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勇者召喚に巻き込まれて異世界転生します  作者: ai-emu
【第8章】そうだ!!ダンジョンに行こう!!(ダンジョン攻略編)
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カイベルト大迷宮攻略(その1)

街とダンジョンを仕切っている巨大な鉄扉。この鉄扉の先に、ダンジョンの入り口がぽっかりと空いている。私たちは、冒険者ギルドのカードを鉄扉を守る兵士に見せて扉を通っていく。

扉を潜った先には、岩山に大きく開いた洞窟のような入り口が存在している。

入り口を入った先は、通路が2つに分かれており、右手に進むと10階層ごとにつながるポータルへと向かうことが出来る。初めて中に入る私たちは、当然左手の通路へと進んでいく。

「マツリちゃんや。」

「何?お姉ちゃん?」

「私たちの戦闘レベルだと、100階層程度まではサクッと進めてしまいたいから。…とりあえず魔法の訓練をするため、草原フィールドの。50階層まで最大出力で威圧をかけて進んでいこうか。51階層からは、先頭を変わろう」

「わかった。それじゃあ…。

魔物どもよ、我らに道を開けて跪け。」

マツリが、私の指示通り挑発をかけながら、最大出力で威圧をかけた。

「お姉ちゃん、次の階層へと向かう転送陣までのルートも次いで解ったけれど、どうする?」

「じゃあ、そのまま最短ルートで突っ切ってちょうだい。」

「わかった。」

マツリはそう確認すると、先頭を歩いていく。マツリの横には、罠を確認するためにカズハがスキルを使用しながら歩いて行き、その後ろに私たちが続いていく。普通ならば襲ってくる魔物やモンスター、果ては今現在この階層を攻略している冒険者までもが、マツリの放った挑発と威圧の影響を受けて、滝のように汗をだらだらと流しながら通路の端によって土下座をしていた。

そして、一切の戦闘をしないまま、まるで大名行列のように通路の真ん中を歩いて行き、ボスフィールドである第10階層まで一気に進んでいく。また、何故だかは知らないが、10階層までのすべての罠すらも発動すらしていないため、カズハはただ歩いているだえだ。

ボスフィールドにたどり着くと、そこにはオークゴブリンというゴブリンとオークを足して2で割ったような体格をしたボスがいた。

だが、様子がおかしい。

ボスが、汗と涙と鼻水を滝にようにだらだらと流しながら、土下座をして命乞いしているのだ。土下座をしている前には、ドロップ品である転送陣の間の扉を開ける鍵が、1段高くなった床石の上に置かれている。

「お姉ちゃん。これ、…どうしよう?」

マツリが困惑した顔で、目の前のボスを見つめている。

「まあ、何もしないでくれるんだから貰っておこうか。」

こうして10階層までは、戦闘することなく終わってしまった。

11階層に入っても、状況は変わらなかった。マツリの最大級の威圧により、魔物からたまたま中を探索していた冒険者まですべてが道を開けて土下座をしている。私たちは、大名行列のごとく道の真ん中を進んでいく。罠すらも発動することなく…。


こうして、たった1日で、50階層までクリアーしてしまった。


翌日、51階層目からは、先頭をマツリからミヤビに交代する。

ミヤビは、出会う敵を片っ端から一刀両断にしていく。魔物やモンスターのドロップ品など興味はなく、戦闘に加わっていない者が、淡々と手早く解体し回収していく。

52階層目は、ミヤビからヒデヒサに先頭を変わる。マツリのように、威圧一つで敵を平伏させることはできなかったが、それでも防御タンクとしての役割はある程度できているようだ。

ちなみにカズハは、キョウスケたちの斥候役のキャナルとともに、ダンジョン内での罠発見を行い、それらを無力化していく作業を延々と続けている。

そして60階層のボス戦。

巨大な芋虫の魔物であるグランドキャタピラーとの一戦では、相手のほうがかわいそうに思えるくらい一方的な蹂躙劇だった。


61階層からは、1階層ごとに先頭を交代し、1人1人の戦闘経験を積んでいくことにした。だが、まだまだオーバーキルのようで殲滅速度が異様に早く、朝一で潜った私たち一行は、夕方にはすでに80階層にいるボスを倒していた。

「今日はここまでにして、続きは明日にしよう。ちょうど80階層だから、地上に戻ろう。明日の先頭は、…エリザね。」

「はい。解りました、アスカさん!!!」

元気な返事が、エリザから返ってきた。こうして、私たちのダンジョン攻略は、順調に階層を深くしていった。


翌日。


81階層の洞窟型迷路。

このフィールドもすでに8回目だ。フィールド上に展開する魔物やギミックなども深くなるごとに凶悪になっていく。

斥候役のキャナルが、カズハの指導の下先頭を歩き、地面や天井、左右に迫る壁を注意深く観察していく。最初に遭遇した毒持ちの巨大蠍は、エリザの放つ火属性魔法で丸焼きになる。その魔法の余波は、巨大蠍の後方数百メートルに見えていた壁まで届き、左右に連なる通路の中までもを巻き込んで、左右に分かれていく。その先は、何処まで巻き込んでいったのかは知らないが、しばらくは魔物との遭遇はないだろう。

戦闘とも言えない戦闘を終え、黒焦げになった魔物を横目に見ながら歩くこと約30分。

突然キャナルが立ち止まった。

「どうしたの?」

「…この先の地面や天井…。果ては壁までなんですが。…なんか嫌な感じがします。」

キャナルは、私の質問に、何やら自信なさげな答えを返してきた。

「どれどれ…。確かに変だね。キャナル。よく気が付いたね。」

キャナルの言葉に、カズハが通路を確認した。

まだまだ斥候として初心者だと自覚しているキャナルは、カズハの言葉に、少し赤くなりながらもうれしさを隠していなかった。そして師匠として慕う私たちのパーティの斥候担当であるカズハの身分は関係がないようだ。できないことを素直に認め、身分が下の者にでも教えを乞うてくる姿勢は褒めてあげたいと思う。身分が上の者は、なかなかできないことだからだ。

カズハは、何やらいろいろと確認をすると、ここを突破するための仕掛けを準備しだす。

「ミルバルちゃん、おいで。」

今まで一度も使用していなかったカズハのとっておきを、この階層からは使用するようだ。

カズハの呼びかけに応じて、ポニーテールに結わえている長い銀髪の中から、1匹の蜘蛛が姿を現した。蜘蛛は、カズハの右手の人差し指までカサカサと進むと、カズハを見上げて指示を待っている。

「カズハさん、その蜘蛛、…魔物ですよね?何故此処にいるのですか?」

「ミルバルちゃんの事?この子は『術式付与蜘蛛エンチャントスパイダー』という蜘蛛の魔物の変異体よ。

術式付与蜘蛛エンチャントスパイダーの能力は、調教テイムして主人の魔力を食べて、主人がしてほしいことを、与えた魔力を材料に吐き出した糸で作ってくれるの。その能力を使うと、こんな鬼畜なギミックだろうとも、簡単に突破できるのよ。」

キャナルの質問に答えながら右手を突き出したカズハは、術式付与蜘蛛エンチャントスパイダーのミルバルちゃんに何やら指示を出している。指示を受けた蜘蛛は、お尻を私たちの進行方向に向けると、100mほど先の壁に向けて糸を吐き出した。

糸は、信じられない速度で通路を突き進んでいく。よくよく見れば、糸の先は、銛のような鏃形状をしており、吐き出されたいとも、数秒後には太さ5㎝程のワイヤーのようなものになっていく。

”ドスッ!!”

ギミックを挟んで対岸にある壁に銛が突き刺さると、術式付与蜘蛛エンチャントスパイダーのミルバルちゃんは真下にお尻から糸を垂らす。すると、糸の形状が、太さ10㎝程の鉄柱に変化して地面に突き刺さった。その後、カズハとミルバルちゃんは、30㎝程の間隔をあけて4回行い、計5本のワイヤーを領岸に張った。その後は、ミルバルちゃんが単独で糸をワイヤーに張りながら対岸へと進んでいく。張られていく糸は、数秒で太さ5㎝程のワイヤーのようなものになっていく。

20分くらい経った時、目の前には、まるでギミックを跨ぐような大きなワイヤーで造られた吊り橋がかかっていた。

「此処のギミックは無力化したから、先に進みましょう。

キャナル、できるのならば、この術式付与蜘蛛エンチャントスパイダーを1匹飼うことをお勧めするわ。」

カズハはそう言うと、戻ってきたミルバルちゃんにお礼を言って髪の毛の中に戻した。

その後は、ミルバルちゃんの助けを借りながら、どんどんと階層を攻略していき、3日後には、100階層のボスまでたどり着くことに成功した。


100階層のボスは、直径10mはあるかと思える巨大なスライムだった。

100階層を任されているボスだ。ただのスライムではないことは、その容姿で理解できる。

スライムの体後にし、反対側の壁が透けて見える。まるでトランポリンをしているかのように、無色透明のその体を上下に動かし、接触した体がはじけ体液が飛び散っている。飛び散った体液が付着した地面や壁には、ドロドロに溶けていることから、その体液の特徴は強酸性だということが見てわかる。毒も混じっているかもしれない。

スライムを倒すには、その体内にある核を破壊することしか倒すことはできないのだが…。目の前のスライムの核は、体と同じで無色透明なため、何処のあるのかが解らない。

「これはまた、厄介なボスだね!アスカちゃん、どうやって倒すの?」

「そうだね~~~。核ごと体を切り刻んじゃえばいいんじゃないかな?」

観戦モードに徹しているミズホからの問いに、私は簡潔にこう答えた。ミズホやミヤビら武器を扱う前衛人にとって、このボススライムは相性最悪だといえる。今回は、遠距離魔法攻撃で倒すしか、安全に倒すことはできないだろう。

「そういうことで、私の攻撃範囲には入らないでね。」

そう周りに念を押すと、私はおもむろにスライムに向けて右手を突き出した。

「まずは、瞬間冷却!!」

私は、-196℃以下の液体窒素を、スライムの体内に転移魔法を駆使して注入する。液体窒素を注入されたスライムは、その無色透明な体を冷凍されていき、1分も経たないうちに上下運動を終わらせ地面に転がった。私は、その巨大な球体になったスライムに、無数の鎌鼬を作って木っ端微塵に砕いた。

「終了~~~。」

そこそこの冒険者ならば苦戦は必至のボススライムを、私は1~2分で倒すことに成功した。

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