初心者向け案内
戦国時代に詳しいわけでも無いですが、転移物以外で何か書きたいと思って書いてますので、それ違うとかあると思いますが暖かく見守って頂ければ幸いです。
チュートリアル(武士、剣豪、商人、農民、遊び人)
で、この状況の説明を誰かしてくれるのだろうか。目の前に置かれた刀、算盤、本、鎌、けん玉。つまりは、武士、商人、農民、遊び人って事にしかならんと思うのだが
「相田 玄様、刀、算盤、本、鎌、けん玉を使ってやっていただきたいことがございます。
先ず刀で俵切りをして頂きます、その後算盤での計算、本を読んで感想文の作成、鎌を使って草刈り、けん玉で遊んで頂きます。」
「色々とツッコミ所満載なんだが、何故そんな面倒なことをするのだ?
能力値なぞランダムで決めれば良いと思うのだが。と言うよりも普通は基本数値に自分で自由に振れるポイントって感じじゃないのか。
これだとプレーヤースキルのない者は不利にしかならんぞ。」
「仰られる意味が分かりません。皆様にしていただいていることですので。
聞くところによると好評と聞き及んでおります。 」
本当か疑わしいがそういう物なのだろうと無理やり納得し始めることにする。
刀を使った俵切りか。俵切りって試し切りではしないよな。丸太切りは流石に無いとは思うが。ここで言う丸太は人体な。
さて、刀を上段では無く八相に構えて、猿声を発して振り下ろす。俵は見事に両断された。大河ドラマの真似でいけるもんだな。
次は算盤か
「お見事でございます。これを両断とは初めて見ました。
次は算盤でございます。こちらの計算をしていただきます。」
おい、これをするのか。20段の足し算、引き算って算盤使わなくてもできるやつは存在すると思うが。
粛々と足し算と引き算をしていく。パチンパチンと乾いた音だけがむなしく響く。
これは計算よりも音の虚しさに心がけ削られるな。100段とかだったら苦行だったな。
「終わったぞ。これ、算盤初心者だとかなり辛いだろ。公平ではないと思うのだが」
「お疲れ様でした。それではこの本を読んで感想文をお願いします。」
綺麗なお姉さんに無視されると泣きそうになるな。さっきから精神をゴリゴリ削られていくな。
で、本ってこれか。安寿と厨子王
いや、いいんだけど、昔読んだよ。うん。心が落ちるぞ、これ。
感想文を書き上げ提出。学生かよ
「では次は草刈りとなります。場所を移動します。」
こちらに一切の気遣いが無くなってきたな。
目の前が暗転し、次の瞬間目の前にはだだっ広い草原が広がっている。
え?これ全部草刈りするのか。いや、本当に頭おかしいのか運営。段々と腹が立ってきたぞ。止められるまで刈りつづけてやるよ。やってやんよ。
「こちらの鎌をお使い下さい。ではよろしくお願いします。」
うぉぉぉぉぉぉ刈って刈って刈って刈って刈って刈って刈って刈って刈って・・・刈って
「様、だ様、いだ様、相田様、相田様」
ん?何か呼ばれた気がするが気のせいだろう。刈り尽くしてくれるわ。うぉぉぉぉぉぉぉ
「相田様それ以上進みますと領域を超えてしまいます、お願いですからおやめくだい。」
何か聞こえるが気のせいだ。うぉぉぉぉぉぉ刈り尽くすのだ
ドゴーンという凄まじい音がしたと思ったら体が吹っ飛ばされていた。
いてててて、起き上がると目の前は真っ暗やみ。草原は何処に消えたのか。かなりの土地を刈ったと思うが
「おめぇさん、何処から来なすった。ここはあんたがたプレーヤーが来ちゃいけねぇ場所なんだが。」
目の前には遠山金四郎さんが居た。テレビで見てた金さんが居るよ。
「・・・」
何て答えれば正解なんだ
「あれか、不正パッチでも使って初期能力値爆上げ目的か」
何を言ってるんだ。不正パッチ。初期能力値爆上げとは・・・あ、何か察した
「チュートリアルで草刈りしていたら凄まじい音とともに体が吹っ飛ばされて、ここに居るわけだけども何か分かるか」
段々とイラついてきたぞ。不正パッチ野郎と間違われたこともそうだが、こんなチュートリアルをさせておいて言うに事欠いて・・・
「なんだと、草刈りのチュートリアルだと。普通は三分の一もやれば止められるんだよ。止められなかったか」
そう言えば何か呼ばれた気もするが
「何か呼ばれた気はするが物理的に止めないと止まらないぞ、と言うか辞めるつもりもなかったが。」
「これは、こちらの落ち度か。普通は境界まで草刈りを続ける奴なんていないもんなんだが。
すまんがちょっと待っていてくれるか」
そう言うと金さんは目の前から消えてしまった。 え、一人でこんな所に放置していいのか。
と、思ったら直ぐに美人AIさんと金さんが現れて、何故か二人で土下座。
なにこれ?俺にどうしろって言うんだ。
「真に申し訳ない。こちらの手落ちなのにパッチ野郎などと暴言を吐いた挙げ句、その方の言ったことを普通は辞めるもんだなどと言ってしまい。」
俺もやらかしてるようなので居心地悪いな
「何故こうなってしまったか分からないから、いきなり謝罪されてもどうすればいいんだ。
先ずは説明をお願いしたいのだが。」
説明を聞くと、俺も悪かったが、完全に運営の読みの甘さと何故管理サーバーと隣接させたかって事。
チュートリアル領域だからってのが1番大きいようだが、リスクマネジメントも出来んのかと言いたい。
「おこるべくして起こった事って言うのは理解できました。
で、この先どうするんですか?
まさか管理サーバーをチュートリアル領域に置いておくなんて普通はしないと思うんですけど」
「言い訳をするわけでは無いのだが、草刈りは最大まで行けばお付きのAIが止めるようになっておるのだが、お付きAIがお主の鬼気迫る草刈りの様を見てドン引きしてしまって止められなかったと。境界では流石に引き留めようとしたが間に合わず境界を越えてしまったと。
まさかその様なプレーヤーがチュートリアル時に居るとは想定の埒外であったのだ。」
「能力値決めの時だから無茶な事をしても到達できないと踏んでいたと。
俺が意地になってなった結果こうなったと。
まだ最後のけん玉遊びが残っているのだが、注意することかんかがあるのか。
それだけ教えてくれると助かる。やらかす前に辞めるようにするから。」
投げやり気味に聞いてみる。
「本当に耳の痛い事だが想定が甘かったことは認めるしかない。幸い境界の越境だけでさしたる問題が起こったわけではないので、こちらとしても今回の事は私がその方に失礼なことを言ったことが最大の問題という事なのだが。」
「ああ、そういうのはいいから。誰にでも間違いはあるし、想定の埒外での出来事だから事故でいいんじゃないか。
俺も説明を受ければ仕方ないと思ったし。
今後管理サーバーを独立した領域に移動させて同様な事が起こらないようにして貰えばいいぞ。」
本当に杜撰な管理をしてたんだな。本気で続けるか悩むレベルだぞ。
「能力値をプレーヤースキルを元にして算出するってのは面白いとは思うが、長い、ひたすら長い。何とかならんのか」
「チュートリアルを飛ばせば能力値はランダムで決定されるのだが、チュートリアルをやった方が総合的な能力値は高くなるようにしているのだ。」
「あぁ、チュートリアルと面倒くさい能力値決定をやってくれたご褒美的なね。
2陣が参加するときにこの情報が出回ってれば皆チュートリアルを受けるようになるだろうな。1陣の人の権利くらいにした方が良いだろうな。」
「ご意見参考にさせてもらうよ。そして、1つ問題が有るのだが聞いてもらえるかな。」
ん、問題。なんだ、それは。続けろと顎をしゃくって促す
「越境をした影響でその方が居たインスタントサーバーが大変なことになっていてな。
草刈りし過ぎたことも相まって抱懐寸前なのだよ。」
もしかして・・・やり直しとか言わないよな
「チュートリアルを最後まで行うことが不可能となった。
本来ならランダムで決まる能力値なのだが、けん玉遊びのみと言うことでここでやっていって貰っても良いだろうか。」
管理サーバーで能力値決定って良いのだろうか。
「質問がある。チュートリアルは無しになるって事で最後まで職業を経験できなくなったが、特に問題ないのか」
「厳密に言えばチュートリアルを終わらせようが終わらせまいが問題はない。
有るとすれば能力値の底上げが有るか無いか。それと一度経験する事としないことの差をどう考えるかって事となるが、その方は武士で良いからチュートリアルを中止してくれと言ったとも聞いておるので問題なかろう」
おっと、ここで自分が言ったことを持ち出されてしまうとは。
「それはそれ、これはこれだと思うのは俺だけか。何普通はお詫びの気持ちって物を提示するものだと思うが。大人なら尚更な」
何かしら貰えれば儲けものって事で言ってみると
「その方、草刈りを限界以上にやったであろう。あれはな、家屋敷が最終的に何処まで広げられるかって物であったのだ。
基準値に戻すという事も出ていたが、そのままの広さを維持させることで詫びとしたい。」
「いや、それは管理サーバー直前までやって止まってれば当たり前にその広さとなったわけだから基準値にするという方が乱暴だろ。最終的に検証好きな奴等が突き止めた時に基準値にしてれば俺はキレるぞ。それは盛大に。」
何か俺がやり過ぎたのが悪いと言われてるようで気分が悪い。イライラしてきたぞ。俺は何も悪くないのに
「相田様、わたくしが言うのも憚られますが、何の落ち度も無いのでここはプレーヤーハウスか配下NPCを2人程つけて貰うというのはどうでしょうか。」
ん、今美人AIさんが凄いこと言ったな。配下NPCって何ぞ、それ何ぞ
「配下NPCはまだ実装予定ではないぞ。そもそもまだ実装するかも決まっておらぬ。
プレーヤーハウスは即実装可能だが、配下NPCを補償で出してしまうと実装決定となってしまうではないか」
あ、これ良いこと聞いた。配下NPCで手を打とう
「配下NPC2人くれ。ビタイチまからないからな。」
「相田様、今のはわたくしの過ちの分でございます。管理サーバーに接続してしまい相田様のチュートリアル中止についての補償は別でございます」
わぉ。美人AIさんグイグイいくな。あ、言うのも憚られますがって自分がやらかした事への補償はって意味か。
目を白黒させてる金さんは見てると面白いな。突然肩の桜吹雪見せて力業で解決出来ないから仕方ないんだろうが。いや、桜吹雪があるかは知らんが
「配下NPCの件は上との相談とさせてくれ。無理だったときはプレーヤーハウスで、手を打ってくれると助かる。
で、ここからはチュートリアル中止の補償だが、初期装備の中には無く、手に入れるのが大変な火縄銃でどうであろうか。」
「却下。実装されている武器を貰ったところで旨みは無い。いずれ手に入るだろうし、そんな物貰ったところで使うかも分からんしな。」
「相田様は刀で俵を両断するほどの腕前でございますからね。火縄銃を使うよりも刀を使った方がよろしいかと愚考いたします。
なので、わたくしが補償としてお勧めするのは配下NPCの増員でございます。
わたくしの補償として2人、チュートリアル中止の補償として追加で2人が良いかと。
配下NPCが駄目なときはプレーヤーハウスを城にしていただけば良いかと。」
「チュートリアルAI、何を勝手に。その様な権限はお主には無いであろうに」
「相田様、配下NPCの1人はわたくしにしていただきたいのでございますが。よろしゅうございますでしょうか」
「お前は勝手に何を言っておるのだ。」
金さんが怒ってる。凄い剣幕で美人AIさんに詰め寄ってる。あ、チュートリアルAIなんだ、正式名称。
と、言うか俺は何を見せられてるんだ、これ。
何か言い合いを初めて俺は放置されてる訳なんだが、いつゲーム再開出来るのだろうか。
「あの、そろそろゲームに戻りたい。結論はどうでもいいから。
俺の条件は配下NPC4人でそのうち1人は美人AIさん。残りは遊び人の金さんと手先の器用な職人、竹中半兵衛みたいな軍師を希望。
俺のチュートリアルサーバーが抱懐する時に美人AIさんはお役御免となって消えてしまうような事があるなら、配下NPCは絶対条件に格上げって事でよろしく。
もうどうでも良いからゲームやらせて下さい。お願いします。ワクワクドキドキを返してくれ。」
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