ゲームだから
模擬戦とは
模擬戦参加をとめられたため、俺は見学に回ることにした。
今回の大将は桜花と壚だという。なんというか、突撃対突撃の未来しか見えないんだが。
武蔵と常清は、今回はどんな手を使うか楽しみだと言っている。どうやら突撃だけでは無いらしい。
そして始まった模擬戦。
どうやら、野戦と攻城戦をやるようだ。攻城戦は攻め手と守り手を交代でやるとか。
2500対2500
桜花の軍は本陣を中心に左右に陣が広がる鶴翼の陣と呼ばれる陣形。対して壚の軍は、本陣を1番後にして長方形に陣を作っている。
これを見るに桜花は包み込んで殲滅狙い。対して壚は密集して防御に特化した防衛陣。ちょっと意外だったな。
桜花の軍が前進を始める。方や壚の陣は動かない。
2つの陣が近づいていき左右の軍が交戦に入る。
壚の陣は分厚いので桜花の軍は攻めあぐねているようだ。
ん、良く見ると壚の陣は先頭に居た部隊が次々に入れ替わっていっていないか、あれ。
先頭の部隊が後方の部隊とうまく入れ替わっている。そのためか桜花の軍は段々と動きが鈍くなっていく。
壚の陣に変化が現れたのは、何度目かの入れ替わりがあったときだ。
今まで動かずに守りに徹していたが反抗を開始し、桜花の軍の左右の部隊に乱れが生じる。その乱れに乗じて、中央に居る桜花の本陣へと左右の部隊を攻めている部隊以外の部隊が殺到する。
これは決着がついたかと思った時に、桜花の左右の部隊の1分が、壚の突撃してきた部隊に左右から攻撃を開始して、足を止める。
桜花の本陣が、そこへ突入する。
これが決着に繫がった。突入してきた部隊は全滅。そのまま桜花の本陣を中心とした部隊が壚の陣を強襲して勝負あり。
壚の所からは桜花の鶴翼の翼に隠しがあったことに気がつけなかったようだ。
桜花は部隊がやられそうになっても、部隊を変えずに勝負に出たと言ったところか。
中々に見応えがあったな。しかし、命令を受けて即座に行動に移せる命令系統をどうやって構築したんだろうか。
最初に見た模擬戦から格段の進化がうかがえるな。攻守にも目を見張る物があったな。おそらくだが最初からの作戦では無く、流れに合わせて都度都度作戦を変えていったのだと思う。
これは俺もしっかりと戦術を学ばないと不味いと思いしった。
この後の攻城戦では、やはり守備側が有利でお互いに砦を攻め落とすことは出来なかった物の見応えのある物だった。
「桜花、てっきり突撃だけだと思っていたが、見事な戦いだったな。」
「ふふん。これからは名将桜花と呼ばれることになるんだからね。」
「それは今後の結果次第だろうが、凡将とは言われんだろうな。」
「そうでしょそうでしょ。もっとわたしを褒めても良いんだよ。」
「今回はたまたまうまくいっただけでしょ。桜花も壚も、勝敗は並んでいるんですから。」
常清は冷静に言ってくる。
「そうだね。ただ、2人とも格段に戦がうまくなったよ。最初は子供の殴り合いかって事やってたからね。」
「よく、そのレベルから今のレベルになったな。」
「そりゃ、下の部隊長や隊長にまでダメだしくらってりゃね。」
「ほう。下の隊長や部隊長もレベルが上がっているようだな。」
「玄、もしかすると私達よりも部隊長の中に戦上手が居る可能性すらありますよ。」
「そうだね。僕も何度かアドバイス貰っちゃったし。」
「具体的にどんなアドバイスをもらったんだ。」
「1番最初に言われたのは、軍を動かす時には兵士を纏める隊長が何処を目指すのかって事を明確にすることが1点。他の隊との連動を考えて歩調を合わせるようにすることが2点目。全体の動きをスムーズにするために部隊長が何を目的に動いているかを意識させることが大切って事が3点目。最後に、勝っているにせよ、負けているにせよ、兵を引く時には迷わないこと。かな。」
「難しいことを言っているようですが、基本的にこれが出来ないと軍としての行動が出来ない事の証明を私達は何度もしてしまいましたので、アドバイスの通りに軍としての行動が、淀みなく行える様にすることから始めて、今に到るわけです。」
「玄が本当ならやらないと行けないことなんだけどね。わたし達は武将として部隊長を纏めるだけだから。
勝手な行動が軍に与える影響なんかも分かってるから勝手なことはしないけど、玄が訳分かんない事をしたら、勝手に兵を引いちゃうからね。」
桜花のくせに生意気だ。
「そうですね。作戦の立案の所からしっかりと行動指針を詰めておく必要はあるでしょうね。」
「お前等の方が大将に相応しいんじゃないかとすら思えてきたぞ。
俺は城で留守でもして置いた方が良いんじゃ無いのかってな。」
「ご冗談を。玄が先頭に立つときに支えられる様に、皆で頑張っているんですから。」
皆が側張っているときに、気晴らしだとハメ技使ってレベル上げに勤しんでいて、すいません。
ちょっと気合いを入れて模擬戦に一兵卒から参加させて頂きます。はい。
それはもう、必死にやりますとも。こいつらの頑張りを見せられて、やらないなんて選択肢はない。
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