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勇者召喚に巻き込まれて異世界転生します  作者: ai-emu
【第8章】そうだ!!ダンジョンに行こう!!(ダンジョン攻略編)
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カイベルト大迷宮攻略(その3)

そいつは突然現れた。

海底に引きずり込むように、船に巻き付く大きな足が数本。吸盤が無数についたその足は、まるでイカのようであり、タコのようでもあったが、その形状がどちらの足でもないのがわかる。ギシギシと音を立てながら、徐々に崩壊していく船。

「これは持たないね。総員上空へ退避!!」

私は、パーティ全員を船の上空へ退避するように命令、…というか、強制的に上空へと放り出した。次の瞬間、何かに引きずり込まれた船は、海底へと沈んでいき、代わりに引きずり込んだ何かが、海底から姿を現した。

「あれが、此処のボスで間違いないようだね。」

ミヤビの呟きに、全員が肯定する。

私たちの目の前に現れた化け物は、足を抜いた全長約300m。姿かたちは、ダイオウイカそのもの。ただ、地球にいたころに見たダイオウイカと違うところは、20本の足と4本の触腕があることだ。

足に長さだけでも100m、足の太さは根元付近で1m近くある。そして、その足には、全方向に直径10~30㎝の吸盤があり、足の先には、鋭く尖った針のような爪があり、爪の先からは禍々しい色をした液体が滲み出ている。あの液体は多分毒液か強酸性の液のどちらかだろう。

4本の触腕は、足よりも長く150mは軽く超えており、その形状はまるで先がひらぺったい鞭のような形状をしている。五平餅のように平らになっている部位には、裏?表?に無数には血の針のようなするどい棘が無数に生えている。

直径50mほどの頭の上には、その胴体に似合う巨大な外套膜と四角い大きなひれ。眼球の大きさだけでも、直径1mはあるだろうか。足の中心にある口は、直径15mほどで、10個の鋭い嘴が、足に捉えた船をガリガリと音を立てている光景が、目の前で展開されている。

「賭けの勝利者はミズホだけれども、…こいつをどうやって料理しようか?」

目の前の光景を、安全策を取って上空200mほどで観察しながら、巨大イカの討伐について話し合う。

「…そうだね。『空中戦』については、一応全員飛べるからいいけれど、『水中戦』については、ボクはまだ無理だよ。」

マツリの話に、半数近くが同意する仕草をしている。一応議長?みたいなことをしている私も、空中戦はともかく、水中戦の経験はまだまだ少ないのが現状だ。一応経験はあるが、こいつ相手に勝てるかと言われれば、『勝てない』というしかない。

それに…。

「確か階層攻略を更新した証拠に、その階層で出てきた魔物の一部を持ち帰らくちゃいけなかったはずだ。つまり、目の前のこいつが必要だから、切り刻んで終わりにはできないんだよな~~。…面倒くさい。」

「ということは、アスカ。とりあえずはこの階層で攻略を終わる予定なの?」

私の呟きを聞いて、ナオミが聞いてきた。

「いや、まだまだ攻略は続けるつもりだけど、中間報告としてこいつは、今までの階層ボスなんかよりもインパクトが大きそうだろ?それでだ。」


「それじゃあ、始めようか!!!注意事項は、絶対にボスイカの攻撃範囲である足と触腕の長さの2倍以内には入らないこと!そのため、ボスイカが弱体化するまでは、魔法や弓矢での遠距離攻撃で行います。

じゃあ、まずは、ボスの足止めから行こうか。マツリ。」

「解った。」

私の指示で、まずマツリが行動を開始した。

「イカの分際で、ボクたちに歯向かうなぞ、100万年早い!!おとなしく、酒の肴になりなさい!!」

普段のマツリとは違い、やけに響く声でボスに威圧と挑発を行うマツリ。船をすべて壊し、海中へと姿を消えようとしていたボスイカが、マツリの威圧と挑発に乗り、その巨大な体躯を海面に打ち付けながら私たちのほうを睨んでくる。長く巨大な足や食腕が海面を叩きつけるたびに、大きなうねりとなって周りを掻き乱していく。

そこに、私とエリザの2人で、魔力で練り上げたワイヤーをボスに絡ませていき、一気に海の中から引きずり出す。すかさずマツリが、10㎞四方の海面を瞬間凍結させて、巨大な氷の大地を出現させた。氷の大地の上に、ズシンと音を立てて落下するボスイカ。氷の大地の上で暴れまわるボスイカ。

後衛である私とエリザ以外は、氷の大地へと降り、これから行う私とエリザの攻撃の余波を浴びないように、安全圏よりも広くボスイカを囲むような配置を取る。

まずは、私とエリザの2人で、ボスイカの眼球をめがけて大きな氷の槍を形成して放つ。身の丈ほどの氷の槍だったのだが、眼球に突き刺さることなく弾き飛ばされてしまった。

「これは予想外な展開だね~~。まさか刺さらないとは…。」

「どうします?アスカさん。」

「どうするもこうするも…。これならばどうだ!!」

私は、槍の形を、ドリルの刃のような形にして、回転させながら撃った。眼球に当たった瞬間。氷の槍は、眼球を覆っていた膜のようなものに、小さな傷を付けてはじき出される。

「これならば行けそうですね。」

「そうだね。あとは、このドリルのような氷の槍をたくさん作って、弾幕合戦と行くしかないね。エリザ。槍を撃ち出すときは、1つ1つを高速回転させるんだよ。それと、眼球だけではなく、全体に当たるように撃って行こうか。」

「解りました。アスカさん。それじゃあ、行きましょうか。」

数千にも及ぶ氷の矢を、ボスイカの上空に作り出す私とエリザ。それら一つ1つを高速回転させながら、ボスイカめがけて一気に撃ちだした。一射目が終わると、すぐさま同じ数だけの氷の槍を作り出し、10秒ほどの間隔をあけて撃ちだした。その工程を十数回繰り返し、砕け散った氷の欠片がボスイカを白く覆った。

私は、鉄扇を取り出し、ボスイカを白く覆っている氷の欠片を吹き飛ばす。そこに現れたのは、氷の槍が無数に突き刺さり、傷口から青く濁った体液をまき散らすボスイカだった。

私とエリザの上空からの絨毯爆撃が終了した後は、地上に降り立った前衛人たちの攻撃の番だ。

まず初めに、アカネが、転移を駆使して突き刺さった氷の槍の上部を巨大な戦鎚ウォーハンマーを打ちつけていき、刺さった槍をさらに深く突き刺していく。槍が深く突き刺さっていくたびに、ボスイカは全身を波打たせて氷の大地を大きく振動させている。ボスイカの動きが散漫になってきたところで、前衛人が総出でタコ殴りにしていき止めを刺す。

ボスイカを空間保管庫ストレージに格納ししばらくすると、氷の大地が左右に割れて海底が露出する。海底には、パルテノン神殿のような建物があった。多分この神殿が、次の階層へと続く転移ゲートがある場所なのだろう。

ちなみに氷の上にいたメンバーは、割れる振動で危険を感じ、上空に退避していたので無事だ。

私たちは、海底に鎮座している神殿の中に入っていく。予想した通り、神殿の内部には転移ゲートがあり、さらに別の部屋には、大量の財宝があった。私たち一行は、財宝を回収し次の階層へと転移していく。


閑話休題


地上へと一度出た私たちは、冒険者ギルドへと足を運び、351階層のボス討伐を報告する。討伐した証拠として持ってきた巨大イカと海底神殿にあった財宝を、ギルドの裏に隣接している大きな倉庫の中に、空間保管庫ストレージから取り出した。足も含めて450mくらいある巨大なイカは、ギルドの倉庫に入りきらずに足が壁に這うように鎮座している。巨大イカだけで倉庫がいっぱいになってしまったので、財宝は別の倉庫に取り出すことになった。

「こいつが、351階層のボスですか。記録に残る中では、誰も入ったことがないからこれほどまでに大きくなったのか。そうでないのかは解りませんが、…圧巻ですな。」

ギルドマスターほか、今現在立ち会っているギルド関係者全員がが、ボスイカを見て感嘆の声を上げる。

「ところで、アスカ殿。後で見聞する財宝も含めて、このボスはすべてギルドで買い取らせていただいてもいいのでしょうか?」

「そうですね。巨大イカについては、何処が素材として適しているのか解りませんので、全身すべてを、ギルドで買い取っていただくとありがたいです。財宝については、半分程度を買い取ってください。あとの半分は、私たちで山分けします。」

ダンジョン内で回収した財宝や魔物の素材などは、特段ギルドに報告する義務はない。ただ、冒険者としての収入源なため、基本的にはギルドに買い取ってもらっているだけだ。

そんな裏事情はさておいて、別室で取り出した財宝は、半分をギルドに買い取ってもらい、後日ボスイカとともにセリにかけられることになった。

セリの結果、また使い切れないほどのお金を手に入れてしまった。


数日間はダンジョンに潜らずに、疲れを癒すために休暇を満喫しようと思う。実際これまでも、5日間ダンジョンに潜り、2日間の休暇というサイクルを取ってきたのだ。今回は、10日以上もダンジョン内にいたのだ。此処でしっかりとリフレッシュしておかないといけない。

結局10日間、休暇を満喫してしまった。

休暇明けからダンジョン攻略をはじめ、現在私たちは、400階層を攻略中である。

草原と森で構成された400階層は、昆虫とヘビの魔物の天国だ。遭遇する魔物のレベルが高く、さらに群れで攻撃してくるため、迎撃側のこちらとしてはなかなか大変である。特に蜂の大群に襲われた時は、生きた心地がしなかった。全長1mを超える、巨大なキイロスズメバチの大群を相手にしながら巣を探し出す作業は、いったい何の苦行なのだろうかと、みんなで真剣に考えてしまった。

何とか探し出した巣が、次の階層へと続く神殿にあった時は、途方にくれたものだ。無数に襲ってくる蜂を倒しながら巣を解体していき、階層ボスである女王蜂をこの目で拝んだ時は、全員疲れが溜まってしまっていた。

何とかボスを倒し401階層を見たときは、今度は涙が出てきた。401階層は、何処までも続く灼熱の砂漠だったからだ。そこからは、450階層までひたすら砂漠が続いたときは、泣きたくなってきた。

砂漠フィールドを抜けると今度は、何処までも続く断崖絶壁を登るロッククライミングが待っていた。一々岩壁を登るのも億劫なので、安定の飛行魔法で上へと突き進みましたが。

そんなことをしながらダンジョンを攻略していき、700階層に突入しました。そろそろ此処のダンジョンボスとご対面するはずです。

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