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地獄へようこそ!  作者: 肉月
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第1章 6話 いざ!ゴブリン討伐

貿易都市パレモルから南東に5里程離れた扇状地帯にある村、イモラ村が今回の依頼先となる。



パーっと飛んで行きたいがニールも居るしなぁ。

諦めて歩こうしたらニールが街を出るなり走りし出してしまった。。

しょうがない奴じゃのう。

走るのはタルいので魔法使おう。

しばらく進むと街へと続く川沿いの道に付いた。



「いいなそれ。楽そうで」


「ふふん。いいじゃろ旅の知恵じゃよ。お主は魔法が苦手なようじゃから、自分の足で歩くがよい」


「なんで俺、魔法が使えないんだろうな?」


「使えないといことはないと思うがの?たまに全く使えないという者もおるそうじゃが、そういう者は身体が弱いと聞く。お主には当てはまらんな」


「身体が弱い?病のことか?聞いたことしかないな」


「じゃろうな」

バカだから。とか言ったら怒るんじゃろうな黙っておこう


「そういった者は魂源が魔素を産み出しておらんのじゃろ。産み出しておらんから使えんし、産み出しておらんから耐性がない。まわりにある魔素が体を蝕んでるんじゃろうな」


「他に原因はないのか?ここにまでにそれなりに人を見たけど、魔法使ってる連中は一部だったぞ」


「こればかりは才能があるからの、今儂が使ってる魔法は比較的簡単な風魔法で靴裏に圧縮した空気を作って一定の方向に回転させておる。じゃが才能がない者からすると歩いた方がよほど楽ということじゃ」


「つまり俺には才能がないと」


「お主の魔素は引っ込み思案なんじゃろ~」


目を細めて眉を八の字、顎を出して睨んでくるが、投げっぱなしで回収しないのは大得意なので華麗にスルーした。


「おっそろそろじゃな。」


魔法を解除し地面に着地する。魔法を生活に常用する者はそれなりにいるが、簡易な魔法でも長時間連続で使用し続けられる者は少ない。魔素を多く消費し消耗するからだ。ヴァンパイアの中で最上位であるレナと人間の魔素量では大きな開きがる。まあ要は地面を滑って表れたら目立つのだ。


「お主もここからは歩くぞ。」


「もう着いたのか?」


「そこで川が合流しておる。もうそろそろ見えてくるはずじゃ」


案の定1里も歩かぬうちに大きな果樹園と放牧場が見え始めた。

奥の小さい丘の上には民家がちらほら見えている。村の手前は草原地帯で障害物も少なく見晴らしがいい。山の麓にあたる扇状地に作られた村で、村奥には山々が連なり、谷から話おだやかな風が頬を撫でた。物は無いかもしれないがいい所のようだ。


村に到着すると、穏やかな景観に似つかわしくない、木を削り加工したのだろう、簡易な木の柵が作られている。今回の依頼内容であるゴブリン対策だろう。

村人に声を掛け、組合から来たことを伝えると、すぐに代表者である村長と面会することができた。


「この度は我らがイモラまでようこそお越しくださいました」


「いえ。のどかで美しい景観ですね。」

ニールに任せると話の途中で「わかりました!行ってきます!」とか言い出しそうなので儂に任せろと伝えておいた。


「ええこの村の自慢でして、景色がいいからか村の皆も穏やかで、豊かとまではいきませんが悪さをする者をおらず平和なもんだったですが…」


「ゴブリンですね」


「はい。これまでは山の主様がおられたのですが、場所を移してしまわれたようで、ゴブリンが他所からやってきたようなんです」


「主ですか?」


「羽の生えた大蛇です。昼間に現れることはまれで、人里を襲うわけでもありません。夜に獣や魔物喰らっておるようで、夜に山に入らなければほとんど無害だったんですが…」


「いなくなってしまったと」


「はい。冬が明けてからずいぶん多くの獣を目にするようになりまして、おかげで狩りをしても今年は大量だったんです。長く村を守って頂けてたんですが、移ってしまわれたのでしょう。」


「依頼書によると村にゴブリンが現れ、家畜を連れ去ったりしているとのことですが、住民にはまだ被害が出ていないということでしょうか?」


村長は目を伏せて手で顔を覆い、ゆっくりと首を振る

「…いいえ。とうとう昨晩被害が出てしまいました。夜明け前に家へ押し入られ一人は重傷、一人は連れ去らわれました。入り込んだうち1匹は仕留めましたが攫われた者を引きずっていった3匹以外にもまだ4、5匹はいるようでした。駆け付けた者が追いかけようとしたのですが茂みから石槍を投げつけられました」


どうやら依頼のあったタイミングより状況が悪化しているようだ、通常ゴブリンは村に入って来ても家畜を襲うぐらいで家に押し入ったりしない。ゴブリンは人よりも小さく、成人した人間よりも弱い魔物の為そんなリスクは侵すことは少ないからだ。それでも襲ってきたということは襲えるだけの数がいるということ。村長の話では7、8匹とのことだが20は越えているだろう。さらには上位種のゴブリンであるホブゴブリンやゴブリンシャーマンが居る可能性がある。


クエスト内容は村に現れるゴブリンの撃退と住処への攻撃。全滅させないまでも撃退し、他所に移させることだったが、今聞いた話だと住処の特定と強襲。攫われた人がいるなら存命の限り救出が最低条件で、悪化する前であれば追い散らす事も可能だったが、住処への突入・救出となると全滅させるしかない。周辺の調査も必要だろう。

おそらく最低ランクの銅証ではなく鉄証以上のランク付けになるだろう。

一応この場合クエストを続しても構わないが、組合に帰還し報告を行ってもよい。金も一部なら貰えるだろうし、依頼料の再検討となるだろう。


さてどうするかとレナは顔を上げるとニールの顔はやる気満々だった。

不謹慎にも少しクスッと笑ってしまう。


関係ない。


私達には銅とか鉄とか些末なことだ



ここまで御覧いただきありがとうございます。

今回からゴブリン退治に出かけます!

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