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ゴールの始まり

鳥がさえずる。

女もさえずる。

「えへへ、クロハちゃんのお菓子美味しいよ」

あれだけむすッとしていたクロハだったが、天才的嗅覚で菓子を嗅ぎつけたシュエに自分の焼いた菓子を褒められて上機嫌だ。

「シュエちゃんは、甘いものが好きなの?」

「うん!」

しかし、シュエは子供っぽいな。

うーん、なんというか、妹ができたような気分になる。それは多分クロハも同じなんだろう。それからというもの、シュエとずっと楽しそうにしている。歳は同じくらいのはずなんだけどな。

「セートも食べる?」

「要らねえよ。あんまり食べてばっかだと太るぞ」

菓子を差し出したシュエを軽くあしらうと、気に食わないのか、

「太らないよーだ。セートとは違うもんねー」

と言って俺の前に出て歩き出した。

それを見て、俺とクロハは顔を見合わせてクスリと笑った。


「お、見えて来たな」

出立から3日、ようやく深い山々に囲まれたV字渓谷の谷にこじんまりと作られた村が見えた。

「おー。帰ってきたー」

シュエも心持ち嬉しそうだ。

これで、このお荷物とお荷物お嬢様ともお別れか。

さみしい気がしなくもないが、出会いがあれば別れもあるのが世の常。

仕方が無い。

何故か無言になった一行が歩くこと十数分。

「あれ、シュエか?」

新しい声が後ろから発せられた。

この旅路、簡単には終わらないようで。

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