オレンジとブルー
雨音を聞きに来たんだ
この場所に
雨が葉を揺らして
サワサワサワ
池に降って
ポチャポチャポチャ
カエルにあたって
ポテッポテッポテッ
そして地面に落ちて
ポツポツポツ
雨水が川を作り
サラサラサラ
万物と空が
奏でる音
こういう場所が落ち着くんだ
開かない窓を持ったビルで
過ごすことが多いから
風が葉を揺らし
鳥を運び
樹々をすり抜け
大地をなぞり
髪を撫でて
万物が呼吸する香りを運んでくる
息が吸える
身体の隅々まで行き渡らせよう
コントロールされた空調の中で
過ごすことが多いから
ときどき忘れてしまうんだ
生きてることを
目を閉じて
生きるリズムを
思い出す
忘れていた何かを
思い出したいんだ
空で
オレンジとブルーが混じり合ってるよ
何かがわかった気がしたんだ
君と出会えた理由なんかも
手を繋ぎ合える気がするよ
オレンジとブルーみたいに
違和感なく とても自然に
包み込み合って
溶け合って
調和して
オレンジとブルーの空の景色は
暮れゆく 日の終わりの
もしくは
明けゆく 日の始まりの
移ろいゆく一瞬の出来事かもしれないけれど
広大な時の流れの中で生きていない私たちには
十分に確かなものなんだ
手をつなごう
オレンジのままで
ブルーのままで
それは見事に
世界と調和すると思うんだ