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レベルアップは蜜の味
城下町の宿屋を拠点にしてのレベル上げは順調に進んでいた。
レベルアップをしている時にステータス画面に変化があった。名前の横に称号が追加されたのだ。俺は豪族と武士が表示された。桜花は剣士となり、武蔵は鉄砲兵、常清は兵法家となっていた。称号にも効果があり、ステータスを数%アップさせる物だった。
レベル15を越えた所で称号が追加されたが職業とどう違うのか分からなかった。元々、俺は郷士だったし、桜花達もゲームスタート時点で職業は剣豪と武士だったと言っていた。
称号は職業のランクを表すものなのか、今までの行動で付随してつけられた物なのか分からなかった。
細かいことを気にする常清なんかは生えてきた称号に首をひねりながら自分が兵法家に成っていることが不思議だとしきりに言っていた。桜花や武蔵は特に不思議がっては居なかった。
「みんなのレベルが30になったら領地の事をどうするか考えようと思うがどうだろうか。」
「レベル30の根拠はなんですか。」
常清は不思議そうに聞いてくる。
「これは別に根拠があるわけでは無いんだが、30レベルくらいあれば配下NPCの育成に入っても良いかと思ってな。
まだ配下NPCのレベルは1のままだし。俺は経験値が減ってしまうが配下NPCについては丸々経験値が入るって事で全員をレベル30迄上げておきたいと思っている。
その間に桜花、武蔵、常清には領地の拡張や領地に関係する依頼をやって貰いたいんだ。
申し訳ないがこれは俺の我が儘だ。」
「苦行の時間に突入するんだね。いいよ僕は。領地ほったらかしだし、依頼を見るとそれらしいのもあったしね。」
「わたしは前に玄が言っていた区画整備何かをやってみようかな。
これだけはっていう意向だけはしっかり玄が決めててね。」
「そういうことでしたら納得です。ではレベル30になったら皆さん個人で動くって事でいいですか。
でも、従動物はどうされるんですか。確かに引換券2枚あるんですよね。
わたしは従動物が欲しいとは思っていませんでしたが、皆さんが連れ歩くつもりなら、わたしも育ててみたいと思ったんですが。」
あ、それあったな。桜花がそうだったって顔をしてる。
「そしたら、レベル30になったら動物屋で、従動物を仕入れて、それぞれのペットの育成をしていき、俺の配下NPCのレベルが30になるまで領地関係をしてもらうって事でどうだ。」
「うんうん。わたしは良いと思うよ。さっさとレベル30に上げちゃおう。モチベ上がってきたぁ。」
桜花が上機嫌になったな。
「じゃ、奉行所で依頼を受けよう。行くぞ。」
討伐依頼の中から盗賊団討伐を見つけたので、それを受ける。盗賊討伐は当たり外れがある。主に金銭面で。
盗賊が溜め込んでいるお宝の量で実入りが変わってくるのだ。毎回毎回お宝を溜め込んでいる賊に当たるわけではないが、盗賊団レベルだと期待が出来るのだ。不思議と元当主のようなパターンにハマるような事も今までは起きていない。
「玄、これいこ。お金を一杯貰えそうだから。」
常清と武蔵もうんうん。といっている。
では、行くとしよう。盗賊団とは言っても人数は10人を越える程度であっさりと討伐してしまった。お宝は殆ど無かった。トホホである。ただ、依頼終了時に経験値にボーナスがついたのは有り難かった。ボーナスが点く依頼と点かない依頼があるようだが、終わってみないと分からない。桜花達は当たりを引いたと喜んでいた。一言お宝はなかったけど~と。
こんな調子でレベルが30になるまで城下町を拠点にして活動をした。
結果、ステータスが初期の時の1.2倍位まで上がっている。体感的にもかなり動きやすくなってきている。これで0.2上の上昇。2倍とかになるとどうなるんだろうな。数字的な物より感覚的に言えば成長したと思うのだが、数値を見るとそうでも無いというアンバランスさは一体どういうことなんだろうな。
1人で思考の海を泳いでいると、声がかかる
「レベル30になったけど称号は変わらなかったね。ちょっと期待してたんだけどなあ。仕方ないか。それよりも、動物屋にハリィ。ハリィ。」
「ワクワクするよな。」
「そうだ、お前等領地に帰るぞ。」
「え、なぜですか。動物屋に行くのではないですか。」
「お前等この町の動物屋行ったことあるか。俺はある。だが、正直ペットショップ程度の動物しか居ないぞ。
注文になるんだと書いてあったわ。」
「だから、それで何故領地に戻んなくちゃ行けないかって説明になってないし。」
「ああ、始まりの町に行くんだよ。」
「始まりの町って最初に地方とか決めたあの町の事ですか。」
「そうだ。俺はあの町の隅から隅まで調べ尽くしている。」
くくく。待ってろよ黄金兎。いまならばお前の強さにも届くだろ。
「で、始まりの町の動物屋で従動物を探した方が良いってことなんですね。分かりました。領地に戻りましょう。」
武蔵と桜花は既に城下町の入口へ走って行ってしまった。どんだけ楽しみにしてんだよ。そっちじゃないぞ、お前等。慌てる乞食は貰いが少ないって知ってるか。お前等を見ているとそう思い浮かんだよ。
裏通りの更に裏の通りの移動屋に来た。
「ようこそ移動屋へお越し頂きました。本日はどちらの町まで行きましょうか。」
「俺の領地まで頼む。」
「かしこまりました。4名様で宜しいでしょうか。」
「間違いない頼む。」
と、言うと何故か大きな籠がでてきた。良く殿様とかが乗ってるような奴だ。それに4人乗るように言われ、乗り込む。中は広いな。見た目は小さいのに不思議だわ。
「では行ってらっしゃいませ。」
と声がしたと思ったら
「到着致しました。気をつけてお降り下さい。」
一瞬だった。降りると移動屋の中であった。移動してないじゃないかと思って文句を言おうとすると
「相田様の領地に到着してますので外に出て確認下さい。間違った所にお送りしてましたらお声かけ下さい。」
外に出ると俺の領地だった。
「間違いなく俺の領地だった。助かった。又よろしく頼む。」
籠を担いで居たであろう2人に声をかけると
「まいど。」
と言うとふっと消えてしまった。で、移動屋の中はまた無人になっている。
領地の入口へ移動してって屋敷の隣に移動屋が建っていたので入り口はすぐだ。
「ウインドーを開いたら始まりの町って出ないか。」
でてる、でてます、でてるね。じゃ、移動するとしよう。
始まりの町
ついてきてくれと言って動物屋に行く。
「邪魔するよ。」
「いらっしゃい。あ、あんたはこの間訳分かんない動物買っていたお方じゃないですか。
女将さぁん。あのお客さんがまた来て下さいました。」
ドーンという背景が見えるような錯覚が襲い、女将登場
「お侍さん、まぁ久しぶりだね。最近見たことも無い動物がまた居てね。お侍さん何かしたんじゃないかと待ってたんだよ。
さあ、こっちだよ。ついてきな。」
4人は女将について行く。みんな唖然としてるな。俺は、まあ、2回目だしな。
連れて行かれた所には犬、猫をはじめ馬まで普通の動物が居た。
ん、狐は居たが尻尾が2つって居なかったよな、あっちの猫も尻尾が2つって妖怪かよ。
良く見て回ると、河童も居るじゃないか。
3人のテンションがちょっとおかしくなっているが気にしない気にしない。
他に変わったような動物は居ないかなと見ていると、額に角が生えた馬が居るじゃないかユニコーンか
あ、その横にはペガサスか。
ん、あれは何だ、あれは駄目だろ竜はあかんって。絶対地雷だろ。小さなトカゲに羽が生えてる様な見た目だったらまだ許せたかもしれないが、長い動体に手足がついている所謂日本の竜だよ。
注意書きには竜はその寿命が長いため人の寿命が終わる程度では成長を一切しません。
と書いてある。見世物にしかならんな。育たない動物なんて誰が買うんだろうか。権威つけの為に将軍家あたりが買うのかな
3人はあれがどうのこれがどうのと言い合っている。
俺は1人で見て回っていると不思議な動物を見つけた。
いや、動物ではないなカテゴリー的にはやっぱり妖怪かな。
雷獣、鵺と思われる。狒狒の顔に虎の動体に蛇の尻尾。討伐対象でしかないって奴だ。
ただ、まだ小さく幼獣なのだろうか
立て札には雷の獣。まだ幼獣であるがその雷の威力は人を驚かせるものがある。ただ、人の寿命が尽きる程度では成長はしない。
またか。そりゃそうか。やたらデカい檻を見つけた。中は何だと覗き込むと象だった。
どうしろというんだろ。運営遊んでるんじゃないか思い始めている。竜、鵺、象。まともなのは居ないのか。妖狐、猫又、河童もか。あ、ユニコーンやペガサスも妖怪と言えば妖怪の一種か。そのうち天狗とか迄出て来そうだな。
3人も妖怪は。とか竜はないよね。とか妖狐、猫又どっちかで悩む。とか聞こえてくる。
「女将、俺が来たときよりも色々と言いたくなるような奴が増えてるが、何処から連れてきてるんだ。」
「お侍さん聞いとくれよ。突然現れたんだよ。誰もこいつらを頼んだ覚えがないってんだ。お侍さんが連れて行った子と同じさね。
全く困ったもんだよ。」
色々と察した。まぁ、がんばれとだけ言っておいた。
3人は何を連れていくか決めたようだ。
桜花は何を思ったんだろう、竜を連れている
武蔵は白い狼を常清は妖狐を選んでいた。
「桜花、それはダメだ。違うのにしろ。成長しない従動物を連れていても意味が無い。経験値を吸われるだけで意味が無い。」
「え~可愛いのに。やっぱりダメかあ。」
とあっさりと諦めて河童を連れてきた。
「まてまてまて、そいつ本気で飼うつもりか。ハッキリ言って討伐対象にしかならんだろ。」
「やっぱり駄目かあ。ダメなんじゃないかなあとは思ってたんだあ。」
じゃあ、選んでくるなよ。
「ごめんごめん、本当はこの子に決めてたの。」
ほう、鳥か。
「この鳥さんが気に入ったの。見たことも無い鳥だけどさ。」
そこはとなく不安な気分になるのはなぜだろう。ロック鳥とかいう落ちは無いよな。全長20メートルにもなるゲームなんかでは定番の鳥だが。
「桜花、そいつの名前ってロック鳥じゃないか。」
「うん。そうだよ。実物って言うのかな、初めて見るから。良いよね。だって美少女には鳥さんでしょ。」
あ、はい。そっちか。
女将に引換券2枚渡し、常清の妖狐の1両を支払った。女将はこんな紙切れで動物2匹と引換ってと呟いている。1両で3匹と思ってしまったんだろうな。
さて、黄金の兎よ。待ってろよ。
町の外に出る。桜花、常清、武蔵には動物を動物屋に預けて貰った。
野外に出た時点で勘の良い桜花はリベンジって聞いてくる。そうだって言うと、まきこむねぇと笑顔で返された。
やってきたぞ、黄金の兎よ。
あれから俺は強くなった。少しだけだが。
兎をサクサク狩っていく。そろそろ来るか。
以前は反応できなかったが、金色に光る閃光がしっかりと見えた。
光を刀でいなすと地面に光りが突き刺さる。直後に地面から飛び出す黄金の兎。
またま涙を流している。今回はすぐには終わらない。終わらせない。
刀を構えてジリジリと距離を縮める。黄金の兎はこっちに一気に向かってくる。
俺も相手の動きに合わせて前に出る。
奴は俺の間合いに入る前に急停止。そして俺から見て左に移動する。
俺は勢いがついているから急には止まれない。ならばと勢いを増して真っ直ぐ突き進む。
奴が左に見えた時に蹴りを叩き込む姿が見えるが、俺はスピードを上げて駆け抜けたため、頭の直ぐ後を蹴りが通り、風圧で首が左へ回る。風圧でもこれか。
首が左へ回った勢いにまかせて体も左へと回す。刀を右から左へと振り抜く。手応え有り。
黄金の兎の片足を飛ばすことに成功した。
黄金の兎はバランスが取れない様で両手を地面につき、片足をで何とか体制を保っている。
俺はゆっくり近づき下段から斜め上に切り上げる。黄金の兎はゆっくりと倒れた。
リベンジ完了。とは言え一発入ってればこっちが危なかった。紙一重の勝利だな。
3人は他の兎の討伐を完了していた。
「玄やったね。リベンジ成功。」
ありがとな。兎に負けたという汚名はそそいだぞ。
「付き合わせて悪かったな。奉行所に報告まで付き合ってくれ。」
奉行所で兎の討伐依頼終了を報告する。
「相田様、兎の討伐おめでとう御座います。兎の遺体の確認致しました。
凄いですね。黄金兎の討伐は今までどなたも成功したことが無かったのです。
報酬ですが、黄金兎討伐で10両とこちらの刀となります。他の兎の報酬ですが5両となります。」
割と良い金になったが、猪と同じ金額ってのが凄まじいな。そして、この刀。業物みたいだな。良い物を頂いたな。
そして、レベルアップしていた。レベルが5も上がっていた。後で3人もレベルがおかしいくらいに上がったと言っている。同様にレベルが5上がっていたようだ。
称号に黄金兎討伐者が増えていた。桜花達は兎討伐者っていう称号が生えてきたと騒いでいた。効果は瞬発力に5%の上昇効果らしい。俺は10%だった。
レベルアップして称号がつくと美味しすぎる。
やはりレベルアップは蜜の味だな。
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