【閑話4】聖盾『クイスタンス』と盾の勇者
魔道船ア〇カ〇デ〇ア号に乗って、テレストラからエリゼレート山の麓に来たのが昨日の夕方。
快適すぎる空の旅は、途中何度か飛行型の魔物に襲撃されたが、武装のテストを兼ねてこれをすべて殲滅。
1回目の襲撃で、主砲である魔道砲を最大出力で撃ったら、肉片1つ残らずに消滅してしまったときは少し焦ってしまった。なんせ、はるか後方にそびえる山の1つが吹き飛んでしまったのだから。そのため、2回目からは、出力を10%ほどに落として撃っている。それでも、肉片1つ残さずに消滅してしまうが。
まあ、それはいい。今度街に出た時に、どんな噂がたっているのか調べないといけないが。
ここで、魔道船ア〇カ〇デ〇ア号について語ろう。
外観や武装は、某有名宇宙海賊が乗るア〇カ〇デ〇ア号そのままである。
ただし、主砲や運航などに使うエネルギーが、ファンタジーらしく魔力に置き換わっているだけだ。実弾兵器も多数収納されているため、船体のほとんどが実弾兵器格納庫となっている。なぜ実弾兵器を積んでいるのかは解らないが、1,000年前には、それが必要となる状況があったのだろう。
船体に描かれている髑髏のマークは、旧ラングレイ王家の紋章になっていたが、今現在は、管理者及び船長がキャナルのため、いつの間にかクレアレド聖王国の王家の紋章を少し弄ったキサラギ公爵家の紋章に代わっていた。
生活空間は、もちろん後部にある大航海時代の大型帆船のような華美な船尾楼だ。この部分に、寝室と水回り、保管庫などがある。
運用のほとんどが自動化されているため、少人数での運用が可能だ。
さて、今日は、日の出とともに山登りである。ア〇カ〇デ〇ア号は、異空間に格納してあったりする。
目的地であるエリゼレート山は、俺たちがいるカレンドラ大陸の最高峰であり、その標高はなんと15,220mもある。その中腹付近にある目的の神殿跡でも8,200mも標高がある。当然、高山病と、高地での戦闘の対策をしっかりととっておかないと命の危険があるため、登山の前に『高山病耐性Lv10』と『高地戦闘補助Lv5』と言うスキルを全員が取得。麓の村(この村ですでに3,000mの標高がある)で、防寒具として、ホワイトウルフと言う高地に住む魔物の毛皮で作られたフード付きローブを購入してある。
登り始めて約4時間。目的地である朽ち果てた神殿に到着した俺たち。
「ここからは、ヒデヒサ1人だな。俺たちは、入り口付近で待っている。」
このの神殿跡は、ヨルダンにあるペトラ遺跡の『エル・カズネ』と呼ばれる宝物殿みたいな感じで、洞窟を掘り抜かれて造られている。もちろん入り口付近は、エル・カズネ同様岩壁を削った建物がある。自然風化で半分以上はなくなっているが。
なぜこんな場所に神殿があるのか?
それは、この山が、大帝国ラングレイ帝国にとって聖地であり、領土を守る神『ヒマユルス』の化身だったためだ。
この情報のソースは、ガイドブックに付属でついてきた別冊だ。
閑話休題
神殿の中に入ると、すぐに大きな盾を持った1体の神像が祀られている正殿に出た。この盾を持った神像は、1000年前に存在した盾の勇者と言う伝承が残っているが、真実はどうなのか知らない。
神像の高さは約10m。右手に自身の高さと同じくらいある大きな剣を持ち、左手には、これまた大きな盾を持っている。
さすがに、神像が持っているあの盾が、聖盾『クイスタンス』とは言わないよな?
『今代の盾の勇者よ。汝に問う。』
そんなことを考えていると、何処からともなく威厳のある声が聞こえてくる。
『汝に問う。汝は、ここで何を求める?』
こちらの状況などお構いなしに、声は俺に向けて質問を投げかけてきた。
これは、声の質問に答えないと先には進めない感じのクエストだな。
そう思い俺は、質問に対して、俺が考えていることをこたえていった。
『では、汝に力を与えよう。』
声の主がそう宣言すると、俺の全身を、足元から天辺に向けて暖かい光が通り抜けていく。そして、目の前の地面に描かれた魔法陣から、白銀に輝く大きな盾と、盾と対となる漆黒に輝く巨大剣が現れた。俺はその2つを手にする。その姿は、目の前に鎮座する神像と同じだった。
『盾と剣、2つで聖盾『クイスタンス』という。これから汝の相棒となる武器だ。しっかりと精進して、聖盾の能力すべてを開放して見せろ。』
神殿から出てくると、目の前には、いろいろな魔物の死骸が並べられていた。4人は、それをせっせと解体している。
「戻っていたか、ヒデヒサ。お前を待っている間、いい暇つぶしと運動ができたぞ。今はその後片付けの最中だ。ちょっと待っててくれ。
それで、うまくいったか?」
魔物の解体の手を止めずに、キョウスケが俺をねぎらってくれた。
「ああ、聖盾『クイスタンス』は手に入れた。この感じたと、俺も手伝ったほうがいいか?」
「できるなら頼む。空間保管庫の自動収納・自動解体は、殲滅しないと発動しないからな。これだけいると、さっさと解体しないと日が暮れてしまう。」
なんとか、日が暮れる前に魔物の解体を終えた俺たちは、ア〇カ〇デ〇ア号を神殿前の上空に停泊させて船の中で就寝した。危険を冒して野営するくらいなら、安全で快適なア〇カ〇デ〇ア号のほうがいいに決まっている。これから先の旅の大部分は、ア〇カ〇デ〇ア号での生活になるだろうと、俺たち5人の意見が一致している。
そうそう、キャナルが、神からのクエストをすべて完了させたら、一度クレアレド聖王国に戻ろうと提案していた。どうも、クレアレド聖王国を自慢したいみたいだ。




