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勇者召喚に巻き込まれて異世界転生します  作者: ai-emu
【第4章】ヒキコモリな神様の代行者
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国王様との謁見です。

自宅で私は、盛装したドレスに着替えた(『天衣の羽衣』の中に入れてあるデータを選択)あと、王城が用意した馬車に乗り込みお城に向かった。ミヤビたちはまだ依頼先から帰ってきていないため、私1人で行くことにした。

王城についた私は、いくつかの建物を通り抜けてそのまま謁見の間に通された。


ここバルモアス城の造りは、少し特殊だ。私は、空間の支配者Lv10の恩恵で、バルモアス城の全容が手に取るようにわかる。というか、現在進行形で、今現在自分が城内の何処にいるのかも正確にわかっている。視界の片隅に、3Dマップの形で表示されているのだ。それも、各部屋の名称付きでだ。

今いる謁見の間は、そんな城内の建物の中でも、特に特殊な場所にある部屋だ。

バルモアス城の建物配置を簡単に話すと、中心付近に王族が暮らす生活スペースである『内宮』がある。その中心に、国王と王妃、その家族が暮らしている『前宮』。大きさは大体100m四方で、大きな池を持つ庭を囲むようにいくつかの建物が点在している。

前宮の北側には、側室たちが暮らしている『後宮』と呼ばれる区画がある。敷地の大きさは50×100mほどだ。それぞれの側室が1人1棟づつの建物をもらっているみたいで、全部で20棟ほどの建物が立ち並んでいる。

前宮・後宮ともに、各建物には花の名前を冠した名称がつけられているが、今はどうでもいいことだろう。

前宮の西側には、『天主』と呼ばれる大きな建造物を中心とした防衛区画となっており、ここには、各倉庫が立ち並んでいる。前宮の東側は、王族が招いた客人が使用する『東宮』と呼ばれる区画で、後宮同様、いくつかの建物が立ち並んでいる。前宮の南側は、近衛騎士の屯所が壁際にあり、建物の建っていない広い広場のようなスペースになっている。

高さ5mほどの塀が『内宮』を囲むように作られ、50mほどの幅がある濠に囲まれている。濠に囲まれた内宮の外側は、外宮と呼ばれる政治の空間だ。ここでは、各大臣を中心とした貴族たちが、日々政務に追われているが、私にはどうでもいい話だ。

今、私が通されている謁見の間は、内宮と外宮を隔てている濠にかけられた3つの橋のうち、南側に架けられている橋の上に建つ橋上施設の2階にある部屋だ。この橋上施設には、国王の執務室があり、いわば国王が政治をするための建物である。丘の上に建ちシロのため、外宮側の入り口は1階に、内宮川の入り口は3階にある。北側と東側にあるほかの2つの出入り口は、虎口と階段を駆使した強固な武衛機能で守られている。


そんな橋上にある建物のため、謁見の間の両側には大きな窓があり、太陽の光がサンサンと降り注いでいる。その窓際には、この国の貴族たちがずらりと並び、本日の主役?である私をじろじろと見ている。

これだから貴族と言う人種は、大嫌いなのだ。平民を見下し、自分よりも爵位が上の貴族には、媚びへつらう。どうしようもない屑の集まりである。

あれ?どうして、会ったこともない貴族たちのことを、ここ目でこき下ろすことができるのだろうか?

今、私の一挙手一投足をじろじろと見ている貴族たちは、今日初めて会い名前すら知らない者たちのはずだ。こいつらの事などどうでもいいので、鑑定眼すら使っていない。

平民?なのかな?まあ、そんなことはどうでもいいか。

一応平民ということにしておこう。謁見の間の入る前に、入り口を守る衛兵から、『中では一応、平民として立ち振る舞え』と言われている。一応言い訳みたいなことをすれば、私の持つ名前の『ラングレイ』には、ここラグナレシアにとっては特別な意味があるらしい。この事実は、私もつい最近知ったことだから、まだ実感はないが。


まあ、いいか。


さて、謁見の間での作法だが。これについては、スキル『貴族の嗜みLv10』がすべて教えてくれるため、無礼な態度にもならずに事が進んでいく。

私は、とりあえずは平民として立ち振る舞うらしいので、まずは謁見の間に入る前に一度土下座をする。そのあと、入り口を入り5歩ほど歩いた場所で立ち止まる。そこで、黒光りしている床に、平民としての作法である『直接両膝を床につけた状態で座り(所謂正座だね)、胸の前で両出を水平に組み、そのまま深くお辞儀』をする。ほぼ土下座状態だ。

これが貴族になると、爵位によって立ち位置や礼のやり方が変わってくるみたいだ。まあ、どうでもいいことだが。

そのままの状態で、国王の許しがあるまでやり続けるのだが…。もちろん、謁見の間に入ってからは、一言も発していない。いや、平民となると、国王の許しがない限り、名乗りすら許されないのが、この国の常識である。この辺は、国によって違うが。

「SSランク冒険者、『殲滅幼姫マーダープリンセス』ことアスカ="ラングレイ"=ヨシオカだな。此度はわが娘の危機を救っていただき、感謝の言葉を言わせてもらう。」

国王陛下が、私のミドルネームである"ラングレイ"をことさら強調した言い方で、感謝の言葉を述べた。この"ラングレイ"という言葉に、一部の貴族が反応しているのが手に取るように解る。反応している貴族たちは、その言葉の持つ意味をしっかりと理解しているのだろう。また、武人方である貴族は、『殲滅幼姫マーダープリンセス』という二つ名の方に反応しているみたいだ。


なぜ黒光りする床だけを見ている私が、貴族たちの反応が手に取るように解るのかって?


それは、私が持つスキル『空間の支配者Lv10』がすべて教えてくれるからです。私が視界に収めた空間にある出来事ならば、目で直接視なくても手に取るように解るだ。とてもチートなスキルなので、いつも重宝しているスキルの1つでもある。

「アスカよ。もっと近くに来て我に、その顔を見せ、声を聞かせてはくれないだろうか?それに、名前の中に"ラングレイ"とあるものを、平民をして扱うわけにはいかない。」

「畏まりました。」

私は、土下座?したまま声を発し立ち上がる。そして、王の言われたとおり、玉座に向けて歩みを進めた。私が、玉座へと続く数段の階段の目の前まで進んできたことに対し、爵位の低い貴族からは侮蔑の視線が飛んでくる。爵位が低い貴族さんたちは、"ラングレイ"という言葉の意味を理解していないようだ。現に爵位の高い貴族の方々は、最敬礼はしていないものの、右手を胸の前にあてた簡易の礼をとっている。

「我が娘を助けたのが、"ラングレイ"の直系の者だというのは喜ばしい限りだ。かの国はすでに1000年前に滅んでしまっているが、これも何かの縁。我にできることがあるのならば、遠慮なく申してみてくれ。」

「その言葉だけで結構でございます。それに、当然のことをしたまで。たまたま助けたのが、エリザベス様だったという話です。」

「そう言ってくれるのはありがたいが、それでは国としての示しがつかない。心ばかりではあるが、娘を助けてくれた礼に、少しばかりの金品を用意してある。どうか受け取ってくれ。」

「…ありがたく受け取らせていただきます。」

私は、国王様から、贈り物の書かれた目録を受け取り、謁見が終了した。


謁見が終わると私は、近衛騎士に連れられて国王の執務室へと向かった。執務室に入ると、国王様と王妃様、エリザベス王女と、第1王子がすでにソファーに腰かけている。その後ろには、3人の男性が佇んでいた。

ちなみにこの国の王位継承順は、男子優先ではなく長子優先だ。なので、姉君であるエリザベル様が次期の王となる。この辺が、エリザベル様が襲われた原因ではなかろうか。と、少し勘ぐってみる。

王様は私に開いているソファーを進めてくれたので、進められるがままに腰かけた。その後、音もなく侍女が、全員分の紅茶とお茶請けを用意して壁際に下がる。全員が紅茶でのどを潤したのを確認してから、国王様が口を開いた。

「先ほども言ったが、本当にエリザを助けていただき、ありがとうございました。」

「いえ、こちらこそ。たまたま現場に居合わせて良かったです。」

他愛のない会話から始まり、その時の襲撃者の話に移る。

「そういえば、あの時、アスカ様の手で、襲撃者どもに拷問を加えていろいろと話させたとか。その手際の良さは、その場に居合わせた近衛騎士から伺っておりますよ。」

「こんななりですが、1000年以上時を重ねてきていますので。昔の記憶はすでに頭の中にはありませんが、技術はスキルという形で体に染みついております。」

そんな事をくそまじめに受け答えする私と王様。

ちなみにあの時拷問にかけた襲撃者たちは、きちんと王城まで連行してきましたよ。連行の仕方は、わざわざ専用の檻を造り、そこに放り込んでマイクロバスの屋根の上に縛り付けました。王都の城門を潜ったときは、全員グロッキーでしたので、城門を守る衛兵に後の事は託しておきました。

城門から王城までは、襲撃者の親分を炙り出すため?引き回しながら歩いてきたらしいです。確か全員、男も女も全裸だったはず…。可哀そうに…。

王城までの間に、7人いた襲撃者は、引き回しの道中で5人殺されて2人になっていたそうだ。生き残ったのは女の2人だった。今は、王城の地下室で拷問を受けている様子だ。

まあ、こいつらの事はどうでもいい。どうせこの後は、死刑が待っているだけだから。

「そうそう。エリザから聞いたんだが、自立走行型魔道馬車クルマとかいう馬車よりも快適で速度がある乗り物を所有しているそうだな。」

唐突に話を変えた国王さま。

「はい、確かに所有しています。エリザベス王女もいたく気に入ったご様子で、1台くださいと仰っておられたような。」

「我もそう本人から聞いている。だが、我は一度も見ておらぬからな。王城の正門までは乗ってきていたようだが。

なので、はいそうですかと言うわけにはいかない。

そこでだ。

もし都合がつくならば、我たちにもその自立走行型魔道馬車クルマという乗り物を見せてはくれないだろうか?」

「いいですよ。事前に貰った手紙にもそのことは書かれていましたので。自立走行型魔道馬車クルマについては用意しております。モノがモノだけに、何処か広い場所に移動してお見せしたいと思いますが。」

「そうか!では、場所を移動しよう。我の後についてきてくれ。」

こうして、この部屋にいた者全員で、内宮にある近衛騎士たちが鍛錬している広場へと向かった。

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