王都再建!!復興はこれからだ
10日ほどで王都を再建して見せた私たち。
予定通り各家や王城内の内装はしていませんが。これは、それぞれの主になる人たちが、それぞれの趣味に合わせてやってもらいたい。
新たに誕生した王都は、瓦礫になる前の王都とはその外観が全く違っている。
中心に聳える王城の縄張りというか外壁は、200m四方の正方形を2つ重ねた八芒星と言えばいいのだろうか、そんな形をしている。八芒星の外壁の中には、それぞれの頂点に尖塔が聳え外からの護りを担っている。中心付近には、5階建ての王宮があり、それを囲むように用途に応じた建物が5つ建てられている。この八芒星の区画が主郭と呼ばれる王城の中心部だ。
主郭の外には、外壁に沿って幅50mの内濠を設け、東西南北に4つの橋が架かっている。
この橋からは、東西南北に幅100mの大通りを作り、王都の端まで一直線の道となっている。
内濠の外側には500m四方の区画を持つ官庁街だ。ここには、騎士団の本部や裁判所・行政府などが置かれ、また、この国の各職業系ギルドの総本部が置かれる予定だ。
この官庁街が内郭となる。
内郭の外側には、幅50mの外濠を造り、東西南北の大通りに4つの橋が架かっている。内郭へは、この4つの橋しか出入りすることができない。
内郭の外側は、各内郭の城門から伸びる東西南北の大通りを中心線に、左右対称に区画していく。各区画は、100m四方のブロック、30m幅の運河と、運河を挟む10m幅の大り、100m四方のブロック
50m幅の大通り・・・という風に3ブロック先まで配置していく。
外濠から3ブロック先までを貴族街として整備し、貴族街を囲むように50m幅の運河を挟むように25m幅の通りを造った。水をたたえている内濠と外濠は、運河によって、最も外側にある『総構え』まで続いている。
次は、貴族街の外側の住民街だ。
貴族街を囲む運河沿いには、商業区画と職人区画を配置する。ここからは、運河と十利で区画された町が、整然と並び、『総構え』にあたる十六芒星の形をした外壁まで至っている。外壁の外側は、二重の円を描いたような濠の役割をした運河があり、運河の間は1㎞幅の農地と牧場が広がっている。
南側は、『総構え』に隣接した港湾地区にあたるため、大型船も接岸できる巨大な港を配置し、運河によって王城まで荷物を運搬できるようにした。
また、水門の近くには、巨大な軍港も整備してある。今回の戦争で、私が王国側に引き渡した数々の軍船の母港として機能する。
王城から、一番外側の運河までは、直径大体30㎞くらいの距離がある。
今までの王都は、人口が増えるたびに外側へと拡張してきた結果、街の中に城壁と城門、濠があった。しかし、再建された王都には、濠の代わりを果たす運河は存在しているが、貴族街などを区画していた城壁は一切ない。
これは、広大な敷地を持つ街の交通システムの構築のための施策でもある。『総構え』の内側だけでも端から端まで20㎞くらいあるのだ。街を横断するだけで1日仕事になってしまう。そのため、街中の交通を、運河を使った船便と、通りを使った路面電車もどきにすることにした。路面電車は、4系統の環状運転系統と、放射状に各城門を結ぶ16系統を造った。貴族街には路面電車は乗り入れていない。庶民の移動の足として造ったためだ。
地方都市とを結ぶ長距離バスの発着場は、総構えに設けてある16か所の城門前となっている。
もう1つ大事な話をするとすれば、この王都の形状だ。王都は、濠と運河、各通りを利用して区画化されているわけだが、王都自体が、1つの魔方陣となるように
設計されたいる。起動するための魔力は、王城の八芒星の頂点に聳える尖塔と、総構えの十六芒星の頂点に聳える尖塔に蓄えることになっている。供給源は、自然界の漂う魔力を集める仕組みになっている。
そして、起動される魔方陣は、永続的に発動していく防御結界だ。それも、私が王都決戦で使用した最も威力が高い奴だ。王都内に入るには、平時ならば開け放たれている城門と、港湾地区へと入る水門からだ。この門と閉じてしまえば、再び何処かの城門ないし水門を全開しない限り、何人たりとも王都内には侵入することができなくなる。
そのため、家屋敷の形状は変更しても構わないが、通りや運河の位置は変更するなと、国王様や重鎮たちには厳命してある。
王と住民による内覧会?を経て、何処に引っ越すのかを決めてもらい、今日晴れて大移動の日がやってきた。1年近く過ごしてきた避難施設から、新たな王都の各自宅へと、荷物が次々と運ばれていく。荷物の運搬には、それぞれの家庭に1枚ずつ配られた、アイテムボックスの能力が付加された袋が使われている。と言っても、無限に収納できるものではなく、『100種類のモノを合計重量100㎏まで』という制限があり、袋の重さが1㎏以下になるのだ。また住民たちには教えていないことだが、この『100種類のモノ』と言うのが曲者だ。例えば、衣服を満載した箪笥は、それで1つのアイテムとなる。このことに気づくかどうかで、新居との往復時間がだいぶん短縮するはずだ。『合計重量100㎏まで』を超えないが義理は、100種類のアイテムを入れることができるからね。
それでも住民たちには、嬉しい贈り物だろう。なんせ重たい荷物を運ばなくてもいいのだから。
この避難施設を再び使用しないことを祈るばかりだが、これだけはどうしようもない。
そして、新たな王都で、新たな生活が始まった。
まず初めにしなければいけないのは、荒廃した国土の再建だ。これは、施政者たちの仕事ではあるが、私のパーティも少しお手伝いをしている。手伝っている内容は、街道と運河の整備だ。王国内の主要都市を結ぶ街道と運河は、完成が早ければそれだけ物流が活発化し、国土の再建も早く終わる。そのため、腐るほどある魔力にモノを言わせた突貫工事で、王都周辺から始まった工事がモノの数か月で国土の端まで行きついてしまった。
後は、国王様たちに任せておけばいい。
国土を縦横無尽に走る街道と運河によって国内の物流が活発化していき、山岳地帯からは様々な鉱物資源が、各地に散らばる農業地帯からは各種農産物が、王都などの一大消費地へと運ばれていく。また、戦争で荒廃してしまった農地も、運河から引き入れた豊富な水で、瞬く間に復活していき、来年には育てた作物が収穫できるだろう。こちらについては、ミヤビが一肌脱いでいたが。
魔王軍の侵略から5年後。
見事に侵略前どころかそれ以上の復興を遂げたバーランチア王国は、周辺諸国の肺胞を行うため、軍を国境付近に集結させた。




