといけないみたいでな。
一緒に遊んでやる時間を取れそうにないんだ。」
キッと黒田君を睨みつける妲己。
「なんで、パパと遊んじゃダメなのよ!なんか言いなさいよ!あんた!」
おぉう。食ってかかってるな、やっぱり桜花とキャラが丸かぶりじゃないか。いや、桜花の方がお姉さんか?
「こら、妲己。我が儘を言うなら、城から叩き出すぞ?」
「ご主人様、それはいくらなんでも。奥方様と御子息も、こちらに来られるのでしょうか?」
「お、お、お、奥方様!ご、ご、ご、御子息まで!
これは大変じゃ!文を、いや、早馬を、いや、どうすれば!」
なんか黒田君が面白いです。1人で何やら混乱しまくってます。
「パパ、あの人どうしたの?大丈夫?」
「お前、母さん達の事話したのか?」
「え?うん。あの綺麗なお姉さんから、ご兄弟は?って聞かれたから、兄が1人居ますって。」
嵌められおったわ。やりやがったよ。やらかしやがったよ、こいつめ。
「母さんとはゲームを一緒にするかどうか決めてなかったんだぞ?」
「いいじゃん!どうせ、お母さんはパパにくっついて来ちゃうんだから、諦めなって」
な、なんて事を言う娘なんだ!
「頼むから、お父さんの事は母さんには言うんじゃ無いぞ!絶対だからな!」
む、娘の顔色がおかしい・・・
「お、おま、もしかして、もう言ってしまったのか?」
「ううん。ただ、パパがここにいるかもって話をしただけだよ!」
「それって、絶対来るじゃないか!確認しに来るだろ!それ!」
「ご主人様、ご主人様の領土には他の地方からですと入っては来れませんよ。」
「あ、そうか、地方で分かれているから、来れないんだったな。」
「え?ママはフリーになったから、地方の変更出来るからって言ってたけど?」
「あ、アカネさん」
アカネさんに縋るように見ると、あからさまに目線を切られてしまった。
あ、これは終わったわ。
「殿!殿の御子息が居られると言うことは、相田領は安泰と言うことに御座いますぞ!
我は殿に奥方を娶って貰い、お世継ぎをと思っておりました!」
俺の知らないところで、恐ろしいことが進行していたことを初めて知った。
「パパ、これ、ママにバレたら・・・」
「あぁ、血の雨が降るな。主に俺の血の・・・」
その言葉にその場が凍り付く。
「あ、アカネさん。もしかしたら、相田を名乗る人が来たら、ここに通して置いて。
俺が戦で出ていたら、どっかの部屋に押し込んで置いて下さい。
それから、裏で変なことをしないでくれますか?
リアルで俺の首が飛んだらどうするんですか。」
「ご主人様の仰られる通りに致します。お世継ぎ問題は大切な事ですので。」
アカネさん絶対に分かってやってるな、これ。
「パパ、私、この人怖いって思うの間違いかな?」
「優しいんだよ。すっごく。たまに、想定の斜め上を行くだけだ。」
「それってダメな奴じゃん!」
「とはいえ、奥方様も御嫡男もおられるのであれば相田家は安泰で御座いますな。
これで後顧の憂い無く戦ができるという物。
ささっ殿、机上にて戦を我と行いましょうぞ!」
「ねぇ、パパ。戦ってなに?ねぇ、何がどうなったら、こんな事になってんのよ?
ロープレでしょ?このゲームって。シミュレーションじゃ無いわよね?」
「いいか、このゲームは正しくロープレで、シミュレーションでアクションゲームだ。」
「良く分かんないけど、変な事を言わないようにした方が良いみたいだね。
もう、ママも巻き込み決定じゃん。」
「まぁ、そうなるよなぁ。母さん達が合流したら家族会議だな。
あ、後、俺の仲間も後で紹介するわ。
だから、今は、俺と黒田君のやってることを暇だろうけど見てなさい。」
「は~い。」
って事で娘に居場所がバレ、妻にまでバレるまでカウントダウンが始まっているという事になってしまっているという。
ま、気を取り直して黒田君と机上の戦を楽しむとするか。
ボロボロにされました。見えているのに、敵の動きもしっかりと見えているのに、負けてしまう。
思考を読まれているのか、やることなすこと全て完封されて、どうにも勝てない。
黒田君に言わせると、何がしたいかが手に取るようにわかるそうだ。
こればかりは数をこなして行かなければいけないこと、あまり自分とだけやるのも危険だと黒田君に言われている。
桜花達と時間を合わせて机上戦をやっているが、中々に奥が深くて娯楽感覚で広まっていってるらしい。
戦の足音は確実に近づいて来ていた。
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