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ゲームを楽しもう

始動


 3人が家臣となった事で領地が広くなり、余っている土地を開発できることが分かったが、どうすれば開発ができるか分からない。もしかしたらアップデートの時に解放されるものなのかもしれない。俺たちが領地については1番進んでいるのは多分間違いない。領地に問題はおいておいて先ずは自分たちのレベルを上げて行って出来る事を探って行こうと決まった。

 城下町へ行って4人で依頼を受けるか、分かれて受けるか、単独でそれぞれ受けるかを奉行所で決めようと話しながら移動する。しかし他のゲームと違い野外にモンスターや害獣が出てこないので戦闘もなく平和すぎる。移動が一番つらい。ただ歩くだけである。2時間歩くって遠足かよと突っ込みを入れたくなる。

 3人しか横に広がれないうえに凸凹で狭くて移動を辛くさせる。

「この道も広くしたり、道を平らにしたりできるんですかね。」

 常清はうんざりした様につぶやく。

「まだいいわよ、私の最初の領地なんて山奥で獣道を通って麓に出てから城下町探して歩き回ったんだからね。」

 桜花が明るく言っているが何気に僻地に領地が設定されたんだなと憐れんでしまった。

「俺の所は距離だけやのう。ここより1時間くらい歩くか歩かないかや」

 武蔵も割かし近い所だったんだな。

 道と言うか移動手段を見つけないと時間の無駄だなと考える。奉行所を領地に開設出来れば幾分移動については解消されると思いたい。

 なんだかんだ言いながら城下町につき、城門迄行くと門番に止められる。

「この城にいかな用があって参ったか。」

 昨日はこんなことなかったよな

「奉行所で依頼を受けようと思ってな。通してもらえないのか。」

「そちらが攻めてこないかお奉行様含めこの城は警戒しておるのだ。」

 なんだそれは。昨日は普通の入れたじゃないか。

「すまん。言っている意味が理解できないのだが。」

「この城下町のすぐそばに急にこちらよりも強い勢力が出現すればそうもなろう。」

「昨日は何事もなく入城出来たではないか。強い勢力と言われても思い当たることはないぞ。」

 門番とこんなやり取りをしているとすごい勢いで走ってくる人影が。砂埃巻き上げて走るのなんて初めて見たな。こんな細かい演出をしてくる運営に乾杯。

 近づいてきて初めて受付嬢だとわかった。

「この方が来られたら奉行所におるれするように伝えていたのに何故は入れないようにしているんですか。田原様がお決めになったのですか。」

 門番はバツが悪そうに

「敵だったらどうする。俺は間違ってない。」

 受付嬢の顔が真っ赤になり、門番に対して入れなさいと捲し立てている。門番もその勢いに押されてか、さっさと行けと言って通してくれた。

 受付嬢は俺達に頭を下げてついてきてくれるようにお願いされた。

 受付嬢についていくとお奉行様の部屋に通された。なんでも指名依頼を出したいって言われている。

 駆け出し冒険者の俺達に魔王なんか倒せないぞ。的な依頼だった。

「ここから見える山に猪が繁殖しすぎて里に下りてきて作物を食べるから猪を間引いて欲しい。出来れば早急にお願いしたい。」

「それは俺達でも出来るのか。自慢じゃないが俺はウサギに負けたことがある男だぞ。しかも最近。」

 お奉行様の顔がぎょっとなる。ウサギなんて誰でも狩れるだろって目で見ないでくれるか。あの黄金のウサギは相当なもんだぞ。と伝えると、黄金兎に手を出すなぞ自殺行為だぞと教えてくれた。

「安心してくれはじめはお主一人に依頼するつもりでいたが、4人でならさほど危険もないので受けてもらいたい。奉行所からの指名依頼を受けてくれるという事は、この城下町に敵意はないという証明にもなる。次から奉行所で依頼を受けやすくなるので、お主たちにも悪い話ではないのだ。」

 お奉行様、それ一人じゃ無理って話じゃないか。そういう理由なら仕方ない。指名依頼をさっさと片付けて普通の依頼が受けれるようにするか。

 詳しく依頼内容を見ると猪10頭討伐。期間は10日間・・・

 無理ゲーじゃねーか。駆け出しができる事かよ。と切れそうになったが我慢して、失敗したときはどうなるか聞くと、別に何もないと言われた。ただし1頭も狩れなかったら罰則金10両かかるとか言われて、後ろで三人が引きつっていた。あ、こいつ等貨幣価値を理解してる。俺、まだそこまで行きついてないのに・・・と言うか奉行所開設と同金額っておかしくないか。

 奉行所をでて3人にすぐに行くか確認すると準備位して行こうと言われた。まだ俺は冷静に慣れてなかったらしい。3人からまずは落ち着けと諭された。

 道具屋で貨幣単位を教えてもらった。文(銅貨)、匁(銀貨)、両(金貨)があり、1000文で1匁、100匁で1両となるとの事。日本円で換算すると1文=1円になるそうだ。1000円までは文1,000円から1匁で10万で1両か。10両って100万円。ペナルティにしちゃデカくないか。半面奉行所開設に100万は安くないか。いや、権利を買うだけなら馬鹿にならん金額か。手数料は入ってなさそうだしな。

 道具屋で猪を運ぶ背負子を4匁で購入。1日1頭ノルマでいいだろ。

「ペナ10両ってあんまりじゃないか。高すぎると思うんだが。」

「確かに高いと最初は思いましたが、猪1頭を売れば1両以上にはなると思うんです。多分1頭当たり2両にはなるんじゃないかと。貴重な肉でしょうし。」

「満額で20両になるのか。このゲームの価値価格が分からんぞ。」

「1次産業メインですからね。酪農は無いでしょうし。馬なんて1頭50両はしますよ。」

「難しい話はしないで、さっさとこの依頼終わらせようよ。早く愛しのペットちゃんを手に入れるんだから」

「ブレへんのう、おのれは。」

「そういえば大事なことを聞いてなかった。お前らの得物はなんだよ。俺は刀だけだ。防具はない。」

「なんやて、防具無しってなめてんのか。俺はこいつや。種子島だ。防具も胴丸に具足の初期装備やな。初期装備も装備せーへんってどないやねん。」

「私はこれだよ。薙刀。やっぱ女の子はこれでしょ。防具は私もなかったな。」

「初期装備になんにもあらへんってどうなっとるんや。殺しにきとんのー。」

「私は槍ですね。防具は胴丸、具足ですね。」

 職業によって初期装備が変わるのか。何をもって変えているのか・・・しかし、武蔵よ。お前なんで種子島やねん・・・杉谷 武蔵とかにしとけよ名前・・・心の中で突っ込んでいると、2人が微妙な顔をしていた。俺と同様心の中で突っ込んだな。

「さて、得物もわかった。フォワードは俺、ミッドフィルダーが桜花、サイドバックが常清、キーパーが武蔵だな。」

「なあ、サッカーのポジションにした理由はなんや。前衛、遊撃、中衛、後衛でええやんか。」

「だよね、わたし意味わからなかったよ。私は遊撃なんだね。って何すればいいの。」

「サッカーに例えればいいというもんではないですね。遊撃は状況を見ながら前衛に出たり、中堅の下がるんですよ。わりと重要な位置ですよ。」

「私に出来ると思う。私は出来ないと思います。」

「いや、出来る出来ないじゃなくてやるんだよ。じゃないとフォーメーションが組めないんだよ。多分何も考えない方が体が勝手に動くんじゃないかと思うぞ。桜花は。」

「今の褒めてるの。」

 褒めてる褒めてると3人。

「いきなり本番やのうて、どっかで試しで戦闘経験しておきたいんやがの~。」

「それは私もそう思います。いきなりですと、どう動いて良いかわかりませんよ。」

「わかるが、相手がいないからな。こればかりはどうしようもない。」

 不満はあるがやるしかない。話をしながら討伐ポイントまで来てしまった。

「この辺ですよね。どうやって猪を見つけましょうか。」

「見つけるもくそも、仰山おるで。」

 いるいる目視できるだけで10頭は軽く超えている。一旦退却して確固撃破が良いんだが、行っちまったよ。

「てやー。」じゃねーよ。遊撃が前衛の前に出てどうするよ。本当にミッドフィルダーのファンタジスタかよ。悪い意味で。

 桜花は1番近くにいた猪に向かって薙刀を振り下ろす。

「うそ。刃物が入って行かないじゃない。よーし、じゃあこうだ。」

 石突で下から頭をかちあげる。下からの攻撃に猪は顔を浮かす。すかさず桜花は薙刀を横に振って猪の首を狙う。

 猪の首にクリーンヒットした薙刀の刃は猪の首に食い込んでいるが猪は絶命しておらず桜花へ突進する。

 桜花薙刀を手放し横へ飛ぶ。そして猪の進行方向には俺がいるわけなんだが。

 薙刀を首に食い込ませながら激走してくる猪に向かい刀を八双に構え、少し左に移動し半身になり刀を振り下ろす。桜花の薙刀の刃、俺の刀が首へ入ったことで猪の頭が落ち、大量の血が噴き出す。

 走って桜花が戻ってっ来て「ぶい」と言いながらピースサインを出す。その瞬間、パーンと乾いた音がする。音の方を見ると武蔵が種子島をぶっぱなし、猪が1頭静かに倒れる。これで2頭。まだまだ猪はたくさんいる。種子島の音で逃げたのもいるようだが、残った猪の目はこちらを凝視して、前足を引き突撃の体制になっている。

 いや、さすがにこの頭数を相手には危険だぞ。

「玄、ここは下がりながら戦うのは危険です。前に出ましょう。」

 常清が言うが早いか槍をかまえたまま1頭の猪に突撃する。いや、槍は叩きつける武器だって。え、突く武器だって、それは武将が使うような槍な。常清が持っている槍は叩きつけるんだよ。なんでだって、柄が弱いんだよ。ぽっきり折れてしまうって言ってるとポッキリ槍が折れたよ。びっくりした顔してるけど俺から言わせれば当然の結果だよ。

 こういう事があるからお試しで戦いを経験しないといけないんだよな。常清がこっちに向かってダッシュで来る。後ろに土煙を上げて追いかけてくる猪。桜花よお前はなぜそこにいる。頭の赤い男なのか中身は。一閃。上段からの振り下ろしで猪の首が飛んだ。さっきは刃が途中までしか入らなかったのに。

 俺もこうしちゃいられない。ダッシュの態勢に入っている猪に向かっていく。体が軽くなっている感覚がある。接敵、振り下ろす刀、飛ぶ首。常清が折れて短くなった槍で猪を突いて牽制していると、たまたまだろうが目から穂先が入って行き猪が倒れる。

 また、乾いた音がして猪が1頭倒れる。武蔵の方に行こうとしている猪の前に桜花。だから何故そこにいる。下から斜め上へ刃先を滑らすと猪の首が飛ぶ。桜花の顔がすごくいい笑顔なのが少し怖い。

 俺は何頭か纏まっている猪の元へ駆け込み刀を振るいまくる。一振りで首が飛んでいく。

 常清も短くなった槍で高速の突きを繰り出して猪を屠っていく。武蔵の種子島も射撃間隔がどんどん短くなる。今じゃ30秒に一発は打っているんじゃないか。確か種子島の名手が20秒ほどで打ち続けられたとか聞いたことあるな。

 気づくと周りには動く影が4つになっていた。あれだいた猪が瞬殺とは言わないが危なげなく倒せてしまっていた。

 誰だ、魔王と戦う駆け出し冒険者なんて考えたのは。

「なんや簡単に終わってもうたな。」

「うんうん。私達は強い。最初はうまく動けなっかたんだけど今はイメージに近い動きができているとおもうよ」

「槍が折れた時はどうしようと思いましたが、短くなって逆に良かったみたいです。取り回しがどんどんやりやすくなって。最初はなぜあんなに体が重かったんでしょうね。」

「それは多分だがレベルが低かったせいで動きに制限がかかっていたんだと思うぞ。実際今の動きもイメージした動きからズレがあるからな。思考は早いが体がついていかない感じだと思うぞ。」

「じぶん、したり顔でいうてるけど、俺軽くPTSDになりそうなんやが。」

「嗤う何とかみたいでしたね。気になってしまって突きがそれましたから。」

「え~。いいんじゃない。かっこよかったよ?」

 なんの事か桜花に聞くと、俺はアハハハハハハと笑いながら刀を振り回していたらしい。何それ軽くホラーじゃん。それ本当に俺ですか。多分違う人が入っていたんだと思います。

 しかし死屍累々とはこのことだよな。背負子なんて使えないぞこれ。

「桜花、お前奉行所に行って回収できないか聞いてきてくれないか。悪いが俺達の中で桜花の機動力が一番高い。」

 もういねぇ。いいよ~遠くから木霊が聞こえてくる。あいつの元の領地ってどこなんだろうか。俺達の足では1週間くらいかかるかもしれないぞ。あの速さは異常だと思う。

 残された男3人で猪を1か所に集める。頭がきれいに飛んでいる奴、頭が突き傷だらけの奴、頭に穴が開いている奴。

 武蔵、お前リアルでライフル撃ってたりするか。こんな命中率高いのは異常だぞ。常清もおかしい。あんなにきれいに槍の突き引きができるのって。基本の形が出来てるから出来る事だろあれは。桜花もしっかり薙刀の型を使っていたし。もしかしてこいつら本当に当たりの人材じゃないのか。俺なんて何もないぞ。

 猪の数がおかしい。指名依頼受けた時に確か10頭狩ればいいと言われたはずだ。だがここに転がっている猪は40頭。1人頭10頭狩っている計算だ。もしかして一人当たり10頭ずつって事だったのだろうか。

 手持無沙汰になったな。

「おい、逃げて行った奴居たよな。狩るか」

 そういうと2人がこちらにきて、山の浅いところまで行って居なかったら戻るようにする事を確認して山に入って行く。足跡発見。足跡を追いかけると、そこには5頭ほどの猪が居たが狩るのはやめた。4頭がウリ坊だったからだ。

 戦果もなく元の場所に戻ると桜花が帰ってきていた。

「ここで待ってれば運んでくれる人たちがくるんだって。」

 本当に足が速いな。もう往復しているとは。ここに来るまでの時間より短いぞ。 

 

初めての戦闘?シーンでしたが如何でしたでしょうか。

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