第0話 ゴーレムのいる地底国
個人的には、堅苦しいけど面白い!!!
細かい設定とかは無視して読んでくれてもいいです~いぇい!
俺と結婚するかい????
遥かな未来。
人類がかつて暮らしていたとされる地上。
その地上より、下へ下へと下っていくと、たどり着く地下の世界にて。
オラスタ歴3055年。
とある、地下空間、地底世界、地底国において。
怪しい、妖しい、ゆらゆらとゆれる、壁掛けの松明が、暖かな明かりをぼんやり灯す、薄暗い場所。
【区画Y-管理区画】にて。
小さな、30cmほどの、ピンクの石像が、舞い続ける土煙りの中、静かに告げる。
「君の『願い』はなんだい?」
そのピンクの石像のそばには、一人の少年がいた。
おそらく、ピンクの石像は、この少年に話しかけていたのだろう。
少年は名をクロク。
ゴーグルとマスクが特徴的な、この区画Yの住人だ。
そして、この場にはもう一人、青い髪の少女がいた。
彼女はマスクをつけていない。
だからだろうか? 彼女はとても弱っているのだった。
「クロク、さあ、どうするんだい?」
ピンクの石像は、問いかけに応えないゴーグルとマスクの少年に向かい、再び声をかけた。
「…………」
すると、しばらくの沈黙の後、クロク少年は、応えを返すのだった。
「俺の願いは……」
「ふむ、何かな?」
………風が、土煙がピンクの石像と少年の間を流れる。
そして、クロク少年は、もったえつけて、堂々と、応えるのだった。
「俺の願いは、この国の腐ったシステムを壊すことだ!!」
そのクロク少年の目には、悔しそうな、自分を責めるような、複雑な感情に満ちた涙が浮かんでいた。
「……さて、君は何時までその『願い』が、変わらずにいられるかな?」
ピンクの石像は、その応えを聞くと、ニヤリと笑い、そして、何処から出したのか、赤黒い物体を取り出し少年の足元へと投げると、少年に続けざま告げるのだった。
「さあ、はやくそれを食いなよ。そして、『石像』になりなさいな」
石像、とはなんなのか?
ともかく、投げられた物体を静かに見つめると、クロク少年は一言言葉を返した。
「俺の心は石像のようだ! 俺の願いは、決して揺るがない!!」
頬へと流れる涙の塩味を、味覚のないはずの皮膚で感じると、クロク少年はその赤黒い物体『魔神の心臓』を、荒々しく手に取る……。
そして、弱々しく横たわる青い髪の少女に背を向け、その心臓を口に方張るのだ。
オラスタ歴3055年。
ゴーレムと願いの塔が、人の心を支配する時代。
一人の少年は、前へと進む。