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勇者召喚に巻き込まれて異世界転生します  作者: ai-emu
【第6章】そうだ!!ダンジョンに行こう!!(準備編)
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ナオミの異世界音楽団(その2)

何はともあれ、無事に?世界の狭間から出てこれた飛行機。

しかし、…なんだ…。やけにぼろくないか?

外観だけ見ればとても数日前まで運行していたモノとは思えない。これはあれだ。海の底から、10数年ぶりに引き上げられましたと言っても信じるくらいのぼろさだ。底部は完全に朽ち果てており、荷物室らしき部分は完全に露出して中身がなくなっている。他の部分も、いつ崩れ落ちてもおかしくないほどの損傷だ。

当然、扉や窓などは錆び付いて開かない。中から必死に開けようと努力をしているみたいだが、どうしたものか…と、隣にいるだろうアスカを見てみれば、アスカの姿が何処にも見当たらないではないか!!

くるりと周りを見渡せば…、いた!

いつの間にあんな場所まで移動したんだ?

アスカは、飛行機の羽根の部分にある扉の前にいた。そして、何やら、扉越しに中にいる人に身振り手振りで合図を送り、…いつの間にやら手にしていた両手剣を扉に向けて数回斬りつけた。扉は、あっけなく斬り刻まれ、中と外が1つにつながる。


アスカは、そこから躊躇なく飛行機の中に入っていく。

暫くすると、私とアスカが設営したテントの中に、次々と乗客たちが転移されてきた。

アスカ…、魔法を隠すことはしないんだね。まあ、いいか。遅かれ早かれ魔法のことは話すつもりだったんだし、それに、転移したほうが飛行機の中から外に出すのには早いからね。

さてと、私も仕事をしますか。テントは数張り用意してあり、1つのテントにつき10~15人ずつ収容していく予定だ。ちなみに、すでにこと切れてしまっている人用のテントが、少し離れた場所にあり、生存者とは別に転移されて言っている。

私は、定員に達したテントを順に回復魔法をかけながら回る仕事がある。とりあえずは、疲労の回復と、精神面の回復を優先するようにアスカから言われており、動けるようになった人から順に食事ととってもらうように言われている。


2人では絶対的に人数が足りないので、ミヤビとマツリ、あとお屋敷の侍女にも参加してもらっている。

回復魔法をかけるのは、私とミヤビちゃん、マツリちゃんの仕事で、食事を配るのが侍女たちの仕事だ。

「こんにちわ。ナオミと言います。」

私は、テントに入るなり、まず自己紹介をする。

「これから皆さんの体を清潔にする魔法をかけます。そのあとで、疲労と精神を回復する魔法をかけていきます。皆さんにとってみれば、不可思議な現象が起こるとは思いますが、この世界はこういうものだと頭の中で理解しておいてください。何か質問がありましたら、お食事の後にこの世界について簡単な説明をしますので、その時にまとめてお願いします。

では、早速ですが、体の汚れを取り除く魔法から始めます。」

こうして、3つの魔法をかけ終えた人たちに、温かい食事を提供していきます。

アスカ曰く、空腹と不潔は最大の敵となり、こちら側が清潔な身なりの場合、それだけで話を聞いてくれない可能性があるらしい。奴隷と主人と言う立場に置くのならば、それはそれでありなのだが、今回に限っては、やってはいけないことなのだ。なので、真っ先に不潔だった体を清潔にし、腹を満たしてあげなければいけないのだ。

もっとも、数日間飲まず食わずの胃袋に、いきなり固形物を入れるのは命の危険があるので、与える食事は温かい粥と白湯だけになるが。この辺は、相手方もわかっていると思うので、特段気にする事柄ではない。

乗員乗客全員が、温かい食事を食べた後、私たちは、此処ラグナレシアについての説明を始めた。

1つ、この世界は「ラグナレシア」と呼ばれていること。

1つ、地球には帰る事が出来ないこと。

1つ、これから先この世界に骨を埋めなくてはいけないこと。

1つ、君たちをこの世界に引き込んだのは私たちだが、この世界に引き込まなかったら数日以内に魂ごと消滅すること。

1つ、この世界で生活していくため、いくつかのスキルと当座の生活費、暮らしていくための最低限の身分を与えること。

などなど、全員が納得するまで根気よく説明をした。

地球には存在すらしていない種族である私たちを見て、此処が異世界であることはすぐに理解してもらえたのだが、やはり、地球にもう帰れないことが一番のショックだったらしい。そんなことを話している最中に、ついさっきまで乗っていた飛行機が、いきなり崩壊してしまうトラブルがあり、着の身着のままで異世界に放り出されてしまったことを悟る面々。

最後にアスカが、とんでもないことを言った。

「地球に帰ることは、実を言うと可能です。『異世界渡航』と言うスキルを手に入れれば可能です。ただし、このスキルを取得するのには、とても厳しい取得条件が必要になります。これは、誰かに教えてもらうこともできず、自分自身で探さなくてはいけません。

それから、スキル発動時の特殊条件も、また厄介な問題として立ちはだかっています。どうしても地球に帰りたい方は、どうぞ、世界中を駆け巡って探してください。

私はどんな条件かは知っていますが、私から教えてもらった瞬間、このスキルの取得条件から外れてしまうので、どうしても地球に帰りたいお方は、私を脅迫するなどと言う愚かな行為は慎んだほうがいいですよ。」

とんでもないことをシレッと言ってのけたアスカ。実際アスカを敵に回してしまうと、とんでもないネタスキルを押し付けられる可能性すらあるのだ。なんせアスカは、スキルやステータスを管理している『技能神代行者』なのだから。


とりあえずその日は、用意したログハウス(飛行機を召喚?する広場を作り出すために切り倒した木で作成)に案内して、一晩ゆっくりと考えてもらうことになりました。

さて、どんな結論を出すのやら。

もちろん、件の楽団の方々には、私から本命である例のお願いをしてあります。

翌日、朝食の後で、1人1人個人面談を行っていきます。実はこの個人面談で、本人の希望に沿ってアスカからいろいろなスキルが、後ほどプレゼントされます。そのための面談なのです。転生した私たちとは違い、このままでは、言葉すらわからずに世界を彷徨う羽目になりますので。

オタクな方々は、エルフである私たちを見てはしゃぎ、エルフ以外にも様々な人種がいることを知ると、世界を満喫したいと仰っています。そんなオタクな方々には、アスカがこんな事を囁きます。

「なんなら、君たちのなにか違う人種になってみる?ゲームみたいに1からカスタマイズ可能なスキルもあるから。何なら性別すら変えることも可能だよ。」

もちろん、飛びついてきました。

楽団の方々は、異世界で再び楽器に触れるとあって、私たちに付いてきてくれる事になりました。身分証を手に入れた後に、改めて楽団を結成するみたいです。

「ではこれより、チュートリアルを行います。」

全員の個人面談が終了した後、アスカがこんな事を皆に伝えました。

「先ほどの面談の結果を考慮して、皆さん1人1人にカスタマイズされたスキルを与えます。

言い忘れていましたが、私は『技能神代行』をしていますアスカ=ラングレイ=ヨシオカと言います。技能神と同じ事が出来るので、皆さんにスキルを与えることも可能です。

では早速始めましょう。」

そういうとアスカは、軽く指を鳴らしました。瞬間、虹色に輝く鱗粉が皆に降り注ぎます。

「はい、完了しました。今与えたスキルは、先ほどの個人面談で、1人1人が希望した内容にそったスキルを、スキルレベル1の状態で付与してあります。レベルが上がれば、それだけできることが増えていきます。それから、私から皆さんにいくつかプレゼントがあります。

私からのプレゼントは、この世界の言葉と文字がわからないと生活できないので、そのためのスキル『ラグナレシア共通言語Lv5』です。あと、異種族に変わられる方には、その種族特有の言語が自動的に与えられます。

次に、『アイテムボックスLv1』と言うスキルです。レベルが上がればそれだけ中に入れれるものが増えていきますが、レベル1の状態では、10種類のものが各10個まで、総重量100㎏まで入れることができます。袋などい入れておけば、それで1つとカウントされるので、貨幣や衣類などのかさばったり量が多いモノを入れる際は、何かに纏めて入れておくことをお勧めします。また、時間を停止したり状態を保存したりする機能はないので、食料品など日持ちしないものを入れられる際には気をつけておいてください。

アイテムボックスの中に、あらかじめ贅沢せずに普通に暮らせば、10日間くらいは生活できるだけの貨幣と、数日分の着替えを入れておきます。冒険者希望の方には、初心者冒険セットも入っています。後で確認しておいてください。

次に、この世界における皆さんの身分についてです。皆さんの身分は『平民』となります。それから皆さんは、バーランチア王国の国民として身分証を発行してもらう手はずになっています。…」

これからの生活について、いろいろなことをアスカが説明した後、王都バルモアスの門前に転移します。種族や性別が変わる人は、先に変更してもらっています。門前に到着すると事前に伝えてあったのか、彼らはそのまま兵士に連れられて、屯所の中へと消えていきました。

数時間後、屯所から出てきた彼らを出迎え、私たちは彼らとともに町に入りました。

「楽団の皆さんは、私たちとともに来てください。後の方は、それぞれの人生を楽しんでください。

町を散策する前に、今晩泊まる宿を先に決めておいたほうがいいですよ。ちなみに、この町は大きく5つの区画に階段状に分かれています。宿屋があるのはこの上の第4区画です。値段と設備はピンキリなので、ご自身とよく相談のうえ決めてください。1から10までこちらで手配していては、皆さんのためになりませんので、お手伝いできるのはここまでです。

この世界は、お金と力さえあれば、なんでもできる世界です。町の中にいる限り危険はあまりありませんが、1歩門の外に出ると危険がいっぱいです。

また、忌み嫌う奴隷もいます。当然、奴隷を買うことも、また、奴隷に落とされることもあります。その辺は、本人次第ですね。

では、良い異世界ライフを。」

こう言い締めくくり、私たち楽団員を引き連れて別れました。

非情かもしれませんが、普通異世界に飛ばされたのならば、着の身着のまますべてのことを自分の力で切り開いていかないといけないんですよ。

転生してきた当初は、いろいろと戸惑いました。

まあ、頑張って生活していってください。

さてと、楽団の皆さんには、約束通り楽器をプレゼントしないといけません。私が作った楽器、気に入ってもらえるでしょうか?今から不安であり、また楽しみでもあります。久しぶりに生でオケの演奏が聴きたくなってきました。

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