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目標確認と障害を含む推測

 という訳で3日程が経過して。


「思ったよりも見つからないもんだな」

「そうだねー。……やっぱりくーちゃんの探知範囲って、すーっごく広いんじゃない?」

「この銃の射程からすれば全然足りないんだけど……」

「その銃の射程がものすごすぎるんだと思うよー?」

「キャーゥ」


 そんな会話をしながら辿り着いたのは、端から中心までを直線で繋いだら、半分ぐらいの位置にある、ごちゃごちゃと似たような高さの建物が集まっている場所だ。

 現代のビル街が朽ちたような印象を受けるが、全てが石造りとなっている。一番外側以外にはろくに壁もない、ガランとした柱だけの構造だから余計ビルに見えるけど。

 そしてここまでくると、ようやくスコープごしなら聳え立つ柱が見えるようになった。……ただし問題は。


「……ここから見える柱の数は、2本だな」

「うわぁ。それって私達か、私達じゃないかって話だよねー?」

「そうなる。それでなおかつ、柱の太さが今までとは桁違いに太い」

「うん? どういう事?」

「…………ボス部屋が大きいって事だ」

「……。あっ」


 つまり、今までとは比較にならないサイズの相手がボスとして待ち構えてるって事だな。強大な敵がいる、って事で、余計に団結する事が簡単だったのかも知れない。


「え、くーちゃん。それってどっちの柱もすっごく大きいって事?」

「太さに変わりは無いように見えるな。今までは、人数次第で露骨に柱の大きさも変わってた感じがあるけど」

「うわぁ……それって何人集まっても難易度が変わらないぐらい厄介な相手って事の気がする……」

「奇遇だな。私も同意見だ」


 というかむしろ、ここで一旦は臨時でいいから大人数で動けるようにしとけって事なのかもしれない。その後異世界に行く手続きがどうなるのかは分からないが、行った先で協力し合わないとどうにもならない事もあるだろうし。

 ……とはいえ。


「経験が必要なのは分かるとしても、その相手にあれが混ざってるというのがな……」

「とうとうあれ扱いになったねくーちゃん」

「流石にそろそろ面倒になった。満華は「戸籍上の」ってつけなくても、何の上もないどころか有害でしかないのを分かってくれてるし」

「信頼が嬉しい! というか、あの話を聞けば誰でも同意してくれると思うけどなー?」

「あの家族が私に近づける事をよしとする人間しかいなかったからな……」

「あー、なるほどー」


 要は何を言われても取り合わず、自分達の味方で居てくれる人間って事だ。そんな相手としかまともな会話が無かったから、絶対に言質を取られないように、余所余所しさが目一杯伝わるように、必ず「戸籍上の」をつけて喋っていた。

 まぁ、無駄なあがきだった訳だが。その辺本当に周到だったからな。あの戸籍上の家族。もちろん学校もその調子だし、そもそもある事ない事、根も葉もない噂が蔓延してて、まともな人間は近寄ってこなくなってたし。

 ……うん。やっぱりどれだけ銃本体の威力が高くても絶対に気絶するだけの、模擬戦用のファンタジーに都合が良い弾とかないもんか。ないか。ないのか。せめて作り方だけでも分からないかな。


「まぁ、塔は見えた。進む方向は分かったから、何とかその周りにいるだろう他の申請者を掻い潜る方法を考えよう」

「そうだねー。実際に出来るかどうかは別の話だけどー」

「出来ればすり抜けて突破しておきたい。少なくとも、攻撃力の不足は考えなくていいだろうし」

「むしろくーちゃんとひーちゃんで攻撃力が足りないって、どんな相手だろうねー?」

「生命力が実質不死身レベルに高いか、特定の攻撃以外は通らないとかいう性質を持ってるか、どう頑張っても死なないか……かな。何にしろ遭遇したくないけど」

「どうかーん」


 昔のゲームみたいに、選ばれた勇者にしか使えない聖剣でのみ傷をつけることが出来る、とかいうのが出てきたらどうしようもない。逆に言えば、そういうの以外ならまず大丈夫な筈だ。

 ……そこに持って行くまでの、他の人間の方がずっと怖いし厄介なのが問題なんだけど。


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