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慎重さと情報不足の準備期間

 レベル9の後半ともなれば厄介な敵も増えてくるらしく、「存在感知」に反応してまとまった数が寄ってくることもあった。

 それにどうにか出来ないかと色々試行錯誤した結果が、「マルチハイディング」を「存在感知」に発動するというものだ。最初の頃は1人じゃんけんする程度の集中力が必要だったが、今になればなんとか、片手でペンを回すぐらいに同時発動できる。

 隠す相手が多いからか、レベルの伸びが悪くなっていた「マルチハイディング」が一気にレベルアップしたのは嬉しい誤算だ。身を隠す手段は多ければ多い程いいから。


「で、とりあえず近くにあった「安全地帯」は確認できたけど……ダメだな。「安全地帯」を狙って、人間の反応が集まって来てる」

「もしかするとー、初めての野宿かなー?」

「満華の持ってる空間に一時退避して休みつつ、隠密最優先で探索続行だな。どう頑張ったって手数では負けてるんだし」

「まぁそれぐらいしないと一方的にやられちゃうよねー」


 という事で、こちらを探しているのだろう相手に見つからない内に出来るだけこの階層を調べておかないと。あっちが先にこの階層へ到着している上に、ここまでで的確に「安全地帯」を探しに来ている事を考えると、どう考えてもこの階層における地の利はあちらにある。

 それを少しでも埋めておかないと、何かあった時に詰む可能性があるから。流石に相手の接触理由と考えている事からして、問答無用で手段を選ばず殺しには来ないだろうけど、それでも普通に罠ぐらいは仕掛けていてもおかしくないし。

 まぁでも、まっすぐ全ての「安全地帯」を探していったら移動速度がバレて待ち構えられるだろうから、その辺はちょっとひと工夫しないといけないけど。


「ところでくーちゃん」

「どうした、満華」

「何かすっごくぐにゃぐにゃ移動してるみたいだけど、もっと真っ直ぐ歩かないの?」

「移動速度を誤魔化したい」

「あー、それで時々戻ったりしてるんだねー」


 出来れば発見したところから徐々に相手の人数を削っていきたいんだけど、力加減して上手く無力化する手段が無いからな。絶対に気絶するだけになる、模擬戦とかで出てくる都合のいい弾があれば良かったんだけど。

 まぁない物を願ってもしょうがない。それにこの移動方法は移動速度を誤魔化す他に、少しでも広い範囲を「存在感知」で調べてマップを埋めるって目的もある。

 階層自体がかなり広くなっているから焼け石に水かもしれないが、調べておくに越したことは無いだろう。


「絶対にどこかでは捕まるだろうから、それまでに少しでも手札を増やしておきたいんだよね」

「ところで思ったんだけどさー。今のくーちゃんの探知範囲って、どのくらい広いんだろうね? 他の人と比べて」

「さぁ?」


 私の場合、メイン武器の射程がぶっ壊れてるからな……。どう頑張っても「存在感知」で探知するより、レベルアップした視力でスコープを覗き込んで撃った方が範囲は広いから、どこまで行っても足りない感覚しかない。

 それに周囲の様子が分かるっていうのは、その範囲が広ければ広い程いいものだ。逆に、その範囲を知られるのは死活問題。私はそもそも姿を現さなかったが、満華も分からないって事は、比較対象となる「他の人の探知範囲」は知らないって事だろう。


「近寄られたら一発アウトの可能性があるんだから、その範囲が広いに越したことはないよ」

「それはそうだねー。探知範囲と速度は大事だしー」


 ただ問題は、私の個人技能って事だな。まぁ私が自分の為に備えたスキルなんだから当たり前なんだけど。そういう意味で、もしあっちが私より範囲が狭い探知手段しか持っていなくても、手数で補えるって意味だと余裕は無い。

 ……何か気のせいか、若干満華からの視線が妙な気もするけど。何も言わないんなら、こっちからは聞かなくてもいいか。


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