ゲームは楽しむ物
奇々怪々
落とし穴に落ちなかった妖怪達は何が起こっているのか分からない様子で慌てている。そこに俺達4人が現れた事で更に慌てて何やら叫びながら突進してくる。
少し小突いてやればと思っていたのだが、相手の数の多いこと。ただ闇雲にこちらに攻撃を仕掛けてくる。連携もくそもない為、俺達4人は相手を倒してしまわないようにだけ気をつける。
武蔵は攻撃手段がアレなので、3人で武蔵を囲むような位置取りをする。
囲まれても対応出来るようにだ。おれが武蔵の前に。右後に桜花、左後ろに常清途なった。
単純に得物の長さと取り回しの関係でそうなった。
正面に居る俺は冷静にどんな妖怪が来ているのかを見極めている。
妖怪って良く分からない。が俺の感想。子鬼ってゴブリンみたいだし、豚の化け物はオークだし、犬人は頭で体は人間みたいなのでコボルトだろ?
こいつらって妖怪じゃなくてモンスターなんじゃないかとさえ思えてくる。
正面から来る子鬼の脳天をぶっ叩く。ふぎゃっと声を出して、よろよろしながら倒れる。
やってしまったかと心配するが、フラフラ立ち上がり逃げていってしまった。
桜花は薙ぎ払いを足元に集中させている。相手が犬や犬人が多いのでそうなるんだろうが、キャン、ギャンって言いながら逃げて行っている。
常清は槍を振り回して豚の化け物をぶっ叩いていいる。プギャーやブヒッと言った声があがる。
その時に武蔵が、空包をならすからビックリしないでと言ってから空包を鳴らす。
混乱は最高潮になった妖怪達は訳の分からない叫び声を上げながら三三五五蜘蛛の子を散らす様に逃げていってしまった。
「初めから空包で良かったんじゃ無いか。」
俺がぼやくと常清が
「相手の力量を大体把握して所だったので、いいタイミングだと思いますけど。」
と曰う。桜花は
「ほら、落とし穴を見に行こうよ。」
と、さっさと落とし穴の方に向かう。
3人が作った落とし穴には、ソコソコ妖怪が居て、不安げにこちらを見ている。
「お~い。言葉が分かるぅ~」
と暢気に声をかけている横で、俺は自分の作った落とし穴が綺麗なまま残っていることに、心の中からポキッと言う音を聞いていた。
「話が分かる方は居ますか?」
と、常清
「話出来るものはいるのかな?」
と武蔵
結論。話が出来る妖怪が居ました。というより穴の中に居る妖怪が話が通じているっていう。
なぜ、さっき襲ってきた奴等は言葉を話してなかったのは何故なのか理解が及ばなかった。
穴から出す変わりにこちらに手を出さないと約束をさせてから、太めの紐を使い、1対ずつ引きずりあげる。
どっからそんな紐を出したんだとツッコミを入れたくなったが、それは桜花だからで終わりそうなので静観していた。
全ての妖怪が上がりきった事で話を聞いてみることに。
「なぜ、こんな何にも無い所に集まっていたんだ?それと目的があったのか?」
と聞くと
「べ、別に目的なんかったんだども、おら達が友達を誘っていたら、大所帯になっちまってただけだ。」
なんか凄まじくくだらない理由だった。だが
「100集まれば百鬼夜行になれるかもと思って集めてただよ。」
ん?百鬼夜行だと。それ、洒落にならんぞ
「まった。百鬼夜行は100体じゃなくて100種類の妖怪が集まらないとできないんじゃないか?」
「だども、おら達の間では100集めたら百鬼夜行になるって伝わってるだよ。」
「もし、百鬼夜行になれたら何をするつもりだったんだ?」
「え、そんなこと考えてもなかったずら。」
だんだん頭が痛くなってきたぞ・・・
「じゃあ、百鬼夜行になっても畑を荒らしたり、村を襲ったりしないの。」
桜花が聞くと
「わがんね。だども村に恨みさねぇだで、なにもせんかったと思うだで。」
完全に予想でしか無いな。俺の知っている百鬼夜行なら間違いなくて被害が出る。何人も犠牲になるだろう。それを阻止できたのは良かったと思う。
しかし、逃げていった奴等がまた集まらないとも限らない。これをどうするべきか。
別の所で集まれば最終的に百鬼夜行が完成するって事を意味するのだろうし、俺達が10人で百鬼夜行と対戦するとか無理ゲーも良いところだぞ。
「じゃあさ、ここに集まらないで解散って出来るのかな。」
「わがんね。あんたらが追っ払っちまったで、オラだぢはもうこぬが。」
ここに居るのは精々10体位。逃げていった奴等は20体ばかり。後70体も集まるか分からんが、そういう軽いノリで百鬼夜行は勘弁して欲しい。
「今日は追っ払うだけだったから、誰も倒してないけど、討伐なら君等全部やっちゃってたよ。」
武蔵が圧をかけながら話すと
「やれるもんならやってみろって言いたいが、手加減されて、この有様だと言う通りにしかならんだろうなぁ。」
なんか普通に話してる奴が居るな。
「そうでしょうね。おそらく蹂躙して終わるでしょう。
百鬼夜行になってしまえばその限りでは無いんでしょうが。」
常清は淡々と話している。クールだな。だが、知ってるぞ、お前は武闘派だってな。
「もう、ここには来ない、集まって百鬼夜行を作るなんて考えないなら、解放するがどうする?」
俺が軽い口調で言うと
「仕方ないべさ。もうここには来ないし、集まんねぇべや。」
お、分かってくれたようだ。
「ただなぁ、あいつらは上手いこと百鬼夜行になっただのに、残念だべや。」
ちょ~っと待って貰おうか、今、ポロって零れたその言葉は流して良いもんじゃ無いぞ
「へ?もう違うのが出来ちゃってるの?嘘でしょ?」
桜花がワクワクしながら聞いている。なぜワクワクしているんだ、お前は
「そう聞いただよ。」
「誰によ!」
「大天狗様に聞いただよ。」
「そいつどこに居んのよ!」
「ん、あの山を越えて、その先の山を越えた所にある高い山のてっぺんに居るだよ。人間には入れねぇって話だどもな。」
うん。色々とおかしいからな。簡単にそんな情報を出しちゃダメだろ。ってか、これって集団依頼に繫がっていく奴じゃ無いのか?
「そっかぁ、入れないんじゃ仕方ないね。じゃあさ、人に悪さしないで、ひっそりしててね。」
「わかっただ。こげな恐ろしかっ奴等がおるんに悪さできね。
ただよぉ、少しくらいのイタズラは許してくんろ。」
「う~ん。迷惑の度合いによるけど、人を傷つけない、人の人の食べ物を減らさないなら良いんじゃ無い?
少しくらい脅かすくらいなら良いと思うよ。その代わり怖がらせちゃだめだよ。」
桜花、お前なんつー無茶を
「分かっただ!約束すっから、おめらもオラだちを虐めねぇでけろ。」
「約束だからね!」
って良いのかよ!って、まてまてまて、待ってくれ、そんなんで良いのか?
「玄、お爺ちゃんに大丈夫だよって。たまにイタズラするけど怖くないからねって伝えて終わりだね!」
凄まじく良い笑顔です。俺と常清、武蔵以外が。おそらく常清も武蔵もこれが集団依頼に繫がっていくと予想したんだろうが、予想に反した話の流れに顔が渋くなっている。ここで、大天狗を倒すとか言えないからな。
「まって、あのさ、百鬼夜行になったってのいつぐらいの話なのさ。僕達も百鬼夜行がうろついているようなら討伐しなきゃだし。」
武蔵、グッショブだ!これで討伐依頼に移行できれば言うこと無しだ
「あれって、いつの話だったかや、確か大天狗様が、昔にそういう奴等もいたからって話してただから、そっさなもう100年は前だったかや。」
おぅふ。それ、もう討伐されてるな、きっと。
「あ、ありがとう。じゃ、もう集まっちゃダメだよ。僕達も無駄な殺生はしたくないからね。」
あぁ、血を吐くように武蔵が言ってるが、無駄な殺生はするだろう、っていうか依頼があればするだろ。
「わかっただ!じゃ、おめらもオラだち虐めねぇでくんろ。」
良い笑顔で散っていく妖怪達。
ポツンと残された4人で1人は笑顔、3人は渋柿を食べた後のような顔をしていた。
後日談。
村の長老に今回の事を伝えて依頼を終わらせた後、その村は妖怪がイタズラをする村として有名になり、観光地として栄えたそうな。
ま、俺の領土の村が栄えるのは良いことだが、腑に落ちんな
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作者初めての作品で分からないことが多く、アドバイス等頂けますと大変助かります。




