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勇者召喚に巻き込まれて異世界転生します  作者: ai-emu
【第9章】王都騒乱
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亜空間にある避難施設

結局王都決戦では、魔王軍とに戦闘はなく、魔王軍が残していった置き土産の回収で終わってしまった。

その結果が、王都壊滅である。王都は現在、瓦礫の山と化してしまっている。

あの美しかった城塞都市の面影は、所々に残されている壊れた石塀のみ。その石塀すらも、すでにその使用目的を果たしていない状態だ。

王都を再建するには、一度更地にしてから新たに街を構築したほうがいい。王様と計画している再開発計画を進めていくには、今のこの惨状は都合がいいともいえる。この話は、避難施設で陣頭指揮を執っているはずの王様と話してからだ。


私たち連合軍はそれなりに仕事がある。すでに魔王軍は、自らが呼び寄せたしょうかんした魔物たちによって壊滅しており、現在は敗走兵となって結界内を彷徨っている。私たちは、彼らを狩る仕事があるのだ。だがこの仕事は、連合軍の兵士たちに任せておけばいいだろう。その仕事すらも、あと少しで終わるはずだ。

現在私は、外周区の農地の一角に造られた『ミヤビ農園』に来ている。

今ここに来ているのは、、私とエリザをはじめとした連合軍の上層部約10名と、護衛として兵士約50人。

高さ2mほどの植え込みで囲われた300m四方のこの農園は、荒れ地と化した周りを横目に、青々と農作物が育っており、ここだけ時間が切り取られた感覚に陥っている。どうも魔王軍は、ここに張られている結界を破壊する事ができなかったらしい。

何故私が、この農園を訪れたのか。

それは、王都内に設置した避難施設へと向かうゲートが、ここ以外すべて破壊されていたからだ。そしてこの農園の一角には、亜空間に構築した避難施設へと行くための出入口の1つがあるからだ。すべての出入口を破壊されていたら大変だったが、ここ1か所だけでも無事な場所があるのが僥倖だった。

「アスカさん、ここに避難施設へと向かう出入り口があるのですか?」

期待を胸に秘めらせたエリザが、私に聞いてくる。私は、農園を守っている結界を解除しながら、隣を歩くエリザに答えた。結界を解除した途端、解除作業を一緒に行っていたミヤビが、カズハたちを引き連れて農園の中に走っていった。私は、その光景を苦笑しながら見ると、農園の中心に建つ一軒家に足を向ける。

「この家の中に、出入口はあるんだ。」

そういうと私は、家の中に入っていき、玄関のすぐ隣にある部屋の扉を開けた。

その部屋には、床に大きな魔方陣が描かれている。魔方陣の4隅には、太さ30㎝ほどの幾何学的な模様が描かれた柱が建てられ、柱同士を上部で、等間隔で白い短冊状の紙を付けた荒縄でもって、魔方陣を何らの呪術的な結界でもって護っている。あの魔物たちは、この呪術結界すらも破壊してしまったのだ。

「では避難施設へと案内します。まずはここから入れる避難所の入り口ですが…」

私は、避難施設の地図を取り出しながら、ここにあるゲートが避難所の何処に繋がっているのかを説明していく。説明を終えると、早速管理者権限を使って、ここにいるメンバー全員を避難施設へと案内した。


避難施設は、巨大団地のような形状をしている。亜空間内は、設置者の意思1つでいろいろなことが決まっている。その中に、方角や昼夜の区別などがあるが、アスカはなるべく外と同じ生活を営めるように、昼夜の区別と方角も聞けていた。

ただ、王都と違う場所は、5階建ての建物が整然と軒を連ねているところだろうか。10㎞四方の区画を、碁盤の目のように東西南北に大通りが走っている。北側の中心部には、東西5㎞南北3㎞の大きな区画があり、そこが仮の王宮となっている。上空から見れば、まるで平安京のような形をしているのだ。

10㎞四方の居住区域の外側には、広大な農地と牧場、湖などが広がっており、この亜空間だけで自給自足が可能なようになっている。


農園にあるゲートを使って、この亜空間に降り立った私たち。亜空間側の出入り口は、農地内に点在する作業小屋の一角だ。

私以外の面々は、作業小屋から外に出た瞬間目を大きく開いている。何の説明していなかった私にも責任があるが、説明を受けていてもこの光景を見れば、きっと同じ態度を取るだろうと確信している。作業小屋の周囲には巨大な麦畑になっており、麦穂が頭を垂れて収穫の時を待っているのだ。遠くには霞んで見える避難施設の建造物。

「まずは、国王様に会いに行きましょう。」

私は、再起動を果たした面々を引き連れて、国王様がいるだろう仮王宮へと、麦畑の中をまっすぐ伸びる道を歩いて行った。

「アスカ殿、息災であったか。エリザも元気そうで何よりだ。」

今私たちは、仮王宮内にある謁見の間において、国王と謁見をしている。少し憔悴しきった顔だった国王様も、エリザを見たとたん少し元気を取り戻し、今は、だきつくエリザの頭をなでながら私たちと話をしている。

「アスカ殿がここにいるということは、魔王軍を殲滅したということでいいのかな?」

「はい、その見解で構いません。

現在バーランチア王国内には、魔王軍はいません。周囲の国々は確認していないため、どんな状況になっているのかは解りませんが、少なくともバーランチア王国は平和になっています。

少し残念なお話もあります。

王都での決戦の折、魔王軍が強力な魔物を4体召喚したため、王都全域が瓦礫の山と化してしまいました。現在、この避難所から王都への出入り口は、ミヤビ農園にあるゲートただ1つとなっています。」

「そうか、あとはすべて破壊されてしまったのか。こちらも戦力不足でな。ここ10日ばかりは、ゲリラ戦すらできなかったんじゃ。

エリザが来てくれたおかげで、無駄な戦力の消耗をせんですんだ。

…しかし、あの美しかった王都が、今はがれきの山とは、皮肉なもんじゃな。」

王様は、感慨深く考え込んでしまった。そして、あることを思いついて私に問いかけた。

「アスカ殿。かねてより計画していた例の計画。今の王都の状況をうまく使えば、無駄な投資をせんでもいいと思うが。」

「私もそう思っています。では、その計画を実行に移してむいいのですか?」

「ああ、いいぞ。それと、完成までの日数は、どのくらいを見積もっているんだね?」

「そうですね。…私のパーティメンバーを総動員して、骨格を完成させるのに3日、建物を完成させるのに10日、予備日として2日の計15日ほどでしょうか。ただし建物は、外観だけで内装はやらないという条件付きですが。」

「内装は、各々好みがあるからな。別に行わなくてもいいと思うぞ。入居する住民が好き勝手やればいいことだ。もちろん、王城の内装も行わなくてもいい。

では早速取り掛かってもらいたい。住民たちは、王都が再建されるまでここにいてもらう事にしよう。そのほうが安全だからな。」

「そうですね。そのほうが私にとっても好都合です。では、王都改造計画を行います。」

こうして、人知れず王都のと再建いうか、改造が始まった。王都の外観は、瓦礫と化す前の外観と全く異なっていた。

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