最初と終わりの四文字
最初は『好きです』から始まり終わりは決まって漢字を含め『別れよう』で終わる。僕は、この終わり方だった。最初は幸せだった。あの人と話していることが、僕にとっての大事な出来事に過ぎず、毎日欠かさず話していた。そして、報告していた。
報告というも、毎日その日にあったことをLINEの個チャに書き込むというなんともシンプルなものだった。それを僕は毎日欠かさずしていた。
毎日、報告していて、たまに既読がついて・・・・・・。たまにしか既読がつかないのはわかっていた。それほど忙しいんだって、そう思いながら毎日報告していた。
『今日は検定があった。受かるといいな』
『今日は踊ってみたの練習を友達みんなでやってたんだ!結構楽しいよ?』
なんて、返りもしないLINEの個チャに送り続けた。でも、たまに返ってくる返事に僕は心を躍らせながら返事に答える。
そして、その返事はある日を堺にパッタリと止んだ。親に言われたらしい。LINEを弄るのをやめなさい、と。僕は友達からそのことを伝えられて、そこから殆ど欠かさず報告していた。
『いつか、返ってくるんだ。僕の思いが、届くことがあるんだ!だから、僕は待つよ。ずっと・・・・・・』
それが、終わりの四文字に繋がることを知らないで。僕はずっと待った。
そして、付き合ってから50日目を迎えた夜、突然あの人から個チャに『久しぶり〜...』と、きたのだ。僕はびっくりして、スマホを床に落とした。慌てて拾い上げ、返事を返した。そして、他愛もない話で盛り上がり、僕が寝る時間に入った時。僕が、おやすみーって言ってLINEをやめようかって思っていたとき。大事な話があると言われ、そのままLINEを開いたままにしといた。
そして、突然言われたんだ。
別れようって。
僕は見間違えたんだって、なにかの間違いなんだって、そう思って泣いた。でも、それは本当だった。事実だった。
即座にいつも恋愛相談を受けてもらっていた友達にその話をすると、そっか。と、まるで分かっていたような素振りを見せていた。
『わかってるんなら、教えてくれたっていいじゃないか!なんであの人は僕に別れを告げなきゃならなかったんだ!・・・・・・どうして・・・・・・っ』
泣きながら、震えながら、僕は友達の個チャに言葉を送った。返ってきたのは、
『喧嘩してもいいから、話をつけてこい。結果だけ、教えて』
それだけだった。腹が立った。なんで、僕に教えてくれなかったんだって。 そこから僕はあの人と話しをしてきた。
その内容は、僕の心が傷つくことだった。この場では言えない。酷く辛いものだった。
ただ、一つ、この場で言おう。
『友達に、戻れることはできる?』
そう言った。僕は答えた。
『当たり前だよ?』
嘘をついた。本当はもっと一緒にいたかった。もっと、恋人らしいことをしたかった。だけど、それは無理に終わった。僕は崩れた。心身共に、一気に疲れが襲ってきた感じがしてならなかった。
だから、あの人がいいと思ったことに従おうって思ったんだ。その方が、あの人にとっても、僕にとってもいいことなんだって。勘違いしていたようだ。
これにはまだ続きがある。
あの人は僕を嫌いになった訳ではない。僕も同じだ。それだけは、わかっている。だけど、こんな結末になるなんて思っても見ないし、突然過ぎたから、別れようと言われたあの日から2日後、未だに心の整理が追いつくことはない。
いつか、戻ることを信じるしかないのかもしれない。その時は、どんな感じになっているのだろうな・・・・・・。
・・・・・・・・・・fin...。
代筆、龍ケ崎檸檬。