ゲームを楽しもう
戦国時代に詳しいわけでも無いですが、転移物以外で何か書きたいと思って書いてますので、それ違うとかあると思いますが暖かく見守って頂ければ幸いです。
合戦の先にあるもの
旧国見領で一夜を明かして鹿毛領への侵攻を開始する。
前回の合戦では出番が無かったプレーヤー4人は闘志を漲らせて・・・はいなかった。
「ちょっと予想していた合戦と違う気がする。」
俺が呟くと
「玄のやらかしがここでも響いてるね。ぼくたちお飾り状態だもの。軍師の黒田が優秀って事なんだろうけど、血沸き肉躍るて感じじゃなかったのは確かだし。」
「私の槍捌きを披露したかったですが、あの場所からじゃ無理でしたね。」
「わたしは前に出るのはやめてくださいって黒田君に言われたんだよ。」
みんなやはり不満があったようだ。チュートリアルでの大名プレイを彷彿とさせる物があったしな。
そこで俺たちは鹿毛領での合戦では前に出て戦う事を決める。宗何某に先鋒となって突っ込めとは言ったものの、やはり前線で戦ってこそ面白いんじゃないかと思う。
軍は総勢で約120人となる。少ない様に感じるが、1000人も兵士を連れて行けるのは本当に底力のある領主だけだ。120人出せるだけでも良い方だと思う。考えてもみろ、領民が300人ほど居ても連れていける兵士はそんなに多くは無い。戦に連れていける人数って50人くらいがいいところだろう。どういう計算かと言えば単純に半数が男性だとして150人ここから老人、子供、長男を除いていくと、だいたい50人ってなる。
なので、今回の合戦って実は村対村の戦いで統合しても大きな村になったっていう程度の話な訳で、優秀な配下NPCが塩漬けになっている状態なんだと察してしまったのも収穫と言えば収穫かな。
3人と話をしながら進んでいくと、高台に陣を張って待ち受ける敵方の軍勢が見えてきた。高台を取られているし、あちらの方が兵も多い。黒田君が言うように野戦は簡単に勝てるとは思えないんだが。
こちらも陣を張り、お互いに戦の口上を述べる。なんてことは無い。陣を張り終わったら軍議。
ここでは誰がどの方面を担当するかと事前にあった作戦の概要の確認が行われただけだ。
「では皆さん我の策通りにお願いします。こんなつまらない合戦は早々に終わらせましょう。」
と黒田君が言う。そこは俺の仕事じゃないかな。とは思わなくはなかったが口は挟まなかった。本当に配下NPCのAIって凄いわ。
各自が散っていき、黒田君の合図で旧国見領の兵士たちが正面から高台を目指して進んでいく。その数約70。高台のふもとまで行くと行軍を一旦やめて一息入れてから大声を出しながら高台の坂を駆けあがていく。すると、敵陣から一群が宗の軍に向かって駆け下りてくる。
衝突した先からこちらの軍がどんどん飲み込まれていくのが見てわかる。宗の軍はそのまま壊走に移る。え、こんな簡単にやられるかよ。やはり高台を取られているのは痛いな。
宗の軍が陣に帰って来た時に、おやっと思った。思った以上に脱落者が居ない。ほぼ無傷で帰ってきているのだ。
次はと配下NPCの前田 利成率いる30名が同じように突撃していく。そして宗の軍と同じような結果になる。脱落者はまた殆どいない。
入れ替わるように宗の軍が突入していく。また飲み込まれたように見えて殆ど被害なく戻ってくる。何度も同じような戦闘を繰り返していく。相手もその都度陣から出ては応戦しているが、徐々にだが相手の反応が鈍くなっていた。
「総掛りで行きますが、まずは宗殿の隊が突出し、その後を殿が率いる隊で追走。宗殿の隊はいったん引く気配を見せて、殿が追い付いてきたらそのまま押し込んでください。」
今回は出番があったようだ。3人を見るとうんうんとうなずいている。
「これより鹿毛の軍を食い破る。皆の奮戦に期待する。」
「僕達も前に出るから、巻き込まれない様にして。」
「私の前に立たない様にしてください。槍で突かない自信がありません。」
「わたしは自由に動くからついてこなくてもいいからね。」
台無しである。
気を取り直して行軍開始。宗隊が突っ込んでいく。宗隊が鹿毛の陣との中間地点になったところで黒田君が行軍の指示を出す。俺達も続けて突っ込んでいく。宗隊よりも行軍速度が速いのは俺達が気合を入れすぎているせいだと思うが気にせずに突き進む。
宗隊が衝突し、依然と同様に飲み込まれて直ぐに退却を始める。鹿毛軍は後を追う事もせず陣の方に戻ろうと反転し始める。ちょうどそのころ合いに俺たちが宗隊と合流し、全軍で鹿毛軍本陣を目指して突撃を始める。
相手は背を向けていたため何がおこったか分からないまま背後から襲われる形となった。
相手の兵に混ざるように鹿毛本陣へたどり着いて俺たちは敵を切り伏せて行き、敵将まであと少しのところまで来ていたが、相手の反撃も増してきて泥沼の様相を呈し始める。
パーンという音が響き、敵将の1人が倒れる。それを合図にしたように、桜花が右翼に突っ込み攪乱、常清が槍を振るい左翼の敵を押しとどめる。桜花は切り捨て、突き崩して正に修羅のごとく。
常清は突いて引き、突いては引きを繰り返して仁王の様に相手に対して立ちふさがる。その間隙をついて武蔵の種子島が火を噴いて2人の援護をしている。
目の前にいる敵将の隊に向かい俺は一歩一歩近づき、寄るものあらば切り伏せ、近づいては突きさし鬼の形相でまた、笑いながら敵将にむかっていく。
敵将は恐れをなしたのか全員退却と叫ぶが早いか反転して逃げ出してしまった。俺たちはあまりの逃げっぷりに一瞬動きが止まってしまったほどだ。
「勝鬨をあげろ。エイエイオー。」
誰かが叫び、エイエイオーの大合唱。震えが来るほどの何かに襲われていた。
「殿、このまま鹿毛領の城を落とします。少しの休息の後で全軍で行軍開始いたします。」
合戦に加われなくて文句を言ったのはどこのどいつだったか。正直こんなに疲れるとは思っていなかった。これを何度もやっていた宗や前田は凄い事をやっていたんだなと実感させられたぞ。
「玄、この後にまだ攻城戦をやるって軍師鬼だよね。僕攻城戦で出番あるの。」
「そりゃ種子島撃って援護があると無じゃ全然違うだろ。」
にこっと武蔵が笑みをこぼす
「玄、わたしは自由に動いてもいいんだよね。黒田君が自由にしていいって。」
「黒田君が言うならいいんじゃないいか。」
よし、あとひと踏ん張りと気合を入れる桜花。
「私はもう腕が上がらないんじゃないかってくらいには疲れているんですが、攻城戦体力が持つか不安です。」
「あともう少しだ。頑張ろう。」
そうですね。と常清も槍を杖代わりにして歩いていく
合戦に使う体力と気力はなかなかのものだな。ステータスは変化しているのか気になりステータスを確認すると、体力と精神力のバーが減少していた。体力ってHPとは違う事が判明。精神力も術を使うとかの可能性が無くなった事が判明。もしかしたら妖怪編をやるときには術なんかが使えるのかもしれんが、合戦では使えないという事は確定だな。
「おい、お前等もステータス確認しといた方が良いぞ。」
一声かけてから黒田君と話を始める。攻城戦の事でだ。結論として話にはならなかった。突撃のみです。策は有りませんって返答だった。ただ、そこまで厳しい状況にはならないだろうと言っていた。
行軍を再開し鹿毛領へ侵入。のどかな田舎道に点在する家屋が見える。おそらくだがここの住人も合戦に参加しているんだろう等考えながら城に向かう。
城下町は蜂の巣をつついた様な状態で俺たちの姿を確認すると多くの人が逃げまどっていた。
「鹿毛領の領民に攻撃することは禁止する。向こうが攻撃してきたときだけ反撃を許可する。そのほかは一切の狼藉を禁止する。」
大声で言うと、聞こえていたであろう城下町の住人はいそいそと家屋の中に引っ込んでいってしまった。
城下町を整然と行軍する俺たちの軍。城の門のところには兵士が待ち構えている。矢が届く距離になると、矢が飛んでくる。それを払い、撃ち落とししてどんどん近づく。門の付近で戦闘が始まる。
先頭に立ち切って捨て、突いて捨て、城内へと突入していく。
桜花は好きにしていいと言われたからか右へ左へ動き回っている。体力あるな、あいつ。常清は殆ど雨敵を相手にしていない。あいつ体力無いな。武蔵は種子島で敵兵の腕や足を打ち抜いていく。黒田君に何か言われたのか。
俺は既に10人は切り捨てている。城内に入り敵の大将を探して進む。ここまでくると勝負はもうついているようなものだが、敵から降伏は言ってこない。城内と言っても俺の武家屋敷より少し広いくらいなので制圧は直ぐにすんだ。
城内の広間に俺と3人、黒田君に前田君が上座に座り捕らえた敵将が下座に4人すわている。皆血で汚れているが怪我はそこまでひどくはないようだ。
「鹿毛の一門の姿が見えないがどうした。」
返事が無い。
「もう一度聞く。鹿毛の一門はどうした。」
返事が無い。
「まさかお主等を捨て逃げたか。」
宗が広間に入ってきて寂しそうな顔で聞く
「おぬし、なぜそちらにおる。国見の領でうちはてたのではなかったのか。逃げてきた兵らが言っておったぞ。」
一番年配の敵将が答える。
「で、最後にもう一度聞くぞ。鹿毛一門はどこに行った。」
宗が居たことで話をする気になったのか、老将はぽつりぽつり話始めた。
「御屋形様が討たれ秋月家より絶縁状が届き、若は申し開きを行うと秋月家へ行かれたのじゃ。ご母堂、弟君を人質として秋月家に預けると連れて行かれたのじゃ。
秋月家からの絶縁状を見た若は何が何だか分からぬと申しての、今回の事は鹿毛は被害者じゃと申し出ると申しておった。」
「御屋形様はお主もようわかっているとは思うのじゃが思慮に欠けるところがおありじゃった。田原と国見が結んで鹿毛を襲うと誰からか吹き込まれたんじゃろう。証拠の書状もあると言われておいでじゃった。
我らもそこまで言われるのであれば本当だと思い、国見領を急襲したのじゃが、秋月家から国見領の事について厳しく問い詰められての。そんなおり国見の当主が匿われている事をまた誰かに吹き込まれ、されには相田領も関わっていると吹き込まれ、我らが止めるのも聞かずに相田領へ行ってしまわれた。」
「留守を守る我らの力不足でこうなってしまたがの。」
サイドストーリー長いよ。そういう事になっているのか。これ大友か少弐の仕業って落ちだったりするか。
「国見の当主は身に覚えのない事と言っているぞ。鹿毛の若と国見の姫の婚儀も決まっていたと言うじゃないか。それなのにいきなり攻め滅ぼされた挙句、うちにまできて身柄を差し出せとはどういう了見だとなり討ち果たした。話がまともに出来る状態じゃなかった事は理解できたが、そもそも御大将が乗り込んでくるか、普通。思慮が足りないどころじゃないぞ。まったく・・・巻き込まれたこっちは本当に迷惑な話だ。」
「返す言葉もございません。」
老人のシュンってなってるの誰得だよ。いかんまたイライラし始めた。桜花頼む。桜花に目で合図を送る。
「過ぎたことはしょうがないよ。覆水盆に返らずだよ。国見君今の話を聞いたって両親を奪われたことには変わりないし、鹿毛さんのお父さんもこっちが奪っちゃったことにも変わりないし。
どこかで折り合いをつけないとどっちかが全滅すまで戦いますかってなっちゃうよ。国見君は相田 玄の配下になったから鹿毛も相田 玄の配下になって轡を並べるのもありなんじゃない。遺恨は水には流せないだろうけど、お互い飲み込まないと前には進まないよ。
早く、鹿毛の若様を捕まえて連れも出さないと、お母さんに弟君あわせて首だけになってかえってきちゃうんじゃない。」
「わしは生い先も短いでの、わしの首で終わるのならこの首好きなようにしてくれても構わんのじゃ。」
「そういう話じゃないの。しわくちゃな首をもらて誰が喜ぶのよ。」
桜花劇場はいつ見ても感心させられるな。なぜ頭使いたくないとか言うやつが一番まともな事を言っているんだか不思議でならないわ。俺の怒りの動線の短さが際立つことよ
「いつ頃若様ってのは出立したんだ。すぐに追いかけて首に縄でもつけて連れ戻せよ。」
いないと困る敵の総大将不在。で帰ってくるのは首だけだけど受け取る者が誰も居ないとか何の冗談だよ。洒落にならんわ。どっと疲れが来たわ。
「今回の合戦でうちが勝ったから領地は貰う。で、お前らは俺に仕えろ。若も悪いようにはしないと約束するから。」
問題は国見君がどう思うかなんだけどな。
「国見君呼んできて。今の話を聞かせるから。」
しばらくして国見君がやってきた。それでさっきの話を聞かせる。国見君は複雑な顔をして一言
「やはり、誰かが裏で糸を引いていたのですね。鹿毛の若様に思うところは有りません。当主は討ち果たしていただきましたし、戦国の世の習いと思い、水に流そうと思います。」
大人だね、言っている言葉と表情はあっていないけど。顔には悔しい、許さないって書いてあるんだけどな。
「拙者、国見殿のお言葉を聞き感服いたしました。この度の一件は鹿毛と国見が合力されると困る者の仕業に相違ござらん。
拙者、その者を許すことかないませぬ。」
敵将の中で一番若そうなのが何故か涙ながらに吠えている。
「父上、かような事あってはなりませぬ。自らの手を汚さずに漁夫の利を得ようなど言語道断にございます。」
「そうじゃな、これはわしの首で収まる話ではないわ。相田様にお預けするが最上じゃ。」
勝手に話を進めない。俺勝者、君ら敗者。だが、気持ちのいい話では無いのは確かだな。
そんな話をしていると徳さんが広間に入ってきて一言
「鼻たれ小僧を捕まえたぞ。ご母堂は立派だったがあれじゃ先はどのみちなかったんじゃないか。弟の方も危機感なんて微塵もないようじゃな。」
徳さん、煽らないの。本当に行動は凄いのに口を開くとこれだからな・・・困ったもんだ。
「離さぬか、俺は秋月様に申し開きをせねばならぬのじゃ。」
いやいやいや、この状況が分からないのか。バカ殿でもわかる状況だと思うんだが。
「若、わしらは相田様に負け申した。もう鹿毛の領地は相田様のものになってしまったのじゃ。ゆえに秋月様に申し開きをした所で首になってしまうだけですじゃ」
「じい、なんと申す、秋月様から兵をお借りして鹿毛領を取り戻せばよかろう。」
ああ、こいつ本当にポンコツに設定されてるわ。バカの相手は疲れるんだよな。目線を3人に向けると目を逸らされた。桜花ですらどこか遠くを見ている。
「お前馬鹿か。いま、お前を首だけにすることだってできるんだぞ。状況わかってんのか。」
「馬鹿とはなんだ馬鹿とは。秋月様に願い出ればお前なんて直ぐに討伐されるに決まっている。」
おう、ここまでとは
「馬鹿もんが、事ここに至っては秋月様も手の出しようがないのがなぜわからんのじゃ。御屋形様も討たれ、合戦にの負け、わしらはもう戦う気力もないのじゃ。」
大喝とはこのことよ。広間がシーンとなる。
シーン。シーン。シーン。誰か音をくれ
「鼻たれ小僧ならまだよかったが、こいつ本物の馬鹿だな。どうやったら秋月のところに行けるんだって話よ。」
おう、徳さん毒が凄いよ。だが、言ってることは間違っていない。
「鼻たれ小僧とは許せん。そこになおれ切り捨ててくれる。」
あ、なんか話が通じない所なんか親父にそっくりだな。こいつ配下に欲しいとか思わないんだが。
「若、自害なされよ。このじいも一緒に逝ってさしあげるでの。若は御屋形様とは違うと思いたかったのじゃが、わしの目も曇っておったんじゃな。」
あ、また爺のシュンだ。誰得だよ本当に。
「じい、自害しろとはなぜじゃ、うちは悪くないじゃないか。鹿毛を国見と田原が滅ぼしに来ると父上もいっていたであろう。そして実際に攻められておるではないか。」
「クソガキ、勝てば官軍、負ければ賊軍って言葉があるの知ってるか。いま、相田が勝者、鹿毛は敗者なんだよ。
四の五の言わずに土下座して許しを請うところなんだよ。それをなんだ、うちは悪くないだ。国見の方だっていきなり理由もわからずに攻め滅ぼされてんだよ。自分にその順番が来ただけの話だろうが。
それをいつまでもいつまでもグズグズいいやがって、いい加減にしろってんだ。
だいたい玄がお前を連れ戻せって言わなきゃ、お前は頭と胴が離れ離れになってたんだぞ。いや、お前だけじゃなく、母親、弟も一緒にだ。わかるか、分からないからそうやって駄々をこねてるんだろうけど、いい加減にしやがれよ。」
え、俺じゃないよ。言ったのだれだって桜花様ドスの利いた声は俺にそっくりでビックリだわ。
「で、どうすんだ。土下座してあやまるのか、首だけになるか選べ。」
とどめも怖いな。俺の出番なし
「桜花、そのくらいにしとけ。バカに何言っても仕方ない。切腹しとくか。」
初めて自分の置かれた状況を理解したのか鹿毛の若が真っ青になりガタガタ震え始める。
「おそれながら、その者は証拠の書状なるものを持っているよですし、この一件の当事者。幽閉するにとどめましょう」
黒田君が静かに言うと、バッと鹿毛の若様が土下座の時間です。なんかすごい勢いで謝罪を繰り返す。
曰く、興奮していて周りが見えなかった。曰く、馬鹿にされた事でさらに頭に血が上った。曰く、本当に被害者だと信じていた。などなどだ。急にやる気が失せて、3人にログアウトして明日仕切りなおそうと話をし
「今日は合戦でも疲れた。若様も冷静になって状況を顧みる時間も必要だろう。あす、また話をするとして本日は解散。若もゆっくり休まれよ。じさんこの馬鹿についてやっててくれ。」
そう言い残し3人はログアウトするために城下町の宿屋に行くのだった。
武蔵は城でログアウトが出来ない事を愚痴っていたが。
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