スキルのレベルアップと変化と発見
メニューからは自分の持っているスキルを確認できるらしく、常に使い続けている「アイテムボックス」のレベルが一番高かった。……入る量は無制限なはずだが、レベルが上がると何が変わるんだろう。
そして次に高いのは敵を倒すたびに発動する「アイテムドロップ」で、こちらはレベル10に上がった時を境に、手に入るアイテムの量が増えた。おかげでどの敵を倒しても確実に1発は弾が手に入るようになったので、弾切れの心配から解放されてほっとしている。
で。出来るだけ使う事を意識している「存在感知」のレベルが10に上がった時に、その変化は起こった。
「…………なんかあるなここ」
どうやらスキルというのは、レベル10で何か、たぶん段階的なものが変わるらしい。そう思いながら見ているのは、少なくともメニューから見れる地図では何の変哲もない、部屋の隅にある壁だ。
もちろん他の場所と何が変わる訳ではないのだが、触ったり叩いたりした違和感的に、あの「安全地帯」への入り口になった「壊せる壁」に近い。……気がする。
という事は壊せるんだろう。たぶん。問題は、壊して何が出てくるか、って事だが。
「流石に最初の階層……階層でいいのかは分からないけど、倒せない敵が出てきたりはしないだろうし」
たぶん。出てきても他より強い敵ぐらいだろう。たぶん。……一応距離はとっておくか。肩が痛いのは変わらないけど、痛くても装填作業は出来るようになったし。なお、そのまま次を撃ったことはない。だって絶対痛い上に相手は吹っ飛んでたから。
アイテムボックスから唯一の武器である過剰火力の銃を取り出し、三脚に乗せられた状態で違和感のあった壁に狙いをつける。壁を壊したことはあるので、反射されて自滅するのでは、とかいう不安はない。
ドッゴォ!! と、相変わらずすごい音に耳を、反動に肩をやられつつ素早く次の弾を装填し、肩の痛みを我慢しながら土煙が収まるのを待ってその向こうに目を凝らす、と。
「……岩の裂け目?」
そこには元々の壁とは違う、けれど今の攻撃による跡とも思えないものがあった。天井付近まで伸びる、縦向きの崖に近いような何かだ。奥は見えず隙間は狭いが、無理をすれば通れなくはなさそうでもある。
とりあえずそれ以上の動きはないようなので、アイテムボックスにでっかい銃をしまう。最初に取るときは苦労したが、一度三脚に乗せて入手を確定した状態になったら、本体と三脚を掴んでアイテムボックスに入れるように意識すれば入ってくれるからな。
そして非常に存在感のあるでかくてゴツい銃が三脚ごとアイテムボックスに収まったところで、その岩の裂け目っぽいものの足元に何かが転がっている事に気付いた。ごつごつした黒っぽい石、に見えるが、これは何だろう。
[鉱物の原石:素材:無機物
何らかの鉱物の原石
このままでは投げてぶつけるぐらいしか使えない]
「……素材の隠し採取ポイント」
かな……たぶん……。
問題はこれをどうやって使える形にするかだが、それらしい道具は今のところないんだよな。とりあえず敵の残骸と同じく、しばらくアイテムボックスに放り込んでおくか。
たぶん今の攻撃で「採取」出来た分を拾ってアイテムボックスに放り込み、岩の裂け目の形をした採取ポイント(推定)に近寄る。システム的、と言ったら悪いかもしれないが、「安全地帯」の流しやコンロは手を近づけると使い方が出てきた。これも出てくるといいんだけど。
[鉱物の採取ポイント:スポット:汎用
何らかの鉱物が採取できるポイント
一度に強い衝撃を与えるほど多くの鉱物が採取できる]
……説明が出てきたはいいが、その説明文の上に「残り2:31」と書かれた文字が出ている。たぶんだが、採取できる残り時間だろう。拾い集めるのにちょっとかかったから、元は3分だろうか。
アイテムボックスを確認。残弾には……余裕があるな。問題は肩の痛みだが、幸いと言うべきか、「安全地帯」は割と近くにある。そして、そこまでの間どころか、「存在感知」の範囲に敵であるメカの反応はない。
「……っ、頑張るか……!」
痛いのは嫌だが、素材は集められるときに集めておくべきだし。それにこういう時間制限付きの場所だと、量を出せばその分だけレアな物が出てくる可能性が上がって来たりする事があるし……!




