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勇者召喚に巻き込まれて異世界転生します  作者: ai-emu
【第2章】強く?・正しく?・美しく?
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昇格試験ダンジョン(その4)

第5階層は、何処までも続く大海原である。

そこにいくつかの島が点在しており、第6階層へと行く転送陣もどこかの島にあると推測される。下手をすると、海の底という可能性もあるが、まだまだ初心者御用達の階層だ。そんなことはないだろうと確信が持てる。70階層あたりで、大海原ならば、完全に竜宮城を探さなければいけないが。

なぜ知っているかって?

そりゃあ。ねえ。

このダンジョンには何回も潜っていますから、私。ちなみに最下層である200階まで行きました。ダンジョンボスにも逢ってきましたよ。ボスは、今の私でも…というか、あれは誰も討伐することは困難でしょう。この世界に来て、初めて挫折しました。

なんせボスは…。

おっと、これ以上は開示することはできませんね。

それはまたの機会ということで。

ちなみにギルドが把握していたのは、半分の100階層までだった。それよりも深い階層は、1階層攻略するごとに100万レシア(昌貨1枚)の報奨金が出ていたが、それすらもすでに私が搔っ攫っていってしまった。また無駄な箪笥の肥やしおかねが増えてしまった。

もちろんギルドには、各階層の詳細な地図とともに、確認のため、職員を数人引き連れてもう一度、ダンジョンボスまで会いに行きました。その際、引き連れていった職員さんの基礎ステータスが、4桁ほど急上昇していました。戦闘行為は一切行わずに、ただ私の後ろをついていっただけなのにね。戦闘にも参加してくれた職員さんに至っては、持っていたスキルのレベルが3つほど上昇してしまった人もいたほどだ。

ちなみに私のステータスは、ここに潜ってから『∞(表示不能)』という文字があちこちに現れている。もうあれだね。私に勝てる者は、ここのダンジョンボス以外はこの世界にはいないだろうね。


閑話休題そんなことはどうでもよかったね


さて、マツリたちだが、現状を打開するため、いろいろな案を出しては立ち消えしていっている。

船でも造って大海原に漕ぎ出すか。この案だと、海面下に潜む魔物の攻撃を、避けることなく受けなくてはならない。また戦闘時には、船の甲板という、限られたスペースでしか戦うことができないため、常にこちら側が不利な状況になる。

まだまだ初心者から抜け出せていない以上、危険を冒すことはできるだけ避けたいため却下。

空を飛んでいったらいいのでは?まあ、この案については、そもそも飛行魔法を発動できるのは、ここにいる6人の中では私だけ。マツリならば、何とか飛ぶことはできるだろうが、残りのメンバーを抱えて飛ぶのは無理だろう。そもそも、今回はマツリたちの昇格試験なのだから、私を当てにしてはいけない。

なので、元から却下している案だ。

「最後は…『陸地を造ってそこを移動する』という案が妥当かね。」

「「陸地を造る?」」

トーガ君とマルコス君が、マツリの呟きに同時に反応する。

「マツリちゃん、『陸地を造る』というけれど、どうやって造るの?」

マルコス君が、マツリに訪ねる。

「ああ。こうやって海を凍らせるんだよ。」

マツリはそういうと、適当な方角に向けて、適当に半分ほどの魔力を込めて魔法を放つ。すると、その方角には、幅100mほどの氷に道が何処までも続いていた。

「せっかく造ったんだから、氷の道ここを歩いて行こうか。この先に、島があるのかどうかは知らないけれど。」

マツリはそういうと、そそくさと氷の道を歩いていく。

氷の道を歩くこと約3時間、途中魔物に会うこともなく第6階層へと進む転送陣に辿り着いた一行。そのまま何事もなく第6階層へと突入していった。


第6階層はジャングルの中で、さらに木々の幹が絡み合い迷路になっていたが、数時間で攻略してしまう。マツリ1人で。なんで?と不思議に思いつつも、マツリは第7階層へと続く転送陣の上に立った。

私はマツリたちの後ろをついていきながら、ふとマツリのステータスを覗く。

===============

【名前】マツリ=ヨシオカ

【種族】混血亜人種(エルフと人間とのハーフ)

【年齢】122歳【性別】女

【戦闘系職業】盾戦士(レベル160)【生活系職業】錬金薬剤師(レベル10)

【奴隷契約】

《契約奴隷》ナンシー(借金奴隷)《最低契約期間》購入金額が返済されるまで(0/1,000,000)

【ギルドランク】《冒険者ギルド》FF《職人ギルド》F《商人ギルド》F

【称号】異世界転生者

【加護】世界神の加護・創造神の加護・転生神の加護

【基礎ステータス】

《体力》30/155,000

《武力》50/169,000

《魔力》10/2,880,000

《知力》10/153,000

《俊敏力》10/162,000

《忍耐力》10/180,000

【所持スキル】

《スキルポイント》332P

《基礎ステータス補完スキル》

体力上昇Lv10・知力上昇Lv10・俊敏力上昇Lv10・忍耐力上昇Lv10

視力上昇Lv10・聴力上昇Lv10・筋力上昇Lv10・脚力上昇Lv10・腕力上昇Lv10

記憶力上昇Lv10・跳躍力上昇Lv10

体力回復力上昇Lv10・体力使用量減少Lv10・魔力回復力上昇Lv10・魔力使用量減少Lv10

幸運度上昇Lv10・獲得経験値上昇Lv10・パーティ編成Lv10

《生活系スキル》

ラグナレシア共通言語Lv10・異世界言語(第1,409,987世界地球内言語)Lv10・ラグナレシア種族言語(エルフ語)Lv10・空間把握マッピングLv10・家事全般Lv10(炊事・洗濯・掃除)

算術Lv10・物理学Lv10・化学Lv10

《戦闘系スキル》

剣術Lv10・槍術Lv10・棍術Lv10・弓術Lv10・投擲術Lv10

小型盾術Lv10・中型盾術Lv10・大型盾術Lv10

風魔法Lv10・水魔法Lv10・火魔法Lv10・地魔法Lv10

時空間魔法Lv10・重力魔法Lv10

《戦闘補助スキル》

気配感知Lv10・魔力感知Lv10・危険感知Lv10・気配隠匿Lv10

脱げ足Lv10・忍び足Lv10・挑発Lv10・不意打ちLv10・蹴撃Lv10

疾走Lv10・跳躍Lv10・怪力Lv10・悪路走破Lv10・閃駆Lv10

《耐性スキル》

物理耐性Lv10・魔法耐性Lv10・苦痛耐性Lv10・精神耐性Lv10・恐怖耐性Lv10

罵倒耐性Lv10・隷属耐性Lv10・腐敗耐性Lv10・悪臭耐性Lv10・病気耐性Lv10

《生産系スキル》

職人の王者メイクキングLv10

《商業系スキル》

交渉Lv10・値切りLv10・帳簿作成Lv10・価格設定Lv10・目録作成LV10

《特殊スキル》

スキル操作Lv10・空間保管庫ストレージLv10・威圧の魔眼Lv10・スキル強奪Lv10・能力値最大付与Lv10

===============

なんだこれ?マツリが持っていたすべてのスキルが、最大値のLv10になっている。さらに、変な特殊スキルも手に入れているな。私は、マツリのスキルをこっそりと鑑定してみた。

===============

【スキル名】威圧の魔眼

【スキルの説明】この魔眼で威圧されると、スキルレベルに応じて威圧された対象の行動を妨害することができる。Lv10取得の場合、威圧しただけで対象者の生命を刈り取ることも可能。ただし対象の戦闘系職業のレベルが、自身のレベルよりも高い場合は、そのレベル差に応じてスキルの効果が変動する。

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【スキル名】スキル強奪

【スキルの説明】対象の持つスキルを、1度につき1つだけそのスキルレベルのまま強奪することができる。

強奪できる条件は以下の通り

(1)対象の戦闘系職業のレベルが、自身のレベルよりも高い場合は、そのレベル差に応じて強奪できる確率が0~50%の間で変動する

(2)成功・失敗の有無にかかわらず、連続してスキルを使用することはできない(強奪したスキルの能力に応じて、1時間~2日間の冷却時間がある)

(3)強奪に失敗した場合、1/10000の確率で対象に自分のスキルがランダムで譲渡される

===============

【スキル名】能力値最大付与

【スキルの説明】所持しているスキルを、最大値であるLv10に自動的に引き上げる。新たに取得する際は、Lv1の取得ポイントでLv10のスキルを手に入れることができる

===============

一体マツリは、なんになるつもりなんだろう…。私が言える立場ではないのだが…。このスキル構成ならば、低階層ならばあっけなく進んでいくだろう。パーティ編成がLv10になった影響で、マツリとパーティを組んでいるトーガ君とマルコス君も、ステータスを見る限りどんどんとレベルが上がっているから良しとするか。

そうこうしているうちに、第7階層も突破し、第8階層へと足を踏み入れていた。今日の探索はここまでとし、野営の準備に入るマツリ。トーガ君とマルコス君は、前回のこともあり、積極的にマツリのお手伝いをしている。今日の戦闘面では、マツリの驚異的なステータスアップのせいで、何もできなかった2人。なんせ、今のマツリは、威圧しただけで魔物の命を刈り取ってしまうのだ。戦闘行為は、第7階層では一切行われていなかった。

このままいけば、10階層にいる中ボス程度ならば瞬殺してしまうだろう。

その考えは当たっていた。

第8階層・大9階層と、サクサクと攻略していくマツリ。第10階層に突入すると、目の前の荒野には、無数の魔物がひしめき合っている。無数と言っても、そのレベルはとても低いのだが…。初心者冒険者にとっては、この光景は絶望的だろう。なんせ全方位、魔物がひしめき合い囲まれているのだから。

マツリは、全力で全方位に威圧をかける。軽く威圧するだけでも、ゴブリン程度ならば命を刈り取れる威圧だ。それを、全力でやったらどうなるか。

答えは、瞬殺である。直接威圧をかけられていなかったトーガ君とマルコス君は、その場で立ったまま気を失っていた。

威圧をかけた瞬間、一斉に動きを止めた魔物たち。そのままばたりと横に倒れ、無数の屍が野山が出来上がった。その屍の中に、この階層のボスであるダークゴブリンの姿もあった。


このことでマツリは、特例処置として、いくつかのランクを飛び越えてAランクに上なることが決まった。第10階層を無傷で瞬殺するだけの力があるためだ。

トーガ君とマルコス君は、戦闘を一切していなかったため、改めて10階層を挑むことになる。マツリに引きずられてレベルが急激に上がっていた2人は、数時間でこの階層を撃破する。これにより2人は、Dランクになった。

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