新機能と探索対象の増加
無事満華とも合流できたので、さくさくレベル7を進んでいこう。流石にレベル6の時ほど最終階層が面倒な事にはなってないだろうが、それでも待ち構えている「誰か」がゼロだとは思えないし。
階段を登ったところで無事ひーちゃんとも再会できたので、オープンワールド化している階層を地道に進んでいく。地形としてはあまり変わりないが、これはたぶん、全体的にぐっと広くなっている感じがするな。
移動するルートは地上だ。「壊せる壁」を探すのは当然、増やせるようになった以上、少しでも野菜系のレパートリーは多い方がいい。
「くーちゃん! きのこあったよー!」
「茸はパスで」
「えー、なんでー?」
「茸は素人が手を出したらダメなやつだから。茸系の資格を持ってるならいいけど」
「流石にそこまでは勉強してなかったなー。残念」
その途中で満華が茸を見つけてたみたいだけど、あれはダメだ。たぶんこの場所の特性から言って、大体は大丈夫だろうけど……それでも、罠扱いで危険なものが混ざっている可能性はある。
もちろん「観察」でしっかり確認すれば「存在感知」でも見分けがつくようにはなると思う。けど、現状無理に茸を食べる必要はないし、他に集めたいものがたくさんあるから、茸までチェックしている余裕はあんまりない。
「あれ? でもくーちゃんって確か、詳しい事が分かるスキル持ってなかったっけ?」
「……」
「で、確か、一回詳しい事が分かるようになったら広い範囲で探せるって言ってなかったっけ?」
「…………」
「くーちゃん? ねぇねぇ。くーちゃーん?」
……何でそういう事だけはすっと出てくるのか。いや、そういう事だけじゃないな。大体の事はすっと出てくるな。頭の出来が良くてうらやましいよ。
確かに、正体不明の反応が少しでも減って、意識すれば逆ピックアップ、感知してもあんまり目立たないか、情報として意識に上らないように出来る対象になるなら、後で助かるのは私なんだけど。
「出てき始めの、割と安全なうちに情報は揃えておいた方がいいんじゃないかなーって思うんだよねー。安全なのが分かってればー、それとよく似た危険なのが混ざってもすぐ分かると思うしー。その辺くーちゃんはどう思うー?」
「……集めればいいんでしょ、集めれば」
「きのこは美味しいよー?」
普通に正論を並べられたところで、私が折れる事となった。茸を満華とひーちゃんが集めてきては私が「観察」で情報を引き出して、毒の有無を確認していく。
流石に出てきたばかりだからか、毒のある茸は無かった。……とはいえよく似ている別物、というのは紛れ込んでいたから、スキル無しだと大変な事になっていただろうけど。
どうやら何かしら蓄積するものがあるのか、同じものに何度も「観察」を発動していると、「存在感知」の方で分かる情報の精度も上がっていくみたいだ。この分だと間違いなく毒のある茸も混ざってくるだろうし、精度は高い方がいい。それは間違いない。
「くーちゃん! あっちにもいっぱいあったよー!」
「だからと言ってほとんど根こそぎ持ってきた挙句丸投げされると流石に探索が出来ないっていう話でね?」
「えっ。だってきのこ美味しいよー?」
「7割方美味しくないって書いてある毒にも薬にもならない奴なんだけど」
「じゃあ3割ぐらいは美味しいって事だねー」
「そういうのは自分で見分けられるようになってから言おうか。あと私は毒茸で死にかけたことがあるから基本的に茸は嫌い」
「えっ、そうだったの?」
あの戸籍上の家族がキノコ狩りに行って、適当に持って帰ってきたのを特に選別もせずに煮込んで毒見させられた。本当に死ぬかと思ったし実際死にかけた。戸籍上の家族が救急車を呼んだって時点でどれだけ危険だったか察して欲しい。
ちなみにその時は、茸を取ってきたのも選別をせず鍋にしたのも私のせいになった。私はその日、出かけるから帰ってくるまでに大掃除をやっとけと言われて、一歩も家から出てないんだけどなぁ。




