順調な歩みと解決できない問題
ポイントを使い切ると階段が出てくるのは変わらないらしく、部屋にあった松明の仕様も変わらなかった。本格的に同じ部屋のようだ。頭はちょっと混乱するけど。
どうやら上がった難易度はリセットに伴って最初に戻ったらしく、ゴブリンは出てこなかった。……メカ? うん。なんというか。こう。吹っ飛んだ、としか言いようがない、かな……。
あぁ、それと、手に入れた「消耗品作成」だけど、これはこれで道具が必要なようだった。……味の付いた食事はもうしばらくお預けのようだ。
「で、特に何事もなく10階までクリアした、のはいいとして」
途中で宝部屋を見つけたから弾数に不安は無いし、「採取ポイント」からの素材も火力が上がった分だけたっぷりだ。で、何か問題があるかと言えば……レベルアップした気がしない。
まぁ難易度というか、敵の強さも元に戻ってるから当たり前なんだけど。オーバーキルが極まってる、というのを再確認する事になったよ。割と真剣に「アイテムドロップ」のありがたみを認識しなおしてる。残骸もほとんど残らないから、もしこれが無ければ弾の補充もままならなかったかも知れない。
……いやまぁ、宝部屋はどうやらボス部屋に固定であるみたいだから、弾切れはまず考えなくていいだろうけど。それでもこう、敵を倒すたびに減っていく弾、っていうのは、とても精神的につらい。
「銃はそういう武器なんだけど。……なんだけど」
もしかしたら、思った以上に銃っていう武器は向いてなかったかも知れない……と、ちょっと思ったが、じゃあ何ならいいんだと言われるとそれはそれで困るしなぁ。弾の管理と補給さえちゃんと出来れば、たぶんこれ以上の武器って無いだろうし。
ボスドロップは、1回は大きな木箱で弾が詰め込まれていて、1回は挑戦し始めて初めてとなる宝箱だった。すごいな。アイテムボックスの中に「宝箱」ってドシンプルな文字を見つけて、思わず目をこすって二度見したよ。
中身は……特殊な弾丸の詰め合わせと、その説明書だった。榴弾が手に入ったのは良かった。……ただ、その着弾したところで爆発する、っていうものの種類が多かっただけで。
「……爆発したら凍るとか、ファンタジーな」
後は装備だった。ほとんどが被りだったしつけ方が分からないものもあったから、更新は無しだ。
で。11階層目に到着した、って事は、前と一緒なら他の人と遭遇する可能性があるって事だ。戸籍上の妹はまだしばらく遭遇しない筈だが、それ以外の人はいるだろうし。……同じく、「レベル2」の申請者、というのが。
後は、その誰か達と同行するかって話だ。ただ。
「あんまり……メリットが無い気がするからなぁ……」
主に私の側の。だって1人でも探索できてるし。
逆に周りから見れば……この超火力と長射程は魅力、だろうなぁ。それこそ、このでっかい銃を奪い取ってでも……って人は出てくると思う。
かといって、加減が出来る火力じゃない。ミンチになれば上出来……いや、レベルアップで身体能力が上がってたら耐えられるかも? ……それでも無理があるな。たぶん。
と、なると。
「先行感知、からの、逃げ切り……。……やる事が変わってない」
まぁ最適解っていうのはそんなもんだ。たぶん。それに感知範囲っていうのは広いに越したことはないんだし。もしかしたら、もうちょっとレベルが上がれば「壊せる壁」が遠くから分かったりするかも知れないし。
レベルアップの為に経験値を稼ぐことも大事だけど、そもそも目的はレベル10まであるこの、異世界アイカ用とかいうダンジョンって場所を踏破して、クリアして……。
「……あれ、クリアしたらどうなるんだろう」
……たぶん元の場所には戻れるだろうから、戻りたくはないけど、戻るしかない以上は、そこを目標にするしかない。
それにしても、異世界アイカ、か。……本当に異世界に行ってしまえればいいんだけどな。大体はあの、戸籍上の家族たちのせいで、元の世界に碌な繋がりは残っていないから。




