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攻略あるいは無理の開始

 例によって部屋の外からの一撃で済んだとはいえ、次の階層へ進んだ直後っていうのはボス戦の後だ。だからここまでは、道中の疲れもあるしという事で、休息をとる事にしていた。

 一応荷物整理の時間でもあるのだが、お宝部屋は開けた人によって中身が変わるようなので、相変わらず2部屋固定出現するボス部屋のお宝部屋は1つずつ分けている。つまり、整理するといってもとても簡単に済む。

 「採取スポット」に関しては、生産系のスキルを持っているのが私だけなので、私が全て貰っている。ただし火力的にはひーちゃんにも協力してもらっているので、その分鞍や服を作ったり強化して、後は晶石を渡している感じだ。


「とりあえず……塔が全部で何個あるのかと、その場所を特定するのがまず必須。他の人への接触は無し。出来れば地形も、特に塔の周辺や、人が長期間暮らすのに便利な場所は押さえておきたい」

「そうだねぇ。くーちゃんは最初から「安全地帯」を使えてたし、私はひーちゃんがいる場所があったけど、他の人もそうだとは限らないもんねー」

「流石に探知系はとってると思いたいけど、ちょっと自信なくなったからな……」

「? 何で私を見るのくーちゃん?」

「ギゥ……」

「ひーちゃんもどうしたの?」


 だから、この階層の攻略相談をして、すぐに行動する事にした。まずはこの階層に関する情報が無ければどうにもならない。

 あと、攻撃力も防御力も探知力も全部投げ捨てて支援能力をとった「申請者」がいると知ったから、あの「安全地帯」が必ず全員に利用できるものではなかったのかもしれない、とも思ったから、「安全地帯」以外の良さそうな環境も探してみる事にした。

 ……意外と探知能力、それも広範囲かつ無差別なものはとってないのかもしれない、と、思ったからなぁ。私としては、周囲の事を把握するのは絶対必要な能力じゃないか、と思うんだけど、それはやっぱり人によるだろうし。


「情報の精査は後回し。今はとにかく広範囲を移動して情報を集めて逃げる。という事だから、ひーちゃん頼んだ」

「ギャーウ!」

「私も支援頑張るよー!」


 私はいつも抱えている銃をアイテムボックスにしまい、ひーちゃんに合わせて作った鞍の上に座る。満華がその後ろに乗り込んで、鞍の縁ごと私を抱え込んだ。こうやって固定してもらう事で、私は「存在感知」の範囲を最大にすることに集中できる。

 移動ルートはひーちゃんにお任せする事になるが、けどまぁ対人関係、特に見知らぬ他人への警戒や戦闘に関しては、言っては悪いが満華よりずっと賢い。最近では他の人に反応する速度が私と同じになってきたので、その探知範囲も広がっている筈だ。


「逃げる場所は、とりあえずさっきの「安全地帯」でいいんだよね? 全部荷物持ってきたけど」

「とりあえずは、ね。もちろん他に気配を消しやすそうな「安全地帯」があったらそっちに変更する。あそこは、他の人と同じかどうかは分からないけど、入り口に近いから」

「そっか! 後から来た人と鉢合わせちゃっても大変だ!」

「ギャゥッ!」


 実際どうなのかは分からないけど、ストーカーしてきた人達は私が通ったのと同じ入り口だったからなぁ……。こちらをストーカーしている人がいないとは言い切れない以上、警戒しておくに越したことは無いだろう。

 ふうっ、と大きく息を吐いて、ゴーグルを下ろしてしっかり装着した。その上で目を閉じて、「存在感知」を発動。自分を中心としてたくさんのものの情報が分かる感覚に集中する。

 頭からかぶった毛布を、両腕を伸ばして大きく広げるような感覚と共に、分かる範囲が大きく広がる。それが広げられなくなるところまで押し込んでから目を開けて、実際の自分の手でひーちゃんの手綱を取った。


「重ねて言うけど、無理はしないように。満華も振り落とされないように。どれだけ情報不足でも、生きて撤退するのが最優先。いいね?」

「はーい! そういうくーちゃんこそ、鼻血が出るほど頑張りすぎるのはダメだからね!」

「ギャオゥ!」


 最終確認すると、以前「存在感知」の限界を確かめるのにちょっと無茶をした時の事を話に出されてしまった。絶対とは言えないから黙るしかない。レベルが上がったから、たぶん大丈夫だと思うけど。

 ともあれ。後は「存在感知」の展開範囲を最大で維持し続けるだけだ。握った手綱を、ぐっ、と引くと、ドン! と急加速がかかる。直後に翼が空気を打つ音がして、周囲の景色が一気に後ろへと流れていった。

 正直「存在感知」による情報が一気に増えるから、かなりキツい事はキツい。でもここで頑張っておけば、レベルアップの時に情報処理能力的なものが強化されてる感じがするから、頑張り損にはならない筈だ。


「くーちゃんほんとにだいじょうぶー?」

「大丈夫」


 それ以前の話として、情報収集は必要だ。無理をしなければ何かを取りこぼすタイミングってものがあるが、たぶん、今がそれだろうし。


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