ゲームは楽しむ物
奇々怪々
カラス天狗っが村を襲っているという。何か理由が有るのだろうか。
鷹牙、鷹羽、斑はじゃれ合いながらついてくる。しかし、本当に雑魚敵すら出て来ないな。
目的の村に近づくと、悲鳴が聞こえてくる。来るなぁ、来ないでくれ、俺達が何したって言うんだよ、もうやめて。と聞こえてくる
「鷹牙、鷹羽、斑!行くぞ!」
3匹に声をかけてから村へ駆け出す。
目の前にあった村がどんどん大きくなり、黒い小さな物が空を埋め尽くしているのが見えはじめる。
あれは、烏、なのか?カラス天狗がカラスを使って村を襲っているのか。
何だか違和感を感じるが、そんなものを考えている暇は無い。
村人は家の中に逃げ込んでいく。ただ、軽い怪我はしているだろうが重傷者は幸いにしていないようだ。
「早く家の中に!ここは俺が時間を稼ぐ。鷹牙は上のカラスを鷹羽はまだ家に入れていない者を助けろ。斑は俺と一緒にカラスを落とすぞ。」
カラスの相手がこんなにも大変だとは。カラス自体もかなり大きい。翼を広げると1メートルは無いにしてもかなりの大きさだ。
嘴と爪を使って攻撃をしてくる。しかも四方八方からだ。
俺はそれを刀で弾く。刀を薙いで近寄れないように大声を出しながら、ブンブン振る。振り回す刀にカラスが突撃して下に落ちていくが、何せ数が多い。
あ、ブンブン振り回しているけど、やたらめったらに振り回しているわけじゃない。カラスも突撃してくる場所やタイミングが違うから、一番近くに来ている奴の方向にぶん回している。
最初は1羽ずつ突き殺そうかとしたが、数の暴力の前に、それは悪手だと判断した。
とりあえず村人が家に避難するまでの時間稼ぎをすれば良いだけだからな。
わざと目立つようにしているわけだ。
鷹牙は家の屋根に登ってカラスに対して飛びかかっている。まだ小さい翼では飛べないが、着地するときに羽ばたいて落下の衝撃を殺しているようだ。1羽1羽と確実に倒している。
鷹羽は逃げ回っている者とカラスの間に割り込んで前足を上手く使いカラスを追い払っている。
斑に関しては何故か俺が落としたカラスをぶん投げてカラスに当てている。意味が分からん。
鷹羽が戻ってきて、カラスに飛びかかっている。と、言うことは村人の避難は終わったということだ。
「鷹牙、こっちに合流しろ。ここからはカラスが諦めるまでやり続けるぞ。」
どの位の時間がたっただろうか、俺の足元には大量のカラスの死体、それを投げる斑。鷹牙、鷹羽はハァハァと荒い息を吐きながらもカラス達に噛みつき、引っ掻きしている。
カラス天狗の姿は見えないが、これは一体どういうことか。
カラスの大軍は少しは減ってきているようだが、マダマダ上空を旋回しながらカァカァ鳴きながらこちらを威嚇してくる。
飛び道具があってもこれはジリ貧だな。体力が尽きれば終わりだ。鷹牙も鷹羽も斑も限界が近い。
どこかの家の中に避難して・・・体力を回復させて、家の中から状況観察してカラス天狗を見つけるしか無いか。
あとは、見つけたとして、どうやって倒すかだな。
斑にカラスの死体を投げさせて当てるか?
いや、相手も動いているからな、そうそうあたるもんでも無いだろう。
これ、詰んでないか。
とはいえ、近くの家屋に逃げ込む必要は有るな。少しずつだが、家屋の方に向かって移動をはじめる。
走って家屋まで行こうにもカラスの方が早いし多いからジワジワ移動するしか無いってだけなんだが。
カラスをたたき落としながら何とか家屋まで辿り着いたが、戸が開かない。
「すまんが、戸を開けてくれないか、休ませて欲しいんだ。」
「や、やだよ。戸を開けたらカラスが入って来ちまう。ダメだダメだ。別の家に行けよ。何でうちに来るんだよ!」
え、マジか助けに入った者にこの言いようは無いぞ。
わかった、村から出るか。村から出て様子を見よう。
「鷹牙、鷹羽、斑、すまんがもう少し頑張ってくれるか?」
「「キューン!」」「キャッ!」
よし、良い返事だ。
「村の入口まで行くぞ!」
またジワジワと村の入口を目指して進む。と言うよりも後退していく。
相変わらずにカラスの突撃は止まない。そろそろ腕がキツくなってきたし、体力もかなり減ってきているようだ。
初見殺しも良いところだな。数の暴力がエグすぎる。そんなことを考えながら、刀を振り回した続ける。
気付けば鷹牙と鷹羽、斑はもう動くのがやっとという感じになってしまっている。
体のあちらこちらに引っかかれた痕とつつかれた痕が出来て血が流れていた。
怒り、そう怒りだろう。カラスに対しての怒りと、 村人に対しての怒り。
その時にピロンと頭の中で電子音がなる。
こんな状況で一体何なんだと更にイライラしてきてしまう。
剣先がブレてしまい、カラスの突撃を顔面にまともに受けてしまった。
カラスの奴顔に張り付いて離れやしない。片手で適当に刀を振り回した、空いた手でカラスを顔から引き剥がそうとするが中々剥がれない。
その間に腕や足にカラスが爪を立ててくる。完全に0距離で纏わり付かれてしまっている。
「ガーーーッ!」けたたましい鳴き声聞こえた次の瞬間に顔に張り付いていたカラスが離れた。
何が起こった?斑がカラスを片手にやたらめったら振り回していた。
おそらくだが、これが顔に張り付いていたカラスに当たって離れたんだろう。
いかん!斑が今度は纏わり付かれてしまう。片手で斑を抱きかかえ、片手で刀を構えてジリジリと後退する。
カラスも段々と襲わなくなってきて、何とか村の外に出ることが出来た。
1人と3匹は血塗れになってしまっていた。傷薬、傷薬、まずは3匹に使ってと。
最後に俺が傷薬を飲む。傷は直ぐに回復したが体力は回復しない。
体力が回復するまで休むとするか。
目の前ではカラスが村の家の屋根の上でカァカァ鳴き、空には旋回しながらカァカァなくカラスの大軍。
それなりに倒したと思ったんだが、減っているように見えない。
いったいこの村で何が起こったんだろうか。
他の村にも被害が出ているのかも調べて対策を考えないと、無策で突っ込むだけじゃジリ貧だ。
カラス天狗の討伐なハズなのにカラスの討伐ってどうなっているんだか。
体力も回復してきて動けるようになって、さっきのピロンを確認しようと、手で四角を作る。
いつものステータスデーターだな。綺麗な菱形が見えるな。
隣の装備も相変わらずの刀だけ。
何も変わらないんだが・・・
レベルアップした時にピロンなんてならないしな。このゲーム、レベルが上がっても分からないという不思議システム。ちゃんと確認しないと強くなっているかも分からないっていう。
同じく配下、配下NPC、従動物のレベルアップも分からないからチェックは欠かしていない。
ステータスデーターを見終わって、村にも目を向けると、村は真っ黒な山のようにカラスだらけになってしまっていた。
あ、これはもしかすると依頼が失敗したのかと、再度ステータス画面から依頼の確認をする。
だが、依頼はそこに記載されてあり、成功にも失敗にもなって居なかった。
本当に謎だな。
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