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Tokyo Adaptor  作者: 四篠 春斗
配属編
1/63

『序章』

深夜の荒れた森林の中、その巨体で荒れ狂う一対の化物。

長い身体をくねらせ、木々を薙ぎ倒しながら舌を伸ばすその化物は、大都市を囲う巨大な塀の上に立つ、一人の少女をターゲットと定めていた。

鮮やかな黒髪を風に靡かせ、月光を浴びるその少女は、同じように風に靡くロングコートの懐から、一丁の拳銃を取り出した。だが、普通の拳銃とは大違いの性能を持つ拳銃だ。


「〈シムナ〉起動」


少女がそう唱えると、彼女の持つ拳銃に赤く光るラインが現れ、閉じていた銃口が開く。


【ユーザー音声認証。篠宮御園(しのみやみその)の音声データと一致、篠宮御園を確認しました。〈シムナ〉起動完了】


拳銃を握る本人にしか聴こえない起動時音声が、少女・篠宮御園の鼓膜を震わせる。


【〈シムナ〉-『フォトンバレットモード』スタンバイ】


御園は、蛇のような怪物に銃口を向けると、人差し指でトリガーを引く。

銃口から発砲された光の弾丸は、怪物の舌を直撃、その舌を黒く焦がした。

怪物は奇声を上げ、目を充血させながら御園へと迫る。

怪物は塀の上に立つ御園に、焦げた舌の鞭を繰り出す。直撃すれば吹っ飛ばされる程の勢いだ。

だが、御園は恐れもせずにそれを避けると、再び銃口を怪物に向けて、拳銃〈シムナ〉に変形を命じた。


「〈シムナ〉-『フォトンシェルモード』」


命じられた〈シムナ〉は、銃口をさらに広げ、銃を握る御園の手が銃を離さないよう、御園の手を包むように変形する。


【〈シムナ〉-『フォトンシェルモード』。異常患者(グローバー)の完全排除を実行します。周囲の安全を確認してください】


拳銃〈シムナ〉の中で光の爆発弾が生成され、その爆発弾が帯びた光が銃口から漏れ出している。

御園は怪物に向けて、トリガーを引いた。


【発射します。爆発にご注意ください】


音声と共に〈シムナ〉から飛び出した光の爆発弾は、怪物の腹部にめり込み、怪物の体内へと消える。そして、


轟音と閃光を撒き散らし、怪物は身体を爆裂させ、跡形もなく姿を消した。


「任務、完了。〈シムナ〉-格納(オフ)


御園は一息吐いて、〈シムナ〉の電源を落とし、拳銃を懐にしまう。

御園は怪物のいた場所に目もくれず、大都市・東京の市街地の方を向き、塀から飛び降りた。




To be continued......

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