ゲームを楽しむ事
奇々怪々
体力も回復したので城下町に戻ってきた。まずはあの村についての情報を集めないと解決の糸口すら見つけられない。久しくゲームをしていなかったもので、RPGの基本を忘れていたようだ。
まずは情報収集だ。トライ&エラーじゃないか。一回躓いたくらいで諦めるなんて事はなかった。
奉行所であの村の出身者や知っている人がいないか聞き込み開始だ。
「すまないが、カラス天狗の依頼を受けていて、行ってみたんだが、カラスに多さに撤退してきてな。あの村の出身者か知っている者が居たら話を聞きたいのだがアテはないだろうか。」
元村娘A・Bに聞く。
「あ、相田様。依頼失敗しちゃったんですか?」
「きみちゃん、まだ失敗してないよ。」
「え、でも撤退してきたって相田様が。」
「だから、話を聞かせてほしいって相田様は言われているの。きみちゃん早とちり治さないと。」
「そ、そうなんだね。まいちゃんだって、そそっかしいって怒られてるじゃない。」
あ、この二人を受付にしたのは間違っていたか?ポンコツではないか・・・
「で、だ。兎に角、解決の糸口が見つからないかと思ってな。」
二人が何やら書類を出して、これでもない、あれでもないと何かを探し始める。
「あ、あったよ。きみちゃんこれだよ。」
「ほんとだ。じゃあ、これを相田様にお見せすればいいね。」
と分厚い書類を俺の前にだす。
「ここに、依頼者の名前が書いてありますよ。それでですね、依頼した方は村には帰れないからどうしたらいいかの相談もされてますね。」
おお、書類にそんなことまで書いてあるのか。中々やるではないか
「で、帰れないからと今は何をしているんだ?」
「この方には建築現場の仕事を勧めていますね。多分、甚太さんにお聞きになれば、分かると思います。」
甚太?誰だ?それは。俺が分からないと言う顔をしていて誰の事か分かっていないのを察したのか、まいが残念な生き物を見る目で
「ご自分の配下を忘れているのですか?」
冷たく言われた。いや、屋敷に居るなら顔も合わせるし分かるんだが、大工は現場で寝泊まりしていて忘れてしまっていたんだよ。
「あー、これは内緒でお願いします。すいません、忘れてました。ごめんなさい。」
まいは慌てていえ、大丈夫ですからと、何が大丈夫なのか分からない返事をしてきた。何だか居心地が悪くなり、逃げる様に奉行所を出て、甚太がいる現場に向かう事にした。
って、甚太の現場ってどこだよ。道々建設現場で働いている職人の手を止めさせて甚太の現場を知らないか聞いて回った。
何とか甚太の現場について話を聞こうと思ったら、依頼主の名前を聞いていなかった。もう、穴が有ったら入りたい・・・
「相田様、俺もしっかりしている訳じゃねーですが、そこはまずいでしょ。仕方ありやせんね。俺も一緒に奉行所にいきますから。」
うん、なんかすまん。調子がくるっている気がするな。
「悪い。助かる。」
言うのが精いっぱいだった。
奉行所に戻り、きい、まいにアホを見る目で見られ、依頼主の名前を聞いていかないなんて。と突っ込まれ、甚太と勝手に話を始めて俺の出番はなく、話が終わっていた。
「相田様、奴は同じ現場におりますよ。よく働く奴でね、筋もいいんですよ。じゃ、行きましょう。」
俺は何も言わずに甚太の後を付いていく。城下町に道を作っては壊し、又作ると言う事を桜花がやっていたな等考えながら歩き、現場にたどり着いたら、甚太が依頼主を呼びだし、ようやく話が出来る様になった。
「あの村に行ったんだが、カラスの手洗い歓迎を受けてな、仕方なく戻ってきたのだ。あの村に何が有ったのか聞きたくてな。」
目の前には20台の男が立っており、びくびくしながら話を始める。
内容は、村の外れに農地を広げようと開墾をしていたら、地面の中に大きな石が埋まっていた。石をどけなければ農地に出来ないからと、村の男手総出で石を取り出すことにした。何とか石は取り除くことができ、これで農地が広がるとみんなで喜んだんだとか。
件の石をどうするかって話になり、みんながこれは村に置いて自分達はこんな大きな石を掘り出して農地を広げたんだと自慢をしたいって事になったそうだ。そして大きな石を何とか村まで運び込み、村の女衆に自慢していたところ、1人の娘が自慢げに話す男衆に、なにさこんな物、大したことじゃないと言って蹴りつけたんだとか。
男衆は何をするんだと、その娘に詰め寄った。すると石の中から音が聞こえてきた。みんなビックリして石を見ていると、ヒビが入り始め、石の中からの音も大きくなり、ついには石がパカンと割れて、中からカラスの大軍と小さな天狗が出てきて
「人間め、オイラと可愛いカラスをよくも閉じ込めてくれたな。目にもの見せてやる~。」
と言って空高く舞い上がり消えて行った。と
そして残された割れた石は縁起が悪いと近くの川の中に捨ててしまった。捨てた直ぐ後からカラスが村人を襲うようになり助けてほしいと奉行所に願い出たんだそうだ。そして何とか村を助けてほしいと泣きつかれた。
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