プロローグ
『突然ですが、あなたたちは死亡しました』
突然目の前にいる見た目幼女な物体に、死亡宣告を受けている俺。いや、俺たち数人と言ったほうがいいか。
現在、俺の周りには、白く輝く球体が10000体以上あるのだが、その中で人の形に成形?されている物体が、俺を含めて500体くらいいる。その中で、目や鼻などの部位が存在している個体が50体前後。後の白い物体は形を保てないのか、徐々に消えていっている。そして、消滅していく白い物体から、何故か、俺を含めた50体は、何かわからない何かを吸収しているようだ。
そして
白く輝く球体がすべて消え、人の形を保った物体が、徐々に生前?の姿かたちに復元されていく。それがが終了した後にいきなり受けたのが、冒頭の死亡宣告だ。
結局、最後まで人型を保っていたのは、俺を含めて20人ほどだった。
「ちなみに、死亡原因はなんだ?」
とりあえず、死因を聞いてみた俺に、見た目幼女な物体は、こう言い放った。
『直接の原因は、君たちの暮らしていた町が、原因不明の大爆発を起こしての爆死ですが…。
間接的な原因は、勇者召喚に巻き込まれた結果です。
ちなみに、あなた方の暮らしていた町は、すでに地図上から消滅してしまっています。また、あなた方の戸籍は、すでに死亡として受理されておりますので、地球にお返しすることはできません。』
「…そうか。…」
まあ、こう言う場合のお約束だな、それは。ついでに、巻き込んだという勇者の情報を聞いてみたら、
『死亡原因を作った勇者の情報ですか?
…まあいいでしょう。
勇者として異世界に召喚された人物は、4名います。そのために、町が1つ滅ぶ結果になりました。』
「話に割り込んでスマン。なんで、勇者が召喚されただけで、万単位の人が死ぬんだ?」
『別にいいですよ。何よりもあなた方の問題ですからね。
世界の壁を抜けるには、莫大な力が必要です。その力を、召喚先の世界が用意できなかった場合、召喚元の世界が肩代わりしなくてはいけないのです。』
「…そうか。話を続けてくれ。」
なんとなくではあるが理解はした。
『では話を戻します。
1人目は《盾の勇者・松居川秀久》、2人目は《剣の勇者・如月恭介》、3人目は《魔術の勇者・仲町綾香》、4人目は《慈愛の勇者・鴻野池亜理紗》。』
全員知っています。というか、俺の腐れ縁の親友とその彼女ですね。
…そうですか。
あいつらが勇者なんですか。
俺は、達観して今の光景を呆然と見つめていた。
そして、あの日を思い出していた。
あの日、…そうだ。
忘れもしないあの朝。…そう、真夏の太陽が燦々と照りつける暑い夏の朝の時間帯だったな。
…たしか。
俺の名前は、佳岡飛鳥、18歳。大学受験を控えた所謂受験生だ。俺は、幼馴染で隣の家に住んでいる彼女、川澄奈穂美と、双子の妹で3歳年下の雅と茉莉とともに、何時ものように学校に向かっていたのだった。
俺の10mほど前を歩いているのは、幼稚園の頃からの大親友とその彼女たち。名前は、松居川秀久、如月恭介、仲町綾香、鴻野池亜理紗。住んでいる家も近くにあるため、何時もこの7人は一緒に登下校している。いつもは、数m以内で引っ付いているんだが、今日に限って何故か10mほど離れて歩いていた。
学校に続く長い上り坂を登っている途中、前方を歩く4人が突然白い球体に包まれた。そして、その球体事忽然と姿を消した瞬間、まばゆい閃光が俺たちを襲った。
これが、俺が生前最後に記憶している記憶だ。