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その子、四月一日(わたぬき)白百合(さゆり)
在り来りな不幸に陥った子が居たとする。
その子は昔、仲良かったとする。
純粋な幼い頃はただ近くに居るだけで全員が友達で、人は悪意なんて無いものだと思ってた。
人は一人では生きていけないかもしれない。でも、孤独でも生きていける。
それを悟った様に、閉じこもってしまった子がいたとする。
そして、この例え話が本当だったとする。
私は彼女になんて声をかければ良いのだろうか。
予兆はあった。と言うよりも出会いから不穏だったし。
朝、どうしても起きることが出来なくて、まあ、学校行っただけで御の字、御の字。と楽観していた。
誰もいない通学路。
たまたま目に入った喫茶店。
時刻は昼前で、ランチの看板を店前に出てたのは見た事のある子で、あまり話したことのない子。
四月一日白百合だった。
小、中と同じクラスだったことが何度かあった子。
どうして?そう思ったけど、私にはその子に気をかけるよりも学校へ行くことの方がこの時は大事で、「まあ、いっか」そう言い聞かせて、学校へ向かう。