ゲームには負けないぞ
戦国時代に詳しいわけでも無いですが、転移物以外で何か書きたいと思って書いてますので、それ違うとかあると思いますが暖かく見守って頂ければ幸いです。
国盗り
城下町の建物は全て建て終わって後は城を建てるだけになっているのだが、ここで一つ問題が発生した。
建材不足という問題が発生。そこで俺達は朝から晩まで樵をやるハメになっていた。
城下町で手の空いている町民も総出でやっている。
あちこちで倒れるぞ~っと声がする。で、どっちに倒れるんだとツッコミを入れているのは武蔵だ。
「だいたい何で建材が不足するなんて事が起こるんだよ。これってゲームでしょ。建材なんて気にしないじゃ無いか、普通。」
「武蔵、それは違います。このゲームですよ。むしろ建材が採集出来るだけ有りがたいと思いますよ。
これ、多分次は鉄や硝子、銅に始まり最後は金まで必要になるんじゃないかと私は思っています。」
「そうだった。このゲームは変な方向にリアルを追求してるんだったね。築城って大変だ。」
「オマケに玄の趣味というか意向がアレでね。城が出来上がったら皆ツッコミを入れるんじゃ無いかなって。」
「桜花は図面を見たんですよね。」
「見たっていうより書いたって方が正解かも。」
「桜花ねぇさん。すっごいですね。城の設計図書けちゃうんだ。」
「それは私もビックリですね。桜花はそういった緻密な作業に向いているとはとて」
「ぐふっ」
常清の体がくの字に曲がって痙攣している。プルプル震えている姿は動物の赤ちゃんが立ち上がろうとして、無事立てた直後の様だ。その原因を作った彼女は失礼なと言っている。
で、絶賛樵中な訳だが、こればかりだと気がおかしくなりそうだったので、件の国盗りの依頼をやってみることにした。失敗しても特にペナルティは無いとの事であったから受けてみたのだが、変な事になって。
国盗りを目論んでいる賊っていうのが落ち武者や武士等が寄り集まっていて既に数カ所の村を制圧しているという。
これって国盗りではなく元の国を取り戻すって事なんじゃ無いのか。
と、いうことは賊では無いっていう結論になるわけで、どう進めた物かと思案していたが考えが纏まらない。
桜花と壚は早々に考えることをやめている。常清は思考の海に飲み込まれた。武蔵は村を開放したらどうかという。
武蔵の目の付け所は良かった。制圧された村の様子を見てみれば賊なのか統治をきちんとしているのかが分かると思う。ただ、統治をしっかりしているとい殲滅など出来る相手では無いって事で奉行所に報告する事になるのだろうが、そんなに簡単な話で終わるだろうか。
段々あやしくなってきたと思わなくも無いが先ずは村を見てからだな。
始まりの町で情報収集が出来ないのは最初からだったから、道すがら町やら村を探しては賊に統治された村の事を聞く。
そのうちに村の話を聞くことが出来たが、賊に虐げられているなどの話は聞かないということだった。
いや、むしろ年貢が減ったと喜んでいるまで聞こえてきた。
賊の殲滅はほぼ不可能だろうと4人とも話をする。
壚はまた合戦になるのかと心配していたが、ならん。と一言で安心したようだ。いや、もしかすると合戦に巻き込まれるかもしれないんだがな。
取り急ぎ奉行所へ戻るり報告する。
「依頼の件で中間報告だ。」
「何かありましたでしょうか。」
「賊の殲滅という話しであったが、どうやらその賊とやらは元々その領土の領主の配下だった者が村々を統治して行っているようだぞ。
したがって、そんな所にのこのこ出向いていっても逆に磔にされるだけだぞ。」
「依頼主様からは少数の賊が集まりはじめていて、村々を襲っているという事でしたが。」
「おい、裏取りもしていないのか。それはそれで問題じゃないか。」
「いえ、依頼を受けたときには本当に賊が村を襲っていたのです。」
「誰も依頼を受けなかった間に状況が変わったということか。」
「塩漬けになっている依頼などもありますのでこちらでも把握出来ていない物もありますので何とも言えないところではあります。」
「では、この依頼はどういう扱いになるのだろうか。」
「今から上に報告してきますので少々お待ちください。」
受付嬢はそう言って奥へ入って行った。
ただボケッと待っているのもなんだからと桜花と壚は2人で奉行所から出て行ってしまう。
「あの子達って自由だよなぁ。」
「そうですね。桜花は女性のプレイヤーが入ってくれてうれしいようですね。」
そう桜花はテンションが今まで以上に高い。依頼を受けられない為に壚のレベルが26のままという事を凄く気にしているようで今回の依頼も受けたいと言っていた程だ。
男3人はすることもなく、内設されている蕎麦屋で酒を飲み、蕎麦を食べながら待つことにした。
壚から得た情報と現状の乖離を正しく把握しておく必要があると3人は認識していた。そして、今はプレーヤーの少ない領土に居るが、隣の大友、少弐には少なくないプレーヤーが居るはずで、もう少ししたらプレーヤーとの合戦も視野に入れる必要があるとの認識もしていた。情報が手に入れられないような状態の中で我々がやっている事が広まるのはもう少し遅らせたいとも思っていた。
「だから、城を作ってその後に秋月家と事を構える前に出来るだけ他の豪族を取り込むか潰すかしておかないと僕達の方がすりつぶされちゃうと思うんだよね。そこらへんはどう考えてるの。玄。」
「俺は当座は動くのをやめておこうと思っている。」
「それはなぜですか。時間経過とともに僕達みたいなプレーヤーが出てくると思いますが。」
「いや、運営のやり方がミスリードを誘っているのは明らかで、俺たちの様にしようとするプレーヤーが現れたらイベントを起こしてミスリードを継続するように動くと思うんだ。今回のイベントもPvPの領土戦かと思えば、ただのPvPになってただろ。次当たりで領地の奪い合いになるんじゃないかと思っている。」
「領地の奪い合いが始まればさすがにプレーヤーも気が付くんじゃないでしょうか。」
「壚達の行動をモニターした運営はほぼ確実にPvPでの領地戦をやると思う。」
「その核心はどこからくるんだよ。」
「そうだな、まずおかしいと思ったのは領地を攻めろと言った割には領地が統合されていない事が一点。そして時間経過で領地が回復している事が二点目。最後に落ち武者狩りの依頼があった事。」
「落ち武者狩りイベントは僕達しか受けてなかったみたいだよ。」
「そりゃ自分達が落ち武者状態なのに同大名家か親大名家の落ち武者を狩ろうなんて奴がいたらビックリだ。自分達も狩られる側なのにノコノコ出ていくなんてしないだろ。」
「あ、あれってもしかして戦勝側に用意されていたイベントだったと思われているんですか。」
「正確にはまだ領地を決めていないプレーヤー向けだったんじゃないかと思っている。」
「あ、落ち武者達の里がそのまま領地になるって感じかな。」
「俺はそう思っている。ただ、俺が思っているだけで違う可能性の方が高いかもしれんがんな。」
「運営の思考を読んで行動するのってちょっと違った遊びをしてない玄。」
「大昔のRPG、特に海外の物はクリアできるものならクリアしてみろと言うゲーム会社とプレーヤーとの戦いだったんだ。このゲームもそういった匂いがプンプンとするんだよ。ミスリードを誘い、本来の目的から遠ざけようとしているところなんかもな。」
「純粋に合戦ありきだけじゃ飽きられるかもってRPGパートを強化しているようにも見えますけどね。」
「その考えはなかったな。なるほど、それなら説明もつくか。」
俺の視点とは別視点の考えが入るのは有用だな。俺だけの考えで動くと危険だからな。しかしこの2人も中々にいい所をついているな。
「つまりだ、レベルを上げて傭兵団を結成して集団戦の予行練習が行える。そして合戦をしていく事で盛り上げられるっていう構図になっているのかもしれんな。」
「僕らはかなりフライングしちゃっている状態なわけだね。」
「そう考えると玄が言っていた急がないで時間をかけるのは良いかもしれませんね。」
「城が建ってから何するかって事なんだけど。」
「急がないでやっていっていいだろ。」
男3人の結論はのんびりするであった。
「お待たせしました。上と話をした結果ですが、依頼主へ現状の報告を行い、依頼の続行を行うかの確認をいたしますので、明後日また来ていただいても良いでしょうか。それまでは依頼はいったん休止とさせていただきたいのですがよろしいでしょうか。」
受付嬢が申し訳なさそうに伝えてくる。2つ返事で
「分かった。明後日また来るとする。ではまたな。」
奉行所からでて2人を探し町中をぶらぶら散策していると、他のプレーヤーと話をしている2人を見つける。壚とパーティーを組んでいた者達のようだ。
「話しているところ悪いな。こっちの用事は済んだぞ。」
「あ、玄もう終わったの。」
「まあな。で、そっちの5人は壚の友人でいいのか。」
「あ、はい。僕達壚さんと一緒にイベントに参加して負けちゃった組です。」
すごくいい笑顔で挨拶してくれた。なかなか好感をもてるな
「そうなのか。壚と仲良くしていたんだな。見ていてよくわかるよ。」
「壮絶に打ち取られましたから。」
全員が笑顔でうんうんと言っている。ちょっと顛末を聞いてもいいだろうか。壚には聞けなかったからな。というか壚自身があまり気にしていないようで負けたぁとしか聞けなかったのだ。
「イベントお疲れさん。俺たちは地域が違ったせいでイベントを経験していないから興味があってね。ほら、このゲームって情報が全くと言っていいほど出回らないじゃない。僕達も後学のために聞いておきたいなって思うんだけど教えてくれたりするかな。」
聞こうと思った矢先に既に聞いているあたりは武蔵らしい。
「あ、僕は佐々木武蔵っていうんだ。よろしくね。」
「私は一条常清と申します。」
「一応当主の相田 玄だ。」
5人の反応が変になった。
「あの、当主って傭兵団の首領ではないんですか。」
あ、やらかしたか、俺
「そうだよ、傭兵団の頭領じゃないんだ、あ、わたし桜花ね。名乗ってなかったね。」
桜花よ、ごまかそうとしたのにごまかせないじゃないか。
「うんうん。あたしも玄の家臣になったんだよ。」
壚、おまえもか。男3人あちゃ~である。
「家臣、え、なにそれ。傭兵団じゃなくて新しいシステムかなんかなの。」
5人は興味津々である。これは観念するしかないか。この5人から情報が出回るリスクしかないが嘘を教えるわけにもいかないしな。
「場所を変えるぞ。ついてこい。」
移動屋から城下町に移動しようとすると、武蔵と常清が待ったをかける
「玄、いいの。これって多分だけどかなりリスキーだと思うんだけど。」
「玄、それはやめた方が良いと思うのですが。」
「仕方ないだろ、いつまでも秘匿できるわけでもないしな。」
その会話を聞いた桜花と壚は頭にはてなマークが飛んでいるような怪訝な顔をしている。
「「それはそうですけど」だけど」
「すまないな、では場所を変えるからついてきてくれ。」
5人を引き連れて移動屋に入る。
「らしゃい。どちらまで。」
威勢のいい掛け声で移動屋の男が挨拶してくる。その様子に5人はびっくりした様子で
「ここって無人のハズ・・・」
「ほら、籠に乗ってくれ。ん、10人も乗れるのか。」
「問題ありやせん。乗ってくんな。」
籠に10人乗り込み、次の瞬間に
「着きやしたぜ。まいど。」
籠から降り、移動屋をでて屋敷へ向かう。その間5人は狐につままれたような顔をし、目を白黒させていた。
「ちょ、ちょっとなんですかこれ。あの、城下町に移動できるって知らなかったんですけど。え、あれ、無人で、えええええええええ」
5人がシンクロしてびっくりしている。
ま、そうなるだろうな。俺たちは全く別のゲームをしているようなものだったからな。将来的に徐々に明かされていくハズの物が目の前にあるのだから。
「気持ちは分かるが、これだけではない。ほら行くぞ。」
先を促し屋敷に入る。
「あの、狐に化かされているんじゃないですよね。実は妖怪討伐クエストが自動スタートしているとか。」
お、そう考えるのか。毒されているな。運営の立山さんがみたらガッツポーズしてるだろうな。
実際別の場所でガッツポーズをしている立山をスタッフが怪訝な顔で見ていたのあった。
いいですね、いいですね。これです。秘密が明かされるこの瞬間。録画して唐沢さんにもお見せしないと。私たちのひそかな楽しみが。と言っているのをスタッフが引き気味に聞いていた。
5人への説明をなぜかアカネさんがしてくれた。俺が説明すると変な誤解が生じる可能性があると言う理由だったが、これ絶対に運営の仕込みだろと思っている。
説明を聞き終わった5人の顔は、ハトが豆鉄砲をくらったようになって固まってしまっている。再起動するまで待って居よう。うん、今話しかけても何も頭には入らないだろうしな。情報過多でショートでもしかねんからな。
待つこと数十分。やっと一人が再起動して一言
「まるで別ゲーじゃないか。今まで僕らがやってきた事って何なんだよ・・・」
気持ちは分からなくないな。桜花のやらかしでこうなっているのだからな
「あの、失礼を承知で伺いますが、この情報って本当なんでしょうか。」
「君らが見た俺の領地が答えだと思うのだが。」
「あの、まだ理解が追い付かないんですが、僕が4人を配下にして同じような事が出来るでしょうか。」
うん、多分できなくはないが領地が一度更地状態にされている事を考えるとかなり無理があると言わざるを得ないな。どう伝えるか・・・
「おそらくご主人様の領地の様に発展させることは難しいと思います。イレギュラーにイレギュラーを重ねてこのようになっていますので。」
アカネさんイレギュラーって
「でも、頑張れば僕たちだって・・・」
「無理です。素地が無いのです。領地の近くの豪族はどうなっていますでしょうか。豪族との友好度や武力が無ければ直ぐに攻められて終わってしまうと考察します。」
田原氏も初めは友好的ではなかったな、そういえば。
「何度も申し上げますがイレギュラーが重なった結果です。幸運に恵まれたからこそ今のご主人様があります。」
とどめでも刺されたかのように質問をしてきた子が項垂れる。
「無理ゲーなんですね。」
「いえ、ご主人様の様に依頼を受け、考え、配下となる者を集めて領地を強くして行けば大丈夫ですよ。」
あ、行けるんだ。時間をかけてやれば良いと言っているんだな。
「あの、僕たちが相田さんの様になれる可能性ってどのくらいあるんでしょうか。」
「それは君たち次第じゃないか。俺はアカネさんが言うように偶々幸運が重なってこんな事になっているだけだからな。そもそもの話運営のミスリードにも理由があると考えている。
まずレベルを上げていき、傭兵団で集団戦を学び独立君主になるか、どこかの大名家で立身出世をしていくもよし、自由なんだよ、この世界は。下剋上だって狙えるだろう。要は君らのやる気と情熱をどこまでこのゲームに入れられるかじゃないかな。」
沈黙が訪れる。シーン、シーーン、シーーーン。
「あの、なんでこんなとんでもない事を教えてくれたんですか。」
まあ、そうなるわな
「桜花と壚が口を滑らして俺の家臣になったと言ったろ。あれでごまかすことは出来ないと思ったんだよ。君らは俺たちの秘密を聞きたくて始まりの町で張り込みでもするんじゃないかと思ってな。」
「そうですね、多分そうしていたと思います。まさかこんな情報だとは思いもしませんでした。それだけですか。」
何か答えを求めているんだろうな、納得のできる答えを。
「本当はまだこの情報を他のプレーヤーには知られたくはなかった。常清、武蔵も止めてただろ。この情報はある意味で禁忌に触れるような物だからな。」
「じゃあ、なんでですか。家臣になったのだってごまかそうと思えばいくらでもごまかせたはずです。僕なら精神的にとか、そういうロールだって言うと思います。情報は秘匿して自強をしていくもんじゃないですか。特にMMORPGなら尚の事です。」
凄く興奮した様子で聞いてくる。
「そうだな。そうやって情報を秘匿するのも有りだとは思うが、君らは困っている壚に声をかけて一緒に何とかしようとした。そういう奴等は嫌いじゃないんだよ。好感を持てる相手に誤魔化すなんてことしたら、自分が許せそうにないからな。
この情報を知って君たちがどういった答えを出すのかは君らの自由だ。俺から言える事はこれだけだ。」
5人が下を向き思考の海に潜ろうとしていた時に壚が
「玄、ごめんなさい。あたし何も考えないで答えちゃった、どうしたらいい、どうしたらいい。ねえ、どうしたらいいの、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」
泣き出しちゃいました。桜花は青い顔を通りこして土色の顔になり、手で口を覆って、ガタガタと震えている。
「桜花、壚、あなたたちのやらかしは今に始まった事じゃないでしょ。玄もそんなことで二人を責めたり、けなしたりはしませんよ。私達は仲間なんです。今の状況が玄の答えですよ。」
常清が優しく2人に話しかける
「そうだよ。玄はそんなことじゃ怒らないよ。僕達運命共同体なんだからさ。」
武蔵もことさら明るく言う。
「く、玄、わたし、あの、全然何も考えないで・・・」
「桜花、お前は従動物連れて行ったりしたからこんな日が直ぐに来るって思っていたぞ。」
「玄、それはフォローになってないと思うのですが・・・」
あきれたように常清が冷たい目を向ける
「本当にこういう時に空気読めないよね。ほら、桜花が固まっちゃたじゃない。」
む、なぜ俺が責められているんだ
「いや、そんなつもりはなかったんだが・・・」
「おう、ちょっといいかい。なんだ、なんだ葬式みたいな空気になってんじゃねーか。なんだ客人か。んー、だが報告しとかないとあれだしな。」
徳さん登場ってこのタイミングは・・・
「鹿毛領周辺が怪しくなて来てるんだ。忍びを使って情報を収集しているんだけどよ、どうも秋月家とはつながりのない豪族がちょっかいをかけてくるんじゃないかと睨んでるんだ。
宗の旦那には注意を怠らに様にとは伝えてあるが、事が起こった時に徳丸じゃしのぎ切れるかどうか。」
爆弾やん。どうするって聞かれても・・・
「悪いな、ちょっかいをかけられているようなんで、君らを始まりの町まで送っていく。」
5人のうち1人が
「あの、僕はどうなるのかみていたいのですが駄目ですか。」
ん、どうゆう事だ
「さっき説明されて、相田さんの言葉が僕の中で大きくなってて・・・」
うまく言えないようなもどかしさを感じるな。
「いま、君はちゃんと考える事が出来ないように感じるな。少し頭を冷やした方が良いんじゃないかと思うぞ。」
そう、その場の空気や勢いで行動するのはあまりお勧めできないからな。そう思っているところに
「ねえ、みんなどうかな、あたしは玄の家臣になっちゃったって言っちゃってこんな事になってしまって、あたしが言うのは違うと思うんだけど、家臣になっちゃわない。玄の。」
は、何言い出してんのこの子は。
「壚、まて、何言ってるんだ。この子らは自分達でってさっきも言っていただろ。」
「でも、あたし、あたし、この人達と一緒に笑ってたい。本当に困っているときに、誰も手を差し伸べてくれない時に、この人達は笑顔であたしに言ってくれたんだよ。一緒に笑っていこうよ。って。だから、だからダメかな。あたしの我儘だけど駄目かな。」
そんな目で見るんじゃない。反則だろ、それは。
「はぁ、壚、決めるのはこの5人だ。」
壚に優しく言って、彼等の方を見る。
「壚は君等と笑ってゲームをしたいと言っている。君等はどうしたい。自分達で国を立ち上げる事も出来る。自由を謳歌することも出来る。だが、あえて言おう。
俺の国盗りを俺の横で、俺達と一緒にやってみないか。
こんな事になるとは思わなかったが、もう一度言う。君等を欲している奴がいる。壚が君等と一緒に居たいと言う。それに応えないわけにはいかない。どうだろう、俺の家臣にならにか。」
5人はまた固まる。壚が5人に近づいて一人ひとりに声をかけていく。
「僕はそれでお願いします。先がどうなるか見たいと言ったし。」
ま、この子はそうだと思ったよ。残りの子たちも頷いたりしている。
「それはいいけど、試練の話しとかなくてもいいの。壚は紐なしバンジーだったんでしょ。きっと同じの来るよね。」
あ、それがあったか。試練の説明をすると5人の顔が青くなるが、決意したように手で四角を作る。え、今やるのか、まてって、事の顛末を見てからでも遅くないだろ。そう言おうとしたが間に合いませんでした。5人が目の前からフッと消えてしまいましたよ。きっと今成層圏に紐なし状態になって落下中なんだろうな。
「で、徳さん敵は攻めてきそうなんですか。」
「おう、なかなかの説法だったじゃねーか。あれで家臣にならねーなら見込みねーと思ってみてたわ。でだ、間違いなく攻めてくる。忍びは斥候を兼ねているとみた。この数週間後には軍勢が現れる。」
「では徳さんに依頼だ。敵の総大将の名前と敵兵力を調べてくれ。あ、あと進軍路も併せて探ってくれ」
「任された。」
徳さんに褒められたみたいだな、いい笑顔で消えて行ったよ。
さて、国盗りの依頼とは別にイベント発生とは忙しくなりそうだ。
なんだかいつもゆっくりすると決めた後に忙しくなるような気がする。これがフラグってやつなのか。
あと、桜花と壚はアカネさんにお説教を食らって魂が抜けかけていたのを温かい目で見ていました。
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