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ゲームは楽しむ物

 仕官って・・・


 始まりの町の奉行所で仕官依頼を出す事にする。

「すまんが仕官依頼を出したいんだが。」

 受付嬢が待ってましたと書類を出してくる。

「では、こちらに仕官依頼の内容を詳しくご記入していただけますか?あ、あちらに記入の席がありますので。分からない所は開けておいて、後で一緒に埋めていくようにしましょう。」

 俺は呆然とする。なんだ?この書類の束は・・・ペーパーレスとなったこのご時世、何が悲しくてゲームの中で大量の書類に追われないといけないのか・・・

 いや、なんとなくだが予感はあったんだよ。領主になった瞬間に決済の書類を書いていたからな。意味不明であったが、やらないと回らないと言われ、サインし続けたさ。とどめがこれか・・・

 何々、仕官を希望する職業、性別、年齢な。で、希望出身地。ま、分かるぞ、で、これは・・・なんだっていうんだ?職業がなぜこんなに細分化されてるんだよ!仕官させて好きな事させれば良いじゃないかよ!

 え、違う?適職がある?え、仕官してくるのはプレイヤーだけじゃない?NPCも仕官をしてくるだと?

 次々ページをめくり、必要事項をあーでもない、こーでもないと書き進める。

 

 何とか分厚い書類を書き終え、受付嬢に持っていく。

 受付嬢と二人で書類の確認

「相田様、仕官を希望する方がお見えになった時の対応の仕方が抜けてますよ?」

 そりゃ、履歴書なんてないだろうから、どうすればいいのか。プレイヤーであれば履歴書で良いんだろうがな。

「いや、履歴書なんて知らないだろ?」

「履歴書とは何ですか?」

「簡単に言うとだな、氏名、年齢、出身校、最終学歴、特技、志望動機などを書いて提出してもらって、書類選考をするんだよ。」

「書類選考が分かりませんが、ようは紹介状を自分で書くという事ですか?」

「そう捕らえてもらえれば、多分間違っていない。」

「で、あれば、感状をお持ちの方は、この履歴書は必要ありませんね。」

「感状をもっていると何故履歴書がいらないんだ?」

「感状をお持ちの方は、他家で仕官していた時に、これほど優れた働きをしてくれた。この者の素性は間違いはない。という物になりますので。」

「感状を偽造したりしないか?それ?」

「そんなことをすれば武士として終わってしまいます。」

 そうなのか。どうやって真贋を見極めるのかと思ったが、それは心配ないという事か。

「では、感状を持っているのもは履歴書免除でいいな。後は、何かなかったか?」

「ですから、対応についてです。面談をされるでしょうが、いきなり相田様と面談にするんですか?」

 そうだな、

「では、武士で仕官してくるものには、槍働きか書類働き下で面談者を用意しよう。その者がいいと言った者だけを俺が直接面談する事にしよ。」

「面談の前に、忍びの者に素性をあらためさせますか?」

「そこは厳重に頼む。間者がまぎれでもしたら事だからな。」

「出身地に関してなんですが、朝倉郡のみですが良かったですか?」

「あとでこれは領土の追加は出来るんだろう?」

「もちろんです。」

「問題ない。」

 受付嬢は書類を点検していく。ところどころ細かい事を聞かれ、微修正を加えて出来上がった。


「なんなんですか、仕官依頼書って。役所の書類と同じですね。」

 帯刀君がのぞき込んでくる。

「そのうち住民台帳を作るとかいう依頼が来るんじゃないですか?」

「多分だが、もう徳さんあたりが住民台帳みたいなものを作っているような気がする。」

「徳さんはなぞである。わたくし、何度も後を付けてみたであるが、いつもまかれているである。」

 駿河さん何やってんの・・・

「僕なんか、こんな書類作りたくないですし、書類を見るのもいやです。書類は敵です、敵!」

 今野君、どうした?何が有ったんだ?


 なんだかんだ暇だったろうに待ってくれている4人と4頭。

「あ、相田さん、桜花さん、常清さん、武蔵さんに断り入れなくていいんで?」

「敦賀君、流れという物があるんだよ。あいつらが今、この場に居たら・・・書類の完成は無い!」

 断言する。桜花、常清で意見が割れる。武蔵と常清で細部が割れる。絶対に纏まらない。

「やっぱり、ですよね。そんな気はしてましたよ。俺、この前、桜花さんと常清さんが水源から水路を作るときにもめているの見ましたし。仲悪いんですか?」

 そういう風に見えるかもしれないな

「いや、あれは遊んでいるだけだ。主に桜花が。常清もそれが分かっているから、もめているように見える。桜花は直観型、常清は直情型、武蔵は理論型だからか、最終決定が必要なところでは意見が割れる。」

「よくみているである。さすがは当主なのである。わたくし、いい主君にめぐまれたのである。」

 ほめすぎだ。


 そんなことを話していると

「相田様、いつから仕官を受け入れますか?明日からでもできますが。」

 早いな。

「面談をする面子を決めてからで良いか?」

「あの、ここに面談者って書いてあるんですが?異邦人は佐々木 武蔵様と桜花様が行うように、異邦人以外の仕官者は、槍働きは、前田 利成様、円光寺 恵栄様が、書類働きは、近藤 吟次郎様、大城 主税様が、軍師希望は、黒田 正隆様、アカネ様。その他職については、藤堂 吉之助様、木佐 藤吾様、甚太様がそれぞれすると。」

 書いていたのか・・・いや、それしか無いと思って書いているんだよな。細部を決めているときに受付嬢の言われるがままに・・・ 

 壚のパーティーメンバーはまだ合流して日が浅いのもあって頼みにくかったのもあるんだがな。

「明日からやってくれ。」


 始まり町から城に戻り、アカネさんに面談をする者を集めてもらって、仕官が来ることを伝える。

 それぞれに反応があったが、みんな面談をすること自体は良いと言われた。

 


 次の日に奉行の埼島が俺の所に仕官希望者ですと、書類の束を置いていく。

 ファッ!

 紹介状に感状に履歴書に・・・目の光が消えた瞬間だった・・・

 書類作りはとどめではなく、本当の戦いは今始まったのだった。

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