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ログアウトしてみたぞ

現実とゲームと


 町の長の欲に駆られた暴走が招いた今回の事はおそらくは最初で起こるようなイベントではないと思う。

 何がトリガーになったかは分からないが、配下NPCにペット、領地の広さ屋敷の有無に施設の有無。どれかが条件に合ったって事なんだろう。

 そして、俺は気付いてしまった。ゲームを始めてからかなりの時間が経ったがボッチとう事実に。

 こんな事なら始まりの町でプレーヤーと会話していれば良かった。精神的にそんな余裕は無かったわけだけどな。あまりにも異常な状態が続きすぎて1人だけ別ゲームやってたんじゃ無いかと思うほどだ。

 屋敷に戻り配下NPCを労い、また1人で行動開始しようかと思ったが、時間も時間なので一旦ログアウトする事にしよう。現実で考察をして、この先の行動指針を決めることにしよう。


~現実side~


 筐体から出ると隣の筐体は稼働していなかった。つまり、嫁さんは戻ってきているということか。

 今の俺の状態を話すとややこしいことと言うか、その条件で自分もやらせろと騒ぐのは分かっているのでお互いのプレイは話さないように取り決めを交わそうと思う。

 リビングへ行くと嫁さんは何だかボーッとしている。

 出てきたばかりかな、あれは余韻に浸っているのだろうか。

「先に始めて悪かったね。我慢出来なくて。

 そっちはどうだったのかな。あ、待って、聞かない方が良いかな。ネタバレとか有るとお互いに楽しめないだろうから。」

 嫁さんは再起動しない。一体何が有ったんだろうか。あの呆けぶりは尋常じゃないな。

「あ、あなた帰ってきたの。何だか凄い所だったわね。

 何が凄いって現実みたいだったわ。体を思うように動かせるかと思ったけど重りがつけられたみたいな感じは慣れないけど。」

 楽しんだんだな。アミューズメントパークに行ってはしゃぎすぎて疲れて放心状態。って事なんだろうな。

「楽しんだみたいだね。このゲームを現実には持ち込まない様にしないか。分からないことは自分で調べる。

 と、言うかプレイスタイルによってはアドバイスがアドバイスにならない可能性の方が高いと思うよ。

 どんなことが有ったとかも出来れば話さない方が良いんだろうけど。」

 嫁さんの目がちょっと光る。背中がゾッとする。

「あなた。もしかして若い女の子と一緒にゲームを進めるつもりじゃないでしょうね。」

 あるわけない。まだプレイヤーと話すらしていないのに。あ、配下NPCに女性が3人居たな。アカネにトモエに後多分技術職に1人。人間じゃないからセーフだろ。

「チュートリアルに時間をかけすぎてな。チュートリアルを終わらせたばかりで他のプレイヤーと話すらしてないぞ。

 だから、ネタバレになるような事を聞くとやる気が無くなるからさ。

 自分で調べて解決していくのが俺のスタイルだから。

 分からない事を色々な人に聞いてアドバイスを貰うのもスタイルの一つだけどね。」

 嫁さんの目が今度はまん丸に変わる

「あなた私よりも先にゲームを始めてたんじゃないの。

 一体何をしてたらそんなに長くなるのよ。

 私なんて直ぐに終わって、もう次の町まで行こうかってしてるのに。」

 嫁よ、何故に言うかな。言ったばっかじゃないか。話さないようにしようなと。期待はしていなかったがナチュラルに聞いてくるな。テーブルに座り有名なアニメの司令官のポーズで聞いてくるな。

 俺がやったチュートリアルと嫁さんのやったチュートリアルが一緒だという保証が無いから余り話したくは無いんだけどな。だが、あのスタイルは聞く気満々。はぐらかそうものなら鬼子母神の降臨になるんだろう。言っては不味いことは伏せて話すか。

 既に最初のお互いにゲームの事は触れないようにしようという目論見は崩れ去った。

「俺のチュートリアルは大名プレイ、武士プレイをした時点で能力値を決定していなかったから、俵切り、ソロバン、感想文、草刈り、けん玉をしたんだよ。

 で、大名プレイと武士プレイが思ったより長くてな。農民プレイ始める前に自分の能力値が分からない事に気付いてチュートリアルAIにツッコミ入れたら、能力値を判定するってなった。

 そしてな、俵切りから感想文までは順調だったんだが、草刈りで血がたぎってしまって、他の人の5倍の土地を刈り取ったらしい。チュートリアルAIから呆れられた。最後のけん玉なんだが1回も出来ずに瞬間終わったわけ。」

 嫁さんの目がこちらに向き、真似しているんだろうか

「全ては予定通りだ。」

 嫁さんが普通に座り直して

「言ってみたかっただけだから。私のチュートリアルとは全然違うわね。と、いうかチュートリアルAIってポンコツだと思った程よ。。色々抜けてるからレクチャーしてあげたのだけど、それがチュートリアルの肝になってたのが分かったのは他のプレーヤーと話しをした時ね。

 何故能力値を決めるの忘れるのよって思ったのだけど、あれってそういうのを気付かなかったら能力値が下がるみたいなのよね。

 チュートリアルを飛ばした人なんか私の3分の2くらいの能力しか無かったわ。

 チュートリアルをした人でも5分の4くらいだったかしら。」

 嫁よ、なぜそんな情報をだすかな。知りたくない情報だってあるじゃ無いか。

 もしかして俺の辿ったチュートリアルは仕様なのかもしれないとか思い始めたぞ。

 だとすると俺のような奴が他にも・・・

 あ、ないわ。管理サーバーに侵入なんてチュートリアルでは流石にないだろうからな。

 そしてやたらと戦国の夢に馴染んでるのは何でだ。ゲーマーでは無かった思うのだが。

 嫁さんが顎クイやって先を話せって目で言う

「で、さっきも言ったが草刈りに相当な時間を使ってしまった。

 あれな、チュートリアルAIが何度も止めてくるが無視して刈り続けてい行くと、終わりがあって境界まで草を刈ることが出来るんだよ。というか境界まで草刈りした。

 チュートリアルAIから呆れられたんだけどね」

 まん丸お目々の奥に光が

「そんな事になってたのね。私は最初で辞めちゃったんだけど。

 で、特典は何よ。ちゃんと用意されてたんでしょう。」

 嫁よ、なぜそんなに戦国の夢に精通しているんだよ。一体中で何してたんだよ。あ、検証魔神だったよ、こいつ。昔は形ある物を1度全部バラさないと気が済まないって所があったんだった。今は矯正出来て取説で満足出来るようになったんだった。忘れていた。1番忘れてはいけないことを忘れていた。

「あれはプレイヤー領地が拡がる上限値が上がるって事らしい。

 ただ、止められた時にやめたからと不利になるようなことはないらしいぞ。

 オブジェを多く置けるだけだとか。つまり、金がかかるって事だ。」

 次に聞いてきそうなのは身分か地方かな。

「そうなの。家の草刈りはしないのにゲームの草刈りは最後まで刈っちゃうのね。

 まぁ、いいわ。それであなたの地方と領土をきかせてもらえるかしら。」

 予想通りか

「悪いが地方も領土も教える気はないぞ。敵にしかならないのは分かっているからな。」

 俺は内心ビクビクで虚勢を張って答える。

「私と敵対するつもりなの。嘘でしょ。私達運命共同体の夫婦よね。

 まさか若い女を・・・」

 いや、だからそういうことじゃ無くてだな。この現状で俺はストレス感じてんの。あれこれやってとか何か持ってきてだの俺のプレイが浸食されていくのだから。

「キャラクターエディットで外見いじり放題、年齢詐称し放題。おまけに性別もいじり放題。そんな環境で女をオンナと思える訳ないだろう。

 基本は人間として応対するが性別で応対を変えるつもりはない。」

 これは本当の事だ。ゲームとリアルを混同する事はないわ。

 嫁と話を続けることは危険だと思ったので、戦国の夢の話は終わらせよう。

「とにかく俺は戦国時代を己の腕のみを頼りに駆け抜けたいんだ。

 だから、例えお前や息子達がこれを始めていても力を合わせてやるという選択肢は今の所は無い。

 先々人手が必要でとかになればまた考えるが、おそらく俺はソロでプレイを続けると思う。」

 嫁さんは俺にNOを突きつけられてびっくりしている。そりゃそうか今まで自分が言ったことは大体叶ってきたからな。

「あなた。それは本気なの。私が困っても手助けもしてくれないの。そんな冷たい人だとは思わなかったわ。」

「戦国の夢に関しては譲る気はないぞ。男の浪漫なんだよ。夢なんだよ。裸一貫自分の才覚だけでのし上がっていくなんて体験はゲームでしかできないんだよ。」

「ほんと、馬鹿ね。じゃあ名前くらい教えなさいよ。

あ、私の名前から言うわね。相田 生駒って名前よ。」

「・・・相田 玄って名乗ってる。」


「「何故被るの」」


 変なところだけ気が合う2人であった


 

 

 

前回が長かったので今回は短めにしました。

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