22.プレゼント
高そうなナイフを貰って、100年無税にもしてもらったし。
なんか貰ってばっかりだ。
さすがに気が咎める。
何かお返しをしたほうがいいよな、うん。
あ、そうだ。
お土産にちょうどいいものがあった。
「ちょっと待って、モルデブさん」
「はい?」
飛行船に乗る間際のモルデブさんを呼びとめて。
オリハルコンクラブの殻を半分くらい渡す。
俺たちにこれは利用できないからな。
貴重品みたいだしプレゼントしてしまおう。
「こ、これはーー!!」
「そう、オリハルコンクラブの殻。
あっても俺たちには使えないし。友好の証だと思ってくれれば」
モルデブさんの腰がへなへなになっている。
腰砕けだ。
よほど嬉しかったらしい。
「よ、よろしいのでしょうか? このような貴重品を……」
「どうぞどうぞ」
「このご厚意は決して忘れません!」
「いえいえ」
こちらこそ100年も無税にしてくれてありがとうね。
というわけで、何度も頭を下げてモルデブさんは飛行船へ乗り込んでいった。
で、モルデブさんとの話しを皆に共有。
「とりあえず100年無税になったよ」
さすがにそうなるとは思ってなかったらしく、驚かれた。
驚くよね。ギャグみたいな税制度だ。
前世の俺も100年無税になって欲しかった。
ギンがふむふむと頷く。
「どういう交渉術を駆使されたのでしょうか?」
特に何にもしていない。
なんか向こうとしては、俺たちがここに住んでくれればいいらしいし。
「貴重な男性ってのもあるかもねぇ~。にしても結構やるね、主様。
オリハルコンクラブの殻を渡しちゃうなんて」
ルニアがなんだか面白そうに笑っている。
ニーファ、ラーファも頷く。
「魔族は格を重視しますので」
「これで色々とわかったかと思います」
本当にそんなつもりはないんだよ。
一番の理由はオリハルコンクラブの殻を手放したかったからだ。
だって、あまり綺麗でもないしなぁ……。
カニの殻だよ?
そんなに飾っておきたいという気持ちもなかった。
捨てるにはもったいないけど、ピカピカの綺麗にするのは面倒になってきたのだ。
なので喜んでくれるところに渡しちゃったのだ。
とは言わないでおこう。
あと取り決めたのは定期交流の約束だ。
物々交換レベルだけど、外部と交易の約束ができた。
しかし飛行船の往来には色々な制限がある。
悩ましかったのは、何を持ってきてもらうかということ。
飛行船に積めて、なおかつ魔力を使わないものしか運べない。
便利な魔道具は聖域周辺の魔力で壊れてしまうらしい。
もちろん重量も限られる。
ということで俺が求めたのは医薬品と調味料だ。
今のところ、怪我をする人はいない。
でも備蓄としてあれば心強いしな。
あと調味料を選んだのは、作るのが大変そうだからだ。
この無人島生活をやって半年。
保存食を作るのにもまぁまぁ苦労している。
完全な醤油を再発明するころには寿命が尽きてそうだ。
なので調味料を頼んでみた。
この世界の調味料がどういうものかはわからないが。
変な味でないことだけ祈ろう。
で、モルデブさんから貰ったナイフだが。
柄の部分がごつくて握りづらい。
うーん。
神様小屋に奉納か。
と思っていたのだけれど。
「みゃう」
「にゃうにゃう」
猫ちゃんがナイフの柄にある数々の宝石に興味津々だった。
ほう、そんなに気になるかね。
穴が空くほど柄の宝石たちを見ている。
「にゃーう!!」
なるほどなるほど。
じゃあ分解してあげましょうねー。
というわけで柄の部分を解体。
宝石を取り出して猫ちゃんの遊び道具にしてみた。
「にゃーにゃー!」
「ふみゃあ!」
カリカリ、コツコツ。
宝石に傷がつきまくっているが、これは猫ちゃんが楽しんでいる証拠。
柄に宝石がないほうが俺も使いやすいしな。
しばらくの間、この宝石が猫ちゃんのお気に入りのオモチャ第一位になったとさ。
ここまでで第2章、完結です!
【お願い】
お読みいただき、ありがとうございます!!
「面白かった!」「続きが気になる!」と思ってくれた方は、
『ブックマーク』や広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★に変えて応援していただければ、とても嬉しく思います!
皆様のブックマークと評価はモチベーションと今後の更新の励みになります!!!
何卒、よろしくお願いいたします!





