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勇者召喚に巻き込まれて異世界転生します  作者: ai-emu
【第6章】そうだ!!ダンジョンに行こう!!(準備編)
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ミヤビ農園と仲間たち

あたしこと、ミヤビの朝は速い。

日の出前に起きたあたしと、あたしの奴隷3人アリアル・ナイシエンタ・パスカルは、農作業ルックに着替えてそのままとある場所へと転移する。


外周区の農地の一角に造られた何処よりも大きな農園。

その名も『ミヤビ農園』

温暖な気候で、雨もよく降るため水の心配もない此処、バーランチア王国王都バルモアス周辺では、食物を育てるには最適な環境といえよう。バーランチア王国自体は、とても大きな国土を有しているため、地球で言う亜熱帯気候から寒冷地気候まですべての気候帯が存在しているが…。


高さ2mほどの植え込みで囲われた300m四方のこの区画は、あたしが丹精込めて育てている作物であふれかえっている。

ここには、様々なものが植えられている。

50m四方ほどでいくつかに別れた区画は、幅2mほどの水路で区分けされている。そこには、ヨシオカ家の主食である米が育てられ、年に2回収穫されている。その隣の区画には、小麦が育てられており、黒々とした良質な土質の畑には、畝ごとに様々な野菜が育てられている。最後の区画は果樹園となっており、四季折々の果物が栽培されている。なお、ここで育てられている作物はすべて、あたしが施した品種改良により、連作障害などの作物特有の病気などは一切なく、常においしいモノが収穫されている。

現に、ここに農園を構えて約半年。2か月ほど前からは、すべての区画で月1回の収穫をしている。それは、農園全体に特殊な結界が掛けられており、結界内部の気候やら時間を自由にコントロールしているのだ。

これは、あたしが、『農耕神の代行者』となって初めて実現できたことで、まだまだ神の技能を使いこなせていないからだと、お兄ちゃんが言っていた。完全に使いこなせれば、種まきから収穫までの周期が、1日に2回となるのも可能との話だ。

それはそれでとても大変だが、楽しみでもある。まあ、周りの農家さんたちの影響や作業的に考えてみても、月1回くらいがベストではないだろうか。有事の際は、1日1回でもいいとは思うが。

なぜあたしが、『農耕神の代行者』なんぞという轟々しいモノになったのか?

それは、この農園を構えてすぐに、世界樹の森から持ってきた『世界樹の実』を、この農園に植えたことから始まる。丹精込めてて育てていたら世界樹の実から芽が出、3ヶ月ほどで高さ2mほどにまで成長して実をつけたのだ。

その実を収穫したら、農耕神様があたしの前に顕現なされ、あたしを代行者に指名したのだ。

それからは、農耕神の力を自分のモノにするため、日夜修行に励んでいるのだ。


思い切り脱線してしまったが、話を戻そう。


農園の中心には、一軒家が建っており、その隣には、先ほど話した世界樹が植わっている。この建物には、内壁内にある自宅へと続く転移門がある。この転移門は認証型短距離転移門で、事前に登録したもの以外は使用することができない仕組みになっている。もちろんお兄ちゃん謹製であり、つい最近王室と仲良くなったため、王城内と、町の一番外側の門との間にも設置されているたりする。見た目はただの姿見カガミなので、有事の際は、一対となっているどちらか一方を破壊すれば使用不能になる優れものだ。

周りを囲む植え込みには、表通りに面した1か所のみに建物があり、それ以外は一切出入り口となる場所が存在していない。ミヤビ農園が立地している場所が、東へと向かう街道沿いのためその建物では、農園で育てた作物を使った軽食が食べられるちょっとした休憩所と直売所がある。あと近隣農家のために、品種改良された作物の種や良質の肥料などが売られている。


この販売所では、先ほど紹介したこの農園で収穫された『世界樹の実』が売られている。1個1万レシアで売っている。販売量は、数日に1回10個ほどなのだが、店頭に出した瞬間に完売するほどの売れ行きだったりする。実は、毎日襲撃をかけてくる泥棒さんは、この世界樹の実を狙っているのだ。ただし、この農園を警備している魔物さんたちは、世界樹の実を結構な数食べているわけで…。

何故世界樹の実を狙うのか?

世界樹の実は、すり潰して食べると、ランダムでいろいろなスキルをゲットすることが出来る。ゲットできるスキルはランダムなので、運が良ければレアスキルをゲットでき、運が悪ければどうでもいいネタスキルをゲットすることになる。もちろん返品不可というか、ゲットしたスキルはすぐにスキル欄に記載されてしまうため、どうにもならないのだが。

実の部分は、この世界で最も甘く、最もジューシーで、すべての栄養素が詰まっている至高の果物だ。

一方、種には、先ほども話した通り、食べるとスキルをゲットできる特典になっている。ただし、種だけ食べると、それはドラゴンすら一瞬で殺す猛毒なのだが、実と共にすり潰すと、その猛毒が何故かなくなるのだ。


閑話休題


中心にある建物から外に出てくる4人。

「おはようございます、主様」

「おはよう、スパイク。昨晩はどうだった?」

「ハイ、昨晩の侵入者は5人でした。全員捕縛してすでに我らの腹の中です。」

「そう、いつもありがとうね。ん~~いい感じ。」

畑に向かいながら、誰かとそんな会話をしているミヤビ。

実はこの農園には、あたしが従属テイムしている魔物が500匹ほど放し飼いにされており、あたしたち4人と一緒に農作業及び農園の警備をしているのだ。先ほどあたしと話していたスパイクと呼ばれているモノのは、その中の1匹でこの農園の警備隊長である『暗殺蜘蛛アサシンスパイダー』と呼ばれる体長50㎝ほどの真っ黒な蜘蛛の魔物だ。スパイクを中心とした100匹ほどの蜘蛛の群れは、周りを囲んでいる植え込みに巣を張り、日夜農園の警備を担当しているレベル100台の強者だ。

王都バルモアスの外周区にある農園や牧場では、不法侵入者ドロボウ対策として、従属テイムされた魔物を放し飼いにしている農園が結構な数存在している。魔物の種類は、蜘蛛や蚯蚓と言った畑に役立つモノがほとんどで、警備や農作業の手伝いを行っている。

つまり、共存関係になっているのだ。

1人で500匹も従属テイムしているあたしは少し異常な存在だが、農園の規模として比べてみれば、それほど異常な数ではないのが事実だ。また、不法に侵入した輩は、誰の目にも止まることなく魔物たちの食事になってしまっているで、野菜泥棒などははっきりと言って命がけの職業でもある。


街道沿いの建物では、此処を切り盛りするため新たに購入した奴隷が3人、店を切り盛りしている。

この3人の奴隷は、農園を始める際に購入された者たちで、名前をカズハ・ミズホ・アカネと言う。名前から察していただけるように、私と同様転生者であり、3人とも人間族で、年齢はそれぞれカズハが15歳、ミズホが17歳、アカネが19歳となっているが、全員お兄ちゃんお元クラスメイトだ。

現在の性別は全員女だが、実は地球にいたころは全員男と言う、お兄ちゃんと同じTS転生組だ。さらにこちらに来た時になぜか、名前が女の子らしく変わってしまったため、お兄ちゃんの検索魔法でも引っかからず、奴隷として購入して初めて発覚したという経歴を持っている。なぜ奴隷落ちしたのかは、本人たちの黒歴史に引っかかるので、あえて暴露はしないでおこう。


ちなみに地球時代の名前は、カズハが藤堂綾鷹、ミズホが倉林穂鷹、アカネが天童慶介と言うらしい。昔はいろいろと苦悶していたらしいが、今ではすっかりと女の子になってしまっている3人だ。

彼女ら?は、農園の中心にある家で、悠々自適なヒキコモリライフをしている。夕食時になると、内壁にある我らが本宅に、夕食と風呂のためお邪魔してくる。

ちなみに、農園にいる魔物たちとは非常に仲がいいみたいだ。

彼女らの主は一応私になっているので、冒険者として活動する時には、お店を休業してお兄ちゃんと私、マツリ、ナオミさんとともにパーティを組んでいる。ちなみに3人とも冒険者ランクは、文句なしのSランクである。


ある日の夕食時、お兄ちゃんがこんなことを言った。

「勇者御一行様が、そろそろ迷宮都市『カイベルトタウン』に入るみたいだから、私たちもそこに行こうか。本格的なダンジョン攻略もしてみたいしね。」

「そうだ!京都に行こう!みたいなノリで言わないでよ、お兄ちゃん。」

あたしは、あきれながらお兄ちゃんに返した。

「それで、どうして急にダンジョンに行きたいと思ったの?」

「勇者御一行に会うのはつでだが、ダンジョンに行こうと思ったのは、昨日今日の話ではなく前から計画していたことだ。ダンジョンに潜らないと、異世界を堪能しているとは言えないだろう?」

「その理屈は知らないけど、…まあいいわ。あたしはお兄ちゃんに付き合ってあげる。マツリとナオミさんはどう?」

「私はいいよ、ヒマだし。」

これはナオミさん。

「ボクも基本ヒマだからいいよ。」

「よし、決定だな。それじゃあ、10日後に出発と言う段取りで動こう。それまでに、いろいろと準備や引継ぎをしておいてくれ。」

こうして、あたしたちパーティは、カイベルトダンジョン攻略の旅をすることになりました。

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