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手記  作者: くらげ
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職業に貴賤は無いけど、需要と供給はある。

 私は現在、大学に通っている。躓くことが結構あったのだが、自主退学や休学はせずに強かに過ごしている。両親や友人に支えられながら、卒業研究も終えることが出来た。本当に感謝しかない。


 大学・専門学校の新設が加速しているというニュースを耳にした。特に多いのが医療系。看護師、理学・作業療法士、放射線技師など、医者ではない医療スタッフを育成するための学校が次々と認可を得ている。僻地の病院では医療スタッフの不足が深刻化しており、私の聞いたところでは、理学療法士が1名、作業療法士が1名もいない公立病院もあるという。このような問題を解消するために、医療スタッフを増やすというのは急務ではあると思う。


 現状では医療スタッフは大いに求められている。私の考えでは、需要と供給の関係が成立していると思っている。都市部に医療スタッフが集中しているという問題はあるが。


 そして先日、某テレビ局で声優総選挙なるものが行われていた。その中で声優の専門学校に取材するコーナーがあり、興味深く見ることが出来た。私はアニメは見ないが、映画やラジオで時折流れているボイスドラマ、そしてTV・スマホゲームにはよく触れるので、誰が有名な人なのか、最近プッシュされているのは誰なのか程度はわかる。


 専門学校生という限られた時間で声優になるためには多大な苦労を要するし、そもそも声というのは顔と違って根本的に変えることは不可能に近い。まさに生まれながらに与えられたもので勝負しなければならない。目指している人には頑張ってほしいものだが、ただなるだけではなく有名になると考えると、それはとても狭き門になる。養成所に入り、オーディションを受け……。考えただけでも途方もない道のりである。


 私は、声優というのは現在では供給過多なのではないかと思っている。表舞台に出る人たちが限られているにも関わらず、なりたい人たちが多すぎる。中には俳優志望の人が声優に転向するというケースもあるので、ますます声優専門でやっていこうとする人たちにとっては厳しいものになっていると思う。


 最悪なケースとしては、声優になることも出来ず、専門学校に通った「だけ」で終わってしまうことだ。どの業界にも付きまとうリスクではあると思うのだが、こういったサブカル関連の仕事に就こうとする人たちには特にきついものがある。理由としては世間の風向きが未だに厳しいことにある。先ほど挙げた医療系の職種は老若男女に知名度がそれなりにあり、医者になるために浪人する人もざらにいる。だから多少の躓きでも大目に見てもらえる印象がある。しかしサブカル関連の仕事は一部の人たちにしか知名度がなく、インターネットの評判も悪い。自分が見た中で抜粋すると、「声優の学校に行くなんて金をどぶに捨てるようなもの」「漫画の専門学校なんて行って何するんだよ」など。声優のことに詳しい人たちでさえこのような無慈悲なことをいうのだ。そのような分野に進もうとする人たちにはそれなりの覚悟を持って臨んでほしいものである。


 長くなったが、私は声優を貶しているわけではない。職種に貴賤はないと思っている。夢を持つのはいいことだ。リスクを恐れず頑張る姿勢は自分にはない物なので羨ましささえ感じる。このようなハングリー精神を持ち、夢に突き進んでほしいと思っている。



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