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勇者召喚に巻き込まれて異世界転生します  作者: ai-emu
【第8章】そうだ!!ダンジョンに行こう!!(ダンジョン攻略編)
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カイベルト大迷宮攻略(その4)

700階層に転移されると、目の前には巨大なコロシアムが聳えたっていた。これがあるということは、此処が一番深い階層であり、この中にはダンジョンボスが、私たちが現れるのを玉座に座って待ち構えているはずだ。

「いよいよここが最後、ダンジョンボスがいるフロアーです。気を引き締めていきましょう。」

「お~~~!!!!」

私の掛け声とともに、締まりのない勝鬨を上げる仲間たち。まあ、ガチガチに固まっているよりかは、程よく緊張している今の現状は、よい傾向だと思いあまり突っ込まないことにする。

開きっぱなしになっている入り口をゆっくりと潜っていく。中は、円形の踏み固められた土の地面と、それを囲むように作られた観客席。私たちが入ってきた入口の反対側には、2階ぐらいの高さに造られた巨大な玉座がある。

その正面の玉座に座るこのダンジョンボスは、身の丈5m以上はあるだろうか。虹色に輝く全身鎧に身を纏い、目の部分にあけられた穴からは、紅く不気味な光が2つこちらを睨んでいる。

その脇には、2本のバスターソードが立てかけてある。あれがボス自身の武器なのだろう。

ボスが座る玉座の雛壇よりも半分くらいの高さで、広場を囲うように観客席との間に舞台のような場所があり、身の丈3mほどある12体の鬼が広場を囲うように控えている。それぞれの手には、ブーメラン・弓矢・ワンドを持つ遠距離戦闘型が3体。戦斧バトルアックス・鎖鎌・戦棍メイス・小太刀と大太刀・戦鎌ウォーサイス・三叉槍・ロングソード・巨大剣グレートソードを持っている近接戦闘型が8体。対する私たちは8人パーティだ。

どう考えても、私たちのほうが分が悪い。

戦闘方法を考えた末、パーティ戦で対応するのではなく、ここで1体ずつ撃退する形で私たちは、周囲を警戒する形で円陣を組んだ。どんな合図かは知らないが、開始の合図とともに散開する予定である。


”ゴ~~ン!!ゴ~~ン!!ゴ~~ン!!…”


何処からともなく重低音の鐘が鳴り響き、その鐘が鳴り終わると同時に、円陣を組んでいた私たちの中心部分に爆発が起こり、はじけ飛んだ土礫とともに周囲に吹き飛ばされる。全員身体強化と防御結界をあらかじめ展開していたため大事には至らなかったが、開始早々の不意打ちに少し動揺が走り、さらに爆発の余波でメンバー間の距離を大幅に開けられてしまう。

その後、前衛の8体の鬼たちが、その巨体とは裏腹に素早い動作で私たちに襲ってきた。鬼たちのあまりの速さに、初撃を逃してしまった私たちは、防戦するしかなくなってしまう。

鬼たちは、絶妙な連携で私たちを翻弄してくる。前衛の攻撃の隙間をついて、後衛から弾幕が降り注いでくるのだ。こちら側には、連携も糞もなくなり、遅い来る鬼たちを此処で相手をするしかなくなっていく。

散開した鬼たちのうち、弓使いとブーメラン使い、ワンドを持つ魔法使いの3体は、観客席に陣取り遠距離攻撃でもって私たちを翻弄していく。私たちといえば、1人1体の鬼を受け持つ形で、広場全体に広がり撃退を試みてはいるが、遠距離で攻撃してくる3体の攻撃にも気を付けないといけないため、全体を確認する余裕すらなくじり貧状態での戦闘を余儀なくさせられている。


私が相手をしている鬼は、縮んだ状態での長さが3mくらいあるロングソードを両手に1本づつ持っている鬼だ。対して私は、いつもの鉄扇を右手に持ち、左手には様々な魔法の魔方陣が描かれたカードを数枚持っている。私が持つ鉄扇も、その長さを自在に変化することができる特別製で、最大長は3m近く伸ばすことができるモノだ。広げて使用すれば、広範囲をカバーできる盾のようなものになり、たたんで使えば、簡易的な戦棍メイスになったりする。

私は、閉じた鉄扇に魔力を纏わせ、鉄扇の先に刃渡り1mほどの魔法剣を作り出した。ちょうど長い刃を持つ槍のような形状になっている。私は、鬼との間合いをジリジリと詰め、こちらの攻撃範囲に入ったところで鉄扇を鬼に向けて斬りつけた。鬼は、右手に持ちロングソードで受け流し、左手に持つロングソードを横薙ぎに斬りつける。私は、左手に持つ護符を使い、その攻撃を防ごうとする。

その瞬間、鬼の左手に持つ剣がいきなり伸び、ありえない軌道を取って背後から襲い掛かってくる。その攻撃を何とか防ぎ鬼を飛び越える形で間合いを大きくとった。飛び越えていく瞬間に置き土産として、時間差で爆発する護符を数枚ばらまいてきた。

こうして背後からの攻撃を何とか防ぐことに成功したが、着地する手前で真横からブーメランが飛んできた。私は、ブーメランの直撃をもろに受けて数メートル真横に飛ばされ、そのまま地面にたたきつけられる。その上から矢が降り注ぎ、慌てて鉄扇を広げて防御をする。その直後、置き土産の護符の爆発があり、鬼の右腕を吹き飛ばすことに成功する。

矢の弾幕を防ぎ、その場に立ち上がり鬼と正対すれば、吹き飛ばしたはずの右手がニョキニョキと生えてきているではないか。こんな場所にいるバケモノだ。再生することは予想はしていたが…。これでは、腕の1本や2本程度いくら斬っても、再生していくだけで有効だとはなりえない。

…これを相手にするには、切り刻むしかないのだが、それが出来そうもないから困っている。そういえば、ダンジョンに潜ってから、攻撃を受けたのはこれが初めてかもしれない。しかも…、防御結界と身体強化を施した上から、直接ダメージを受けてしまったのだ。そのおかげであばらが数本折れただけで済んではいるが。

私は、折れたあばら骨に回復魔法をかけながら鬼を観察する。その間も、上空からの弾幕攻撃が降り注ぎ、それを防ぎながらである。

さて、私の相手であるこの鬼の武器。当初はロングソードによる二刀流だと思っていたが、手に持つエモノが連接剣だったとは恐れ入った。

鬼が持つ連接剣は、延ばせばその長さを5倍ほど長くさせる事ができるモノだ。今も、弾幕の援護を受けながら、その連接剣を両の手に持ち、時には剣として、時には鞭のようにして攻撃してくるため、なかなか間合いを縮めることができずにいた。

現在進行形で私は、鬼の猛攻撃を受け止め、かわしているのだが、なかなか反撃のチャンスが生まれてこない。鬼たちの猛攻撃をかわしながら、ちらりとまわりを確認してみても、みな同じように鬼の攻撃をかわすだけで精いっぱいな様子で、反撃できている者はいなかった。いや、私も含めて、ごくわずかな隙間を縫うように反撃をしているのだが、有効打を打てずにいるみたいだ。

なかなか隙が生まれない。

此処で!というタイミングを合わすかのように、観客席に陣取った3体から、魔法で作られた各種属性の矢や槍。上空からは弾幕のように飛んで来る矢。鏃には毒が塗ってあるらしく、突き刺さった地面がどす黒く変色してしまっている。横からは縦横無尽に飛びまくる、数十にも及ぶブーメランの軌跡がある。

これはまず、目の前の鬼よりも3体を倒さないと、落ち着いて目の前の敵と対峙できない。と考えが行き着き、いろいろと策を練っていく。3体というか、目の前の鬼を含めて4体同時には相手ができないと悟り、1体ずつ仕留めていくことにする。そして念話でもって、全員にこれから行うことを指示していく。


まずは1体目。


連接剣による攻撃をかわしながら、ちらりと相手を確認して用意しておいた魔法を放った。

「くらえ!!轟雷槌サンダーハンマー!!!」

弾幕がなくなった一瞬をついて、私は3体の鬼のうち、弾幕のように矢を放っている1体に向けて雷で作られた巨大なハンマーを叩き落とした。轟音とともに天空から降り注ぐ特大の光の柱に包まれる。空間すべてがホワイトアウトし、数秒間すべての色と音がなくなった。これを反撃の合図として私は、目の前にいるフリーズしている鬼に肉薄する。同時に手に持っている武器をしまい、新たに透明な刀身を持つ水晶鋼製の日本刀を腰に構え、気合とともに、ホワイトアウトしている数秒間の間に数十回の斬撃を与えた。

徐々に色と音が戻ると、私の目の前には、何が起こったのかいまだに理解していない鬼が呆然と立ち尽くしていた。そして、自らの自重によって、体がこま切れ状態でスライドしていく。この状態で再生されては…と思い、私は、細切れになって地面に散らばる鬼の残骸を焼き灰にした。

雷の直撃を直に受けた鬼は、消し炭すら残らずに消滅してしまっている。

エリザが相手をしていた鬼は、全身氷漬けにされ、今現在エリザの手によって粉々に砕かれている最中だ。

ほかの鬼たちも、針山のように矢を体から生やしていたり、一刀両断されて真っ二つに左右に分かれていたりして絶命していた。もちろん全員、その死体を役事に躊躇していない。

さて、残りはボスも含めて3体となった。形勢逆転である。

まずは取り巻きである2体の鬼から片づけてしまおうか。

私は、2体の鬼の足元から炎の竜巻を作り出して鬼たちを包み込んだ。その竜巻に、エリザがさらに鎌鼬を無数に忍ばせた竜巻をかぶせる。風にあおられた炎の竜巻は、いつしか1つになり、相乗効果も相成って巨大な竜巻へと成長していった。

炎に焼かれ、風に切り刻まれた鬼たちは、灰となってこの世から消滅をした。

あとは、本命のボスただ1体のみ。此処まで私たちを苦戦に導いてきた鬼たちの親玉である。強敵には間違いなく、どんな苦戦を強いられるのか解ったものではないが…。何故だか、程よい緊張感と、強敵を目の前にした不思議な高揚感に体が支配されている。これが、生死をかけた戦闘を前にした感覚なのだろうか。

そんなことを考えながらボスを睨んでいると、ボスが玉座から立ち上がり、両脇に立てかけてある2本のバスターソードを両手に握りゆっくりと階段を下りてきた。

いよいよ最終決戦。

ボスとの戦闘開始である。

私たちは、ゆっくりとこちらに近づいてくるボスを正面に捉え、通常のパーティ戦用のフォーメーションを取り最終決戦に挑むのだった。

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