強化模様とその結果と若干の疑問
ファンタジーってすごいな。
「何で同じ大きさで同じ重さの部品が、重さも大きさも変わらず1つになるんだ……?」
作業台の端に出てくる手順に従ってでっかい銃を部品ごとに分け、形と名前が同じ部品を集め、ここで出てきた「合成機」という謎の単語に作業台となっている大きな鞄風の道具セットを探す事しばらく。どうやら大きめのホットサンドメーカーのようなものがそうらしい、と作業台の下から引っ張り出すことに成功した。
これはどうやら2つ同じ部品を入れて閉じる事で使うらしい、というのをしばらく試行錯誤してから、元々銃についていた部品と、アイテムボックスが素材から自動で作った部品を入れて閉じた。
……で、しばらく待ってから開いたら、部品が1つになっていた。うん? 訳が分からない。
「アイテムボックスに入れて情報を見たら、なんかついてるし」
名前が「M-NTW-20のバレル+1」になっていた。……ゲームで言うところの強化値ってやつだろうか。部品ごとに強化できるとか、細かいな。
しかし訳が分からなくても、これで強化が出来るというならやらない理由はない。という事で、しばらくの間ホットサンドメーカー、違った。「合成機」の開け閉めを繰り返す。
手に入れた素材の数が数だったからか、勝手にできていた部品の数がすごい事になっている。まぁ強化限界的なものに突き当たったら警告なり注意なりが来るだろう、と、これはこれで肩を痛めてしまいそうなくらいに作業して、気が付いたら丸1日が経過して、
「全部突っ込めた……」
驚いたことに、アイテムボックスから出したら結構大きな山になっていた筈の強化用部品は、1つも残らなかった。え? そんなことある?
改めて元の形に戻ったでっかい銃をアイテムボックスに入れてみると、名前が「M-NTW-20 +32」に変わっていた。……きっちり全部の部品が同じ数だった訳じゃないが、たぶん部品ごとの強化値の平均なんじゃないだろうか。
しかしあれだけの強化用部品が全部使えるとは思わなかった。こういうのって、10個とかそこらで限界が来るもんなんじゃないの? もしくは強化が必ず成功する訳じゃないとか。
「いや、成功して強化されたのはいい事なんだけど。……強化としてはまだまだ序の口って事かも知れないし」
威力はちゃんと上がったと思う。精度も……たぶん上がったんじゃないかな。最初と比べるとちょっと重くなった気もするけど、変化を実感するほどじゃないな。レベルアップの恩恵か。
一応三脚を出して乗せてみたが、三脚がつぶれるとかいう事も無かった。さて、後は。
「反動がどうなってるか、だなぁ……。部品の中には、反動を軽減する、って書いてあったやつもあったけど……」
実際に効果が出るかどうかは別の話だ。それに反動が軽減されているより、威力を上げたりした事で反動が上がっていれば、相殺しきれずに結果として反動が強くなっている、という事もありうる。
とはいえ、流石に「安全地帯」の中で試し撃ちをする訳にはいかない。というか、思ったよりずっと時間を取られたから、そろそろ眠い。
集中が切れたのか、一気に疲れが押し寄せる。押し寄せるというか、ようやく気付いたというか。まぁ、食べ物と飲み物は余分に残しているし、臨時で休みにしてもいいだろう。
「ただ、今度からは出来るだけこまめに強化しよう……」
もしかしたら「機構整備」のスキルを手に入れたから、部品を作るところからやらないといけないかもしれないけど。
……いや、それはやらなくていいか。あのスキルを手に入れてからも「採取ポイント」は見つけてたし、見つけたら素材を採取してたし。その上で、今アイテムボックスには鉱物系の素材が1つも残ってない。って事は、アイテムボックスが部品に変えたって事だ。
整備、という名前だけあって、作る訳ではないって事、なのかもしれない。まぁとにかく、今日はもうお風呂に入って着替えて休もう。




