表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者召喚に巻き込まれて異世界転生します  作者: ai-emu
【第5章】勇者たちに与えられた神(代行者)からのクエスト
38/78

【閑話3】キャナル王女のクエスト(その1)

===============

【神(代行者)からのクエスト】▽△

《クエスト挑戦者》キャナルシア=アーレル=キサラギ=クレアレド

《クエスト期間》承諾の意思を示してから200日以内

《クエスト内容》カレンドラ大陸にかつて存在した大帝国『ラングレイ帝国』

帝国領土のどこかに封印された魔道船『アランカレア=スティール号』を見つけ出しこれを動かす事

パーティでクエストに挑むことは認める

《達成報酬》魔道船『アランカレア=スティール号』

《承諾》Y(承諾のサインは、このクエストを読んだ瞬間とする)

《クエスト発行者》技能神(代行者)

===============

キョウスケさんとアヤカと別れた後、わたくしはヒデヒサさんとアリサさんとともに、旧ラングレイ王家離宮跡へと向かう観光馬車に乗っている。わたくしの手元にあるのは、先日技能神の代行者と言う方から発行されたクエストを書き写した紙きれ。

「最初このクエストを見た時は、『これは詰んだな』と思ったがな。」

「わたくしもです。精霊さんたちに、この魔道船のある場所を聞けなかったら途方に暮れていました。」

ヒデヒサさんの呟きに、わたくしはこう返しました。

「でも、場所がわかってもねえ…。その場所がこれじゃあ、やっぱり詰んでるんじゃない?」

アリサさんが、観光ガイドブックのある記事を指さしながらわたくしに問いかけてきます。

その記事とは。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

【遺跡番号3-01】旧ラングレイ王家離宮跡

王家が有事の際に避難したと思われている離宮の後。現在は建物等は残っておらず、その遺構のみが確認できる。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

この記事が本当ならば、基礎以外の建物は何も残っていない更地だと言う事です。

「アリサさんのクエストもたいがいですが、5人の中では、わたくしが受けたこのクエストが、一番難易度が高い気がいたします。」

本当に詰んでいます。何をどうすればいいのかも、見当もつきません。


現地は、つい最近発見された遺跡なのか、あちらこちらで発掘作業をしていました。現在発掘が完了している部分は、正門跡とその周辺部分、そこから続くメインストリートと、庭園跡の一部。本館と仮に読んでいる建物跡だけです。その他は、いまだに発掘作業が続いているため、敷地の広さや、どんな配置でいくつの建物が建っていたのかもいまだにわかっていないのが現状です。

旧ラングレイ帝国関連の遺跡群の中で、ここだけ廃墟を通り越しています。ここ以外の遺跡は、それなりに建物があるのですが。ここだけ、これほどまでに徹底的に破壊されているので、1000年前の過去、いったいここで何があったのでしょうか?

歴史の探求は、歴史学者が行うことなのです。クエストの進行上関係があるかもしれませんが…。何もわかっていない現状では、今のわたくしには棚の上にあげておいても問題はないでしょう。何もなくてもここが、クエストを行う場所であることは変わりありません。

とりあえずは、遺跡を散策です。

正門前から延びるメインストリートを歩くと、正門と本館の中間地点に、大きな噴水跡があります。今は枯れてしまい、噴水の底部の枯れてしまった池の部分しか残っていませんが、上部の本体の遺構から見ると、相当大きな噴水だったことがうかがえます。

この噴水の周りには、折れてしまった9本の石柱が同心円状に並んでいますが、いったい何の意味がるのでしょうか?ガイドブックに載っている関連する遺跡の地図を見るに、同じような造りをしている噴水広場がたくさんあります。それも、旧王家がかかわっていそうな遺跡には、大小の差はあれ必ずと言っていいほど存在しています。


きっと何か重要な設備だったのでしょう。


3人で1日中散策しましたが、何も手掛かりがありません。気が付いた時には、テレストラに向かう最終便の観光馬車が出てしまった後でした。仕方がないので、今日はこの遺跡の周辺にある小さな宿屋で泊まることになりました。

部屋でまったりと寛いでいると、キョウスケさんから念話?で話しかけられました。『念話』なんてスキルは、今まで取得していなかった、というか、そもそもポイントで取得できるスキルには存在していなかったのですが、どうも聖剣を手に入れた時に、技能神からもらったみたいです。追加で報酬がもらえることもあるんですね。

なぜこのスキルを貰えたというと、聖剣を手に入れる前に、同郷の転生者を見つけたためらしいです。

この念話と言うスキル。離れた場所にいても会話ができるスキルなのでこれからの旅では重要度が増していくと思います。レベル2で町からここまで離れていても通じると言う事は、レベルが上がると、どうなるのでしょうか?

しかし、世の中そううまくはいかないようで、この『念話』と言うスキルは、ポイントでレベルを上げることができないみたいです。何か特殊な条件がいるみたいですね。

念話で話した結果、キョウスケさんとアヤカはすでにクエストをクリアーして、それぞれ聖剣と聖杖を手に入れているようです。それで、明日の昼頃にここに来るとの事。

これで少しは進捗するといいですね。


翌日の昼前に合流した私たちは、キョウスケさんからある重要なことを聞きました。

「昨日、同郷だった人物から聞いたんだが、『アスカちゃん』と呼ばれる人物からの伝言で、こんなものがあったんだ。

『あなたの嫁が行っているクエストは、上ではなく下にある。ここと同様下へと行くための魔法陣を見つけろ。』とな。

キャナル。魔法陣らしき遺構は見つかったか?」

「魔法陣ですか?どういった形の魔法陣でしょうか?」

「俺のクエストで、聖剣を手に入れた時の話でいいのなら教えるぞ。」

「それでいいので教えてください。参考になるかもしれません。」

わたくしは、どんな小さなことでも、突破口になるならと聞く体制に入ります。

「なら教えるが、俺の場合は…。」

「噴水の周りに9本の石柱ですか。

・・・・・

同じ構造のモノなら、この遺跡にもありますね。」


早速、正門と本館の間にある噴水広場へと向かいます。

折れてしまった9本の石柱が同心円状に並んでる噴水広場。

「ここで間違いないと思うけれど、行破壊されてしまっていては、しっかりと起動させることは困難だと思うぞ。さて、どうしたものか…。」

キョウスケさんは、深く考え込んでしまいます。

「キョウスケさん、ここでは意味がなさないのでしょうか?」

「これではな。まず第一に、陣を構成している文様がなくなっている。この足元の石畳な。実は魔法陣そのものなんだ。しかし、石畳が所々欠損しているから、たとえ起動したとしても、何処に飛ばされるのか解らない。そんな恐ろしいモノを起動させようとは思わない。

第2に、周りにある9本の石柱には、上に台座があって、そこの属性を与えた水晶が乗っている。ちょうど、召喚魔法陣と同じ構造だ。俺が手に入れた聖剣の時は、水晶の代わりに世界樹の森で回収してきた宝珠を使った。

だから、これでは何もできないのだよ。

でも、やれることがないわけではない。」

「こんな状態でも、できることはあるのですか?」

キョウスケさんの言ったことに、わたくしは驚愕してしまいました。こんな状態で、いったい何ができるのでしょうか?

「まあ、とりあえず、この転移魔法陣を紙に書き写すぞ。話はそれからだ。」

「でもよ、キョウスケ。こんなにも大きなもの、どうやって書き写すんだ?」

もっともなことを、ヒデヒサさんがキョウスケに尋ねました。

「ああ、その事か。テレストラからここまで来るまでに、何か便利なスキルはないかと探していたら、『念写』と言う特殊スキルを発見してな。レベル1を取得するのにも1000ポイントのかかるスキルだが。サクッと取得して実験してみたら、すごく便利なスキルだったんだ。そのスキルで書き写したのがこれだ。」

そう言ってキョウスケさんが見せてくれたのは、何かの魔法陣でした。

「これは?」

「この魔法陣は、聖剣を手に入れた時に起動させた転移魔法陣だ。念写と言うスキルは、過去に目にしたものを紙に書き写すスキルみたいだな。」

そう言うと俺は、ここの噴水広場を一周する。そして、念写スキルを発動させ、ここの壊れた魔法陣を写し取った。

「とりあえずは一度、テレストラに帰ろう。魔法陣の解析もしないといけないからな。」

ここにいても何もすることがないので、キョウスケさんの指示で一度テレストラに戻ることにした私たち。宿の部屋で、2つの魔法陣と、参考として、キョウスケさんが召喚神殿にある召喚魔法陣も写し取り、3つの魔法陣を見比べてみました。

暫くあーだこーだと、3枚の魔法陣の前で5人が頭をかち合わせていると、何かが閃いたような感覚があった。ふとステータスを見てみると、『魔法陣解析Lv1』と言うスキルが生えていた。そこでわたくしは、皆に確認する。

「キョウスケさん、アヤカさん、ヒデヒサさん、アリサさん。スキルに、『魔法陣解析Lv1』と言うスキルが生えていませんか?」

皆に確認すると、『魔法陣解析Lv1』を取得していました。あまりポイントを使っていない私が、ポイントを使って限界まで上げていきます。そうして、スキルレベルを最大までで上げて、もう一度魔法陣と睨めっこすると、詳細が頭の中で描かれ、欠けている場所の模様が浮かび上がってきました。

魔法陣の仕組みについても理解できます。

「解析できたわ。別に魔法陣は、何処に描いても発動できるみたい。石柱や噴水の代わりに、こうして、ああして。…」

私は、写し取った魔法陣に手を加えていきます。こうしているとまた新たに1つ『魔導書作成Lv1』というスキルを取得しました。

翌日、私たち5人は、荒野のど真ん中で私が描いた魔法陣を発動させることにして、今日のところはお開きです。

もちろん、キョウスケさんと夜の営みをしっかりとしましたよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ