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とりあえずの反応と行動

 これは流石に準備が必要、という事で、しっかり「安全地帯」の、主に出入りに関する設定を念入りに見直して……壁に触れたら思ったより色々出てきたから、何かのレベルに比例して操作できる範囲が増えるんだろう……一旦休むことにした。もちろん満華にも、ひーちゃん込みで動かないようにと釘は刺しておいた。

 そして一晩(?)寝て、起きてまず満華とひーちゃんが「安全地帯」の中にいる事を確認。……ついでに、「安全地帯」の外を、結構な人数の誰か達がうろうろしているのも感知した。


「…………」

「あっ、くーちゃんおはよー!」

「ガーゥ」

「……おはよう」


 この異世界アイカ取得用ダンジョン、という場所に来た時と違い、私の寝覚めの悪さは元通りになっている。最初は1人だったから(逃げている間を除き)問題なかったが、満華と一緒に行動するようになってからは、よく叩き起こされていた。

 が。何をどうやったのか、満華は私の睡眠時間を割り出したらしい。おかげでと言うべきか、自然に目が覚めてから行動しても怒られなくなっているというか、準備や用意が整えられている。主に食事とか、荷物の整理とか。


「一番人が少なかった塔に行ってみるんだっけ? それとも遠くから大きい集団の様子見?」

「ギゥー」


 この反応的に、満華はともかくとしてひーちゃんも気付いてないな。まぁ「安全地帯」は壁に囲まれてるし、気のせいじゃなければ空間がずれているから、感知の方法によっては分からないか。


「予定変更。今日は休み」

「へ?」

「ギュ? ……ギャゥ」

「えっ、なんでー?」


 なので、部屋着姿、ズボンと上着だけを装備した状態で席について、まずそう口に出した。これで感知手段のない満華はともかく、ひーちゃんは気付いたようだ。一度耳がぴんと立ってから、納得したようにへちゃっと机の上に伏せたから。


「この「安全地帯」の周りに知らない人がいっぱいいる。だから外に出ない」

「えっ、囲まれてるの!?」

「まぁあっちは「安全地帯」に入れないみたいだし、入れたとしても位相がずれた別の「安全地帯」……並行世界の小さいのみたいな誰もいない部屋にいく筈だから、外にさえ出なければ鉢合わせはしない」

「そうなんだー。あ、昨日くーちゃんが壁に向かって何かしてたあれ?」

「そう。あれ」


 どうやってかは分からないが、たぶん「他の申請者限定」で場所が分かるスキルかアイテムがあるんだろう。そしていざ行ってみたら、そこにあるのはただの壁。でも反応はある。訳が分からないから様子見をしてるってとこだろうか。

 増えてた詳細設定から、念入りに他の人が入ってくる可能性は排除しておいた。「壊れた壁」の認識から、地図上では重なって見える他の人の「安全地帯」との接続、攻撃やスキルによる干渉も全部弾かれる筈だ。


「くーちゃんが言うなら大丈夫だろうけど、仲間を増やす事をおすすめしてるよね?」

「休みの日くらい1人になりたいとか、休んでる間のプライベートを保証して欲しいって人は多いと思う」

「なるほどー!」


 おすすめしてるのは誰かって言うと、異世界アイカを発行し、この異世界アイカ取得用ダンジョンを運営している誰かだな。ついでにあの都市伝説を実行した人を誘拐した主犯でもある。

 ……まぁ、元の世界の時間を止めるなんて無茶苦茶が出来る相手だから、誘拐とはちょっと違うのかも知れないけど。そもそも、こちらの感覚における犯罪には当てはまらないだろう。たぶん。


「外の人がどれぐらい粘るかは分からないけど、様子見も兼ねて丸1日は外に出ない。だから今日は休み。外に出ないのなら何してもいい」

「分かったー! ひーちゃん、水浴びしよっか!」

「ギャゥ!?」

「ダメー! 前から結構経ってるもん! ピッカピカにするよー!」

「キャウゥー……」

「こっちを見られても困る。私は自分が触る分には綺麗な方がいいし」


 私もここでしっかりと装備の整備と強化をしておこう。レベルをクリアしたら、その次のレベルの始まりが安全地帯になるし、今までも「安全地帯」で休むたびにある程度はやってたけど。特に防具はいくら強化してもいいんだし。


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