勇者御一行に与えられたクエスト①
時間は少しさかのぼり…アスカが神の力を得た数日後の事である。
キョウスケたち勇者御一行様も、突然変わったステータスに戸惑いながらもなんとか慣れてきたころ、全員のステータスに新たな欄が加わっていた。
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【名前】キョウスケ=アーレル=キサラギ=クレアレド
【種族】人間族
【年齢】18歳【性別】男【基礎レベル】Lv230
【メイン職業】剣の勇者【サブ職業】クレアレド聖王国名誉公爵
【ギルドランク】《冒険者ギルド》S《職人ギルド》《商人ギルド》
【称号】▽△
【加護】▽△
【神(代行者)からのクエスト】▽△
【基礎ステータス】▽△
【フレンド表示(公開するステータス)】▽△
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「…お前ら、ちょっといいか?」
「何?キョウスケ?」
「ステータスにな、ついさっき『神(代行者)からのクエスト』という項目が生えてきたんだが、これ、なんだと思う?」
キョウスケの言葉で、残りの4人が自分のステータスを確認する。
「…私のステータスにもあるよ。その『神(代行者)からのクエスト』という項目が。」
アヤカが真っ先に答えた。続いて、
「わたくしのステータスにもありましたわ。」
これはキャナルだ。
「俺のにも。」
「私のにも」
最後に、ヒデヒサとアリサが答えた。
「…確かにこの項目は、昨日までは存在していなかったよな。」
「ええ、毎日確認していますので、それは保証します。」
ヒデヒサの問いかけに、キャナルが答える。
「どうするかはともかく、『神(代行者)からのクエスト』とやらの内容を見てみよう。」
装俺は提案すると、皆が頷いた。何をするのにも、内容を見てみないことには話は進まない。
「じゃあ、いっきにいくぞ。」
俺の掛け声とともに内容を表示する。そして、その内容を紙に書き出して手机の上に並べた。
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【神(代行者)からのクエスト】▽△
《クエスト挑戦者》キョウスケ=アーレル=キサラギ=クレアレド
《クエスト期間》承諾の意思を示してから200日以内
《クエスト内容》カレンドラ大陸にかつて存在した大帝国『ラングレイ帝国』
帝都『セントセレスレシア』にある、『セントレシア大聖堂』の地下に封印されし聖剣『アークザイド』を目覚めさせ、聖剣に主と認めてもらう事
パーティでクエストに挑むことは認める
《達成報酬》聖剣『アークザイド』
《承諾》Y(承諾のサインは、このクエストを読んだ瞬間とする)
《クエスト発行者》技能神(代行者)
《クエスト発行者からのヒント》かつて存在した『ラングレイ帝国』で発行されていた一番詳細な地図と、今現在の地図をそれぞれのアイテムボックスもしくは空間保管庫の中に入れておいたので、クエストに活用してください。ラングレイ帝国の地図は、それぞれのクエストに反映しているものを入れておきます。
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【神(代行者)からのクエスト】▽△
《クエスト挑戦者》アヤカ=アーレル=キサラギ=クレアレド
《クエスト期間》承諾の意思を示してから200日以内
《クエスト内容》カレンドラ大陸にかつて存在した大帝国『ラングレイ帝国』
その地方都市『シャラポワーナ』の魔術学園敷地内に眠る聖杖『テレスナス』の封印を解き、杖に主と認めてもらう事
パーティでクエストに挑むことは認める
《達成報酬》聖杖『テレスナス』
《承諾》Y(承諾のサインは、このクエストを読んだ瞬間とする)
《クエスト発行者》技能神(代行者)
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【神(代行者)からのクエスト】▽△
《クエスト挑戦者》キャナルシア=アーレル=キサラギ=クレアレド
《クエスト期間》承諾の意思を示してから200日以内
《クエスト内容》カレンドラ大陸にかつて存在した大帝国『ラングレイ帝国』
帝国領土のどこかに封印された魔道船『アランカレア=スティール号』を見つけ出しこれを動かす事
パーティでクエストに挑むことは認める
《達成報酬》魔道船『アランカレア=スティール号』
《承諾》Y(承諾のサインは、このクエストを読んだ瞬間とする)
《クエスト発行者》技能神(代行者)
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【神(代行者)からのクエスト】▽△
《クエスト挑戦者》ヒデヒサ=カトアシア=マツイガワ
《クエスト期間》承諾の意思を示してから200日以内
《クエスト内容》カレンドラ大陸にかつて存在した大帝国『ラングレイ帝国』
帝国領土内で最高峰だった山『ヒマユルス山』に封印された聖盾『クイスタンス』の封印を解き、主と認めさせる事
パーティでクエストに挑むことは認める
《達成報酬》聖盾『クイスタンス』
《承諾》Y(承諾のサインは、このクエストを読んだ瞬間とする)
《クエスト発行者》技能神(代行者)
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【神(代行者)からのクエスト】▽△
《クエスト挑戦者》アリサ=カトアシア=マツイガワ
《クエスト期間》承諾の意思を示してから200日以内
《クエスト内容》カレンドラ大陸にかつて存在した大帝国『ラングレイ帝国』
帝国領土内に存在するダンジョン『アカサノミヤ大迷宮』内に安置されている神像が身にまとう聖衣『クリストフ』を、ダンジョンの外に持ち出す事
パーティでクエストに挑むことは認める
《達成報酬》聖衣『クリストフ』
《承諾》Y(承諾のサインは、このクエストを読んだ瞬間とする)
《クエスト発行者》技能神(代行者)
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【神(代行者)からのクエスト】▽△
《クエスト挑戦者》勇者パーティ5人に対して
《クエスト期間》承諾の意思を示してから200日以内
《クエスト内容》カレンドラ大陸にある世界樹の森に棲む精霊の加護を受ける事
《達成報酬》???
《承諾》Y(承諾のサインは、このクエストを読んだ瞬間とする)
《クエスト発行者》技能神(代行者)
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【神(代行者)からのクエスト】▽△
《クエスト挑戦者》勇者パーティ5人に対して
《クエスト期間》王都バルモアスに到着してからとある人物に会うまで
《クエスト内容》勇者召喚の際に巻き添えを受けて死亡した者たちのうち、ラグナレシアに転生した20人。その内王都バルモアスに住む10人と連絡を取ること
追伸
転生しているので姿かたちは変わってしまっているが、この10人は、元◯◯なので、名前さえ知っていれば簡単に見つけることができるよ
《達成報酬》???
《承諾》Y(承諾のサインは、このクエストを読んだ瞬間とする)
《クエスト発行者》技能神(代行者)
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全員のクエストを順に読んだ結果
「・・・・」
無言の時間がしばらく続いた。
なに?この、無理ゲーみたいなクエスト。呆然と、クエストを書き出した紙を見つめる事しばし。アヤカがあることに気づいた。
「ちょっとみんな。ここ視て!」
アヤカが指で指示した項目は、《承諾》という項目。そこには、すべてのクエストでこう書かれていた。
Y(承諾のサインは、このクエストを読んだ瞬間とする)
「…これって、すでにクエストが開始されているってこと?!拒否権はないの?」
「どうもそのようだな。」
アリサの叫びに俺はこう答えた。
「キョウスケさま。キョウスケ様のクエストには、《クエスト発行者からのヒント》という欄があるのですが、ここに書かれていることは本当の事なのでしょうか?」
キャナルの言葉で、俺は初めてその存在を認識した。
「確か、紙に書き出した時には、こんな項目なかったはずだが。」
その項目を射て俺はこう呟いた。まあ、書かれている内容が本当ならば、空間保管庫の中に目当てモノが…って、ちゃんと存在している…。俺はそれを机の上に取り出した。確かに2枚の地図がそこには存在していた。
1枚目は現在使われている地図。それもやけに詳細な地図だ。流通している地図は、もっと不鮮明だったはず。この地図は、現在使われている共通言語で書かれているため読むことができる。
しかし問題は2枚目だ。かつて存在していたラングレイ帝国とやらで発行されていた地図らしい。しかし、書かれている文字が古代文字なのか、ここにいる5人では解読することができなかった。どうせくれるのならば、現在使われている共通文字にした地図が欲しかった。
そして俺たちは、目的地を解読するのに1日を費やしたが、解読の糸口さえつかめずにいた。
その日の終わり、俺はあることに気がついた。
「…そういえばキャナルに質問だが。」
「何でしょうか?」
「世界樹がある場所は、何処だかは解るのか?」
「世界樹ですか?世界樹は有名ですからね。何処に生えているのかは解っておりますが、それがどうしたというのですか?」
「いやな。この発行されたクエスト。クエストをしていく順番は特に明記されていない。つまりだ。先に場所が割れている世界樹のクエストから始めても、問題はないということだ。『ラグナレシアに転生した20人云々』というクエストも気になるが、この感じだと王都バルモアスに着いてからでもいいだろう。後の10人に着いては、探そうとすると、それこそこの世界全部を廻らないといけないからな。ソレをするには足もないし、…まだまだ実力不足だ。
さらに言えば、このクエストの成功報酬が『???』となっている。これには何か意味があると思うんだが。」
「…確かに。成功報酬が何かはわかりませんが、クエストの内容が『世界樹の森に棲む精霊の加護を受ける事』です。この加護の中に、ひょっとして『古代言語解読スキル』なんかがあるかもしれませんね。」
「そういうことだ。『古代言語解読』とか、それに準じたスキルがない以上、可能性は大いにある。すでにクエストを受けたことになっているみたいだし、とりあえずはこのクエストから行こうと思うがどうだ?」
俺の意見に、全員が賛同した。場所が割れていないクエストよりも、すでに場所が割れているクエストを消化したほうが効率がいいのだ。
こうして、俺たちの【神(代行者)からのクエスト】消化の旅が始まった。




