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トイレを我慢しながら書き上げました。楽しんでもらえたら幸いです。
気付いたら、浜辺にいた。嘘みたいに真っ青な海と、同じく真っ青な空、手前には白く輝く砂浜が、起こした体の前に広がっていた。南の楽園的な光景を前に呆然とする僕だが、ひどく重く感じる身体が、昨夜の戦闘が嘘ではなかったことを雄弁に語っていた。
「ここは、一体…?さっきまで戦っていた化け物,部隊のみんなは一体どこへ消えたんだ?」
ザザ、、、という海の波音が、僕の小さな呟きを攫っていく。
しばらくの間、そこでぼうっとしていた。断続的に聞こえる波音、海から吹く暖かい風が、昨夜の戦闘とまるで真逆で平和すぎて、あんまり疲れていた僕はもしかしたら眠っていたのかもしれなかった。ああ、眠い。
しばらく忘我の時間を過ごした僕は、しかしそんなことをしている場合ではない、と思い立ち、昨夜と変わらず左腕についていた腕章デバイスを起動する。良かった、ちゃんと起動した。
「現在位置は、、っと。お?」
デバイスの現在位置は、今まで全く見たこともない地図を示す。部隊の元、国内多くのポイントで魔物討伐を行ってきたが、こんな地形は見たことがない。バグか?と毒づきながら地図を縮小するが、やはり見たことのない場所だった。上だの下だの、しばらくスクロールしていくとおなじみの魔導王国が見え、あれ、遠くない?
「なんで?」
昨日の戦闘を振り返る。駄目だ、暖かくて頭がふわふわして記憶が覚束ない。地図アプリを閉じ、戦闘記録アプリを立ち上げる。これは、隊員の個人の戦闘時の動きを記録、解析することで、戦闘を最適化する狙いの、とかどうでもいいや。最新のファイルを開く。
ジジッというノイズと共に、網膜に直接映像が写し出される。
昨日の討伐対象はSレートの魔物。部隊でそれを屠り、基地に帰る道すがら、SSSレートの龍に襲われたのだった、そういえばそうだった。普段であればSSレートくらいなら何とかなり、SSSレートでも遅滞戦闘をしながら友軍を待つくらいはやってのけるのだが。まさしく最悪のタイミングでSSSレートの、それも龍に襲われたので、僕らの部隊は半壊しながら撤退していた。
昨夜の記憶が、断片的に蘇る。
ブレスを奴の口内で暴発させてやれば、大ダメージ間違いなしだろ、という天才的閃き!
気配を消し高速で懐まで潜り込む時の焦燥!
大きく飛び上がって僕の背丈ほどもある下あごにアッパーを食らわせた時の高揚!
奴のやつの歯のすき間から、濃度の濃すぎる魔力溜まりが黒く光るのが見えた時の絶望!
腹の中身をかき回されるような不快感!
…そして映像は終わる。
「ああ、なるほど。それで枕元にコイツが転がってんのか。」
長く重い溜息をついた僕は、隊長や先輩の目から隠しぬき、そして予期せぬ超長距離転移の衝撃さえも耐え抜いた飴玉をポケットから取り出し、口に放り込んだ。
振り返る僕の網膜には、見覚えのない森を背景に、苦し気な表情を浮かべ転がる龍の首が写っていた。
ガジェット情報
・腕章デバイス
主人公が左腕に装着している、王国では一般的なデバイス。本文にも登場したように、GPS的機能、カメラ的機能がある。現代日本でいうスマホみたいなものだね!
なお、位置情報は網膜からの映像から球面三角法で割り出しているため、衛星的なものを介して通信しているわけではない。筆者はこの辺の設定を忘れ、スマホと同じ感覚でアンテナについて本文中で言及してしまったため、直しました。ごめんよ。
球面三角法がわからないお友達はGIジョーを見よう!僕に説明を求められてもわからないので悪しからず!
・飴玉
主人公は軍人であり、王国の軍規には作戦行動中の支給品以外の食糧の持ち込み及び摂取を禁じる、とある。つまるところ軍規違反。
感想、レビュー、星、誤字報告、その他気軽にください。
読者の皆さんがこれらをすると、僕は嬉しくなって筆が進む。皆さんは続きが読める。
と、いうわけでWINWINです。
みんなハッピー、平和が一番。
最近の幼稚園の劇では主役が何人もいるって知ってました?
中学高校の運動会に順位つけるのやめようって動きがあるの知ってました?
そんな次元で世界は平和を求めてる!
馴れ合いなあなあ傷の舐め合い大いに結構!
さあ!平和に清き一票を!!!!!
あ、やっぱりちょっと眠いかもです。ではまた次回!
「そのうち上げます。」